「共感できたのは「おじいさん」だけでした。」ビニールハウス 銀色さんの映画レビュー(感想・評価)
共感できたのは「おじいさん」だけでした。
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釜山の映画賞で賞も沢山もらった作品ということで、かなり期待して観た作品。が、正直なところ面白くなくてがっかり。おそらく、まず主人公が好きになれなかったこと、そして主人公の息子に同情もなにもできなかったことが一番大きな原因かと。主人公の息子は単なる不良行為で少年院に入ったのだと思いますが、そこに何か同情すべき理由が描かれていたら、もっとこの作品に入り込めたかもしれません。息子が少年院に入った理由がただの不良行為でも、母親は息子がかわいいのは理解できます。けど、単なる観客としてはそこに「ドラマ」がほしかったなと思いました。息子の為に罪を重ねて、破滅していく女性の物語ですから。
それから非常に不謹慎な感想ですが、ビニールハウスの家が想像していたより立派で、ここで息子と頑張れば良いのにとも思ってしまいました。
セラピーの会で知り合った女性が車中でとった行動も、早いうちから最後こうなるだろうと予測がついてしまい、パラサイトのようなあちこちハラハラするような場面も少なかったです。(ここでハラハラしてほしいのだろうと思う場面は色々ありましたが)
ただ、主人公を信じる優しい雇い主のおじいさんだけは、とてもいい人でほっとしました。
以上、厳しめなレビューになりましたが、エンディングにははっとさせられましたし、どの役者さんも素晴らしい演技でした。
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