「解き放たれる生命をも感じさせる快(怪)作!」箱男 キャプテン・ポップコーンさんの映画レビュー(感想・評価)
解き放たれる生命をも感じさせる快(怪)作!
アバンギャルドな作品だ!
これまでも、前衛的な映画は観てきたが、
あくまでも頭の中で理解であって、感覚的にはよく分かってなかった。
が!!
本作はまぎれもなく導入部分から、「前衛的な映画」と、感性が揺さぶられた!
監督名や予告編を見て「アート系作品側かな?」と、構えてしまうが、
観てみたら、エンタメかつギャグであり、ミステリー的な要素が目立つ。
まずさ、渋川さんの役名が「ワッペンこ●き」(笑)。面白すぎでしょ。
そして、日本を代表する名優陣が、箱の中に入って、演技する。
目線しか出ていない。目線だけでも表情が伝わる!
ほぼダンボールがメインアイテムであり、メインウェポン。
ダンボールの中はあんなに広くないし、機能的なスペースがあるわけない。防御性も機動性もあるわけない。そんなフツーのダンボール箱なはずなのに、アクションシーンは、SF的戦闘ロボット映画を見ているようなかっこよさと興奮がある。不思議だ・・・。
メインキャスト4名の天才的な芝居。
終盤のロマンスなんて、
アダムとイヴに見えて、新しい世界の幕分けが始まると思うぐらい繊細さを感じた。
プロのオトナたちが創造と全力で闘って、楽しんでいる感じ。
石井作品の新しい歴史になる快(怪)作になるのではないか??
自分の家にある箱が目に止まるようになるし、なんなら、BOXを自作しちゃおうかと思うくらい、”ダンボール戦士”は魅力的なキャラクターに描かれている。
観た人にはいろんな解釈が出てくる映画だけど、2時間、スクリーンに釘付けになることは間違いない。つまんない、と思わずに楽しめる貴方はすなわち・・・箱男だっ!!
では、最後に。
必殺武器はワニのぬいぐるみさ!(爆)