「箱男=完全な孤立・完全な匿名性=現代のSNS社会のメタファー」箱男 ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
箱男=完全な孤立・完全な匿名性=現代のSNS社会のメタファー
タイトルに書いたことが、本作のメッセージかなと解釈しました。
原作は1973年に世に出たものとのことですが、
今でも充分通用するテーマだなと感じた次第です。
箱男は箱に入って社会を見る、それが現代のSNSに通じているとまずもって感じましたし、
他者から攻撃されたり、入れ替わろうとされたりするところも、SNSに通じるなと思うんですね。
コロナ禍では引きこもるしかなかったわけですが、箱男も箱の中に引きこもり、それを正当化している。
まさにここ数年で生まれた課題を、本作であらためて突きつけられているように感じました。
映画それ自体を理解しようとすると大変な難解さだと感じますが、
わりかし自分はこう解釈する・・・的な見方をすると、それなりに楽しむことができますね。
ラストも永瀬正敏演じる“わたし”から、箱男はあなただ!と断言されるわけですが、
その締め方も良いなと思いました。まさに自問自答して終えることで、余韻がたなびくと思いますね。
それにしても箱男が走るシーンや箱男同士で戦うシーンがシュールすぎて面白いです。
もう声を出して笑っちゃうくらいに面白い。わざとやっているんだろうけど、動きとビジュアルがコミカルで面白すぎますね。
それから、葉子役の白本彩奈が美しすぎて見惚れてしまいました。
今後も要注目の俳優ですね。
最後にパンフレットも素晴らしいんです。
大島依提亜さんのデザイン且つ読み応えがありますので、オススメです。
というわけで、非常にアバンギャルドな本作、出来うる限り多くの映画ファンに劇場で観ていただきたいです。
パンフレットの良さ 賛同です。私も最後の断言は良かったです。シュールそのもので スタントマンさんの苦労を痛感しました。どう考えても ダンボールかぶって疾走は凄かったです イイねありがとうございました😊