「偽装書類の実在証明」殺人鬼の存在証明 uzさんの映画レビュー(感想・評価)
偽装書類の実在証明
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てっきり『12日の殺人』のように捜査の闇や行き詰まりが中心になると思っていた。
未解決パターンも覚悟していたのだが、色々と予想外。
主人公のイッサは、プロファイリングを導入したり“チェスプレイヤー”に協力を求めたりと、柔軟に捜査にあたる。
反面、暴力を用いたり「必要なのは罪を負う者だ」と言ったりもする。
それ故に、ワリタへの尋問も正義感からか表面的な解決を求めてるのかが捉えづらかった。
しかし、そこに第三の理由があったとは…
ワリタを拘束してからは、そこを軸に過去へと行きつ戻りつするが、この辺が少し分かりにくい。
イッサと“美術館の女”との出会いは理解できなかった。
しかし、冒頭で1988年と1991年の事件をシームレスに繋げるミスリードなど、巧さも光る。
正直なにかと(特に精神病患者)都合のいい部分は見受けられるけど、個人的には許容範囲。
ただ、本作に限らずこの手の話では市民にどこまで情報が開示されているのかは示してほしい。
ワリタは間違いなく真犯人なのだろうけど、模倣の可否は重要な要素では。
時系列シャッフルのせいもあり、色々考えてしまって衝撃が逃げたのが少し残念。
このへんは自分のアタマの問題もあるが、綺麗に殴られるような感覚が得られればなお良かった。
とはいえ、真相の意外性も含め最近のサスペンスではかなりの秀作かと思います。
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