「ドナルド・キーンが亡くなったから実現したのかも」箱男 カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
ドナルド・キーンが亡くなったから実現したのかも
安部公房の本は昔初版本を集めたりして読んでいたが、ほとんどブックオフに売ってしまった。しまったなぁ。
内容はほとんど覚えていません。1973年発刊の箱男の映画化。27年前に頓挫したが、今回やっと完成させたとのこと。
確か、安部公房は東大医学部を卒業しているが、国家試験も受けていない。著作には戯曲も多い。
箱男、ニセ医者、軍医、ワッペン男をイケオジたちが演じる。
みんなちょっと年取っちゃって、侘しいカンジ。ガード下の年取ったレゲエのおじいさんの映画かと勘違いされそう。
安部公房の医者に対する歪んだ自我、覗き見や盗撮願望、匿名による自由への憧れと創作者としてのアイデンティティなどの葛藤がないまぜになった実存主義的な前衛作品の映画化。
1973年と2024年。50年の時間の流れ、戦中派の作者の作品であることを考えると、余計にしんどい。
覗き部屋とかSM倶楽部的な風俗自体がもう古いし。
凡人が理解できるような映画作品では石井監督としてはめっちゃ恥ずかしいよねぇ。
ドナルド・キーンに飛んだ勘違い映画だなどと酷評されたら生きていけない。
などと思うと、なかなかやりにくい題材だなぁと思いました😎
浅野忠信がニセ医者役で、佐藤浩市が本当の軍医。
逆じゃないと思ったけど、正解。
渋川清彦はこういう役似合うよねぇ。
新人の美人さんの起用はグッジョブでした👍
冒頭の永瀬正敏の顔のメイク。
カブキロックスしてましたね。
21時45分から23時55分のレイト・ショー。ビール飲んでから観たけど、寝なかった自分を自分で褒めてアゲタイ。
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