「Spotter」ナイトスイム ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Spotter
ジェームズ・ワンとジェイソン・ブラムが製作に入ってるってだけでとりあえず観に行っちゃう人間なので、吸い込まれるように劇場へIN。
プールに潜む怪異(地縛霊的なやつ)に襲われる王道ホラーで、目新しさこそありませんでしたが、無難に楽しめる作品には仕上がっていたと思います。
一方的に襲われる側になるのではなく、自らも怪異に取り憑かれて脅威となる二面性を見せてくれるハイブリッド型なホラーだったのも好印象でした。
この手の作品はどうしても危機に自ら飛び込んで自滅していくスタイルが多くなりがちですが、そこは結構しっかりしていて、プールに近づかなければならない状況になっていたのは違和感を取り除くものとして良かったです。
父親はプールが病気の治療に役立つから、母親は小さい頃から泳いでいたから、娘は水泳部だからとある程度納得できるものになっていました。
息子はわりかし自分から飛び込んでいくタイプでやめとけと思っていましたが、後半はプールの異変にいち早く気づいて行動する姿を観てやるやんってなりました。
割と早い段階でプールに対する違和感が描かれて、水面に浮いてるものを取ろうとしたら吸い込まれたり、誰もいないのに声が聞こえてきたり、排水溝に手を入れたら怪我したりと目に見えてこのプールはヤバいとは思いつつも、父親のために我慢せざるをえないという状況になっていたのは面白かったです。
プールの怪異がめちゃくちゃJホラー味のある感じで、姿を表すまではどんなやつなんだろうと恐怖を駆り立てられていましたが、いざ出てくると割とイメージできる怪異で肩を落としました。
やはりホラーは姿が現れるまでが良し、現れてからは製作陣の腕の見せ所というのが再確認できました。
オトンに取り憑いていってからはシンプルなホラーになっていき、黒いグニャグニャが襲ってくるわ、目から血の涙が溢れ出ちゃうわ、生贄云々が絡んできちゃうわで、内容は濃くなっていくのに面白さは追いついていかない感じは惜しかったです。
めちゃくちゃプール深いしよく息持つなーと違う視点で楽しんでしまうくらいには置いてけぼりにされていました。
オチ自体は含みを持たせつつも、2択に迫られた家族の決断を描くもので良かったと思います。
少し平和すぎるかもなとは思いましたが、これ以上被害を増やしてもどうにもならんだろうし、これはこれでいいかというところに落ち着きました。
今作で現実的な怖さを放っていたのは不動産だったと思います。
事故物件であることは内見の時にも住む前にも報告せず、少し事が起こってきてからポロッと報告されちゃ一家もやってられんよなと思いました。
事故物件と言っておけばこんな事件は起こらなかったのに…というホラーには不必要なたらればが思い浮かんでしまいました。
オーソドックスなホラーで、自宅で見る分には大いに盛り上がれる作品だと思いました。
庭付きプールのある家に住みたいなぁ。
鑑賞日 6/11
鑑賞時間 11:20〜13:10
座席 E-7