「中の中の中」箱男 サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
中の中の中
癖の塊。何言ってんのか全く分からない。しかも、画面が暗すぎるから何やってんのかも全く分からない。おじさんがダンボールの中に入って女の人の脚を覗いたり、今日あったことを分厚いノートにメモ書きしたり、そんなことしていたら、医者のおじさんに箱男の座を奪われそうになる。そんなストーリー?
んー、考えてもよく分からないけど、永瀬正敏、浅野忠信、渋川清彦、佐藤浩市というそうそうたるメンツが集まってすることが箱に入るという、その奇妙さがなんだか可笑しくて笑っちゃう。一応この作品に込められたメッセージみたいなのは何となく受け取れたけど、個人的に楽しめた要素はそれよりビジュアルかな笑
言ってることは理解できなくとも、何となくで良さは伝わってきたし、この作品でしか体感し得ないワクワクがあった。原作はどんなものなのか全く分からない、というかこの作品が文章だけで構成されていて果たして面白いのか、自分には想像つかないけど、十数年の月日を経て制作が動き出し、こうして映画化されたのには意味があるようにも思えた。最後まで退屈せずに読める自信はないけど、これは一度原作も手に取ってみたい。どんなこと考えたらこんなのが生まれるのか。鬼才の脳は不思議ばかり。
ミステリー?ホラー?サスペンス?ジャンルレスで我が道を行く感じは好きだったし、原作ファンにはあまり好感を得ていないようだけど、箱男アクションは意外にも軽快で笑っちゃったし楽しかった。
だけど、これを面白いと言うのには自分の経験とか価値観とか色々と足りない気がした。敷居が高い、というとちょっと違うけど、知らない世界すぎて置いていかれるばかりだった。なんかでも、こういう作品が評価される世の中であって欲しいなという気もしたりしなかったり...。