「 終始緊迫感に満ちた政治(クーデター)劇として見応えたっぷりだが、...」ソウルの春 sugsyuさんの映画レビュー(感想・評価)
終始緊迫感に満ちた政治(クーデター)劇として見応えたっぷりだが、...
終始緊迫感に満ちた政治(クーデター)劇として見応えたっぷりだが、あまりにも結末が苦い…。勝利した悪党が高笑いし、まっとうな軍人であろうとした主人公は(主に無能な上層部のせいで)敗北し、すべてを奪われる。クソみたいな将軍たちにクソみたいな軍隊、でも一番クソなのは前線から即クーデター軍は招集できる首都ソウルの位置!よく韓国が現在まで存続してるな、と逆に感心する。日本人でもこんな暗澹たる気持ちになるのに、本国の人たちはどんな気分でこの映画観終えたのか…と震える。冴えない風貌でカリスマがあるわけでもない男が、捨て鉢の思い切りのよさとタイミングだけで一国の秩序と統制を蹂躙していくにつれ、その勝利自体によって悪魔的な威風を帯びていくのも、悪の成長譚として凄まじい。
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