劇場公開日 2024年9月6日

「海外で奔走する外交官の物語は熱い!」ランサム 非公式作戦 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0海外で奔走する外交官の物語は熱い!

2024年9月24日
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鑑賞方法:映画館

「極限境界線 脱出までの18日間」「モガディシュ 脱出までの14日間」とか、海外で拉致されたり、内戦に巻き込まれたりする韓国映画は面白い。本作は、ベイルートで拉致された外交官を救おうとする話。
驚くのは、最初に拉致されてから1年以上経ってから救出活動が本格化すること。中東だけど、国際テロ組織というよりは犯罪集団が拉致しているところもちょっと珍しい。ただ、犯罪組織といっても装備がすごいから、ちょっとした軍隊並み。でも、規律がゆるそうだから捉えられている側としてはたまったもんじゃない。ちゃんとした軍隊に捕虜として捉えられる方がマシだ。
個人的に気になってしまうのが誰が大統領だったかということ。全斗煥のときだったが、1987年の民主化運動で政権交代を決断するちょっと前の話。だから、救出作戦自体は軍事政権真っ只中の出来事だ。安企部の力が強いのもそのせいと思われる。なんでも北の陰謀と決めつけるって外務部のセリフは面白い。
救出作戦自体はなかば強引だったが、意外とあっさりと解決する。ただし、盛り上がるのはベイルートからの脱出と最後の終わり方。なるほど、そんな決断をしたあいつは最高にかっこよかった。外務部の職員たちの行動にもちょっと感動。働く人たちのプライドが垣間見える物語は面白い。そして、男の友情物語としても楽しむことができた良作だった。韓国のこの手の映画はやはりはずさないな。

kenshuchu