「宇宙規模の人間ドラマ」THE MOON 雨雲模様さんの映画レビュー(感想・評価)
宇宙規模の人間ドラマ
ネタバレしないよう話すのは難しいので(笑)
太陽風により電波が遮断されナロ宇宙センターと通信が出来なくなったウリ号。機体に不具合があるかもしれないため、機内にソヌを残す形で船長のサンウォンとユンジョンの二人で危険を顧みず船外へ修理に取り掛かる。
修理の末に再び宇宙センターと通信ができるようになったのも束の間、宇宙って恐ろしいもので通信機器が正常に作動しない、また正確な情報が伝わらない状態では、人間性が試される。知識がある云々ではなく、冷静に考えられるかどうか。
最初から太陽風のことを知っていたら発射なんてやめたはずだろうし、宇宙知識すら無知な方々により強行的に打ち上げられた末の顛末ならば自業自得としか言いようがない有り様。
だから、ナレ号の設計に携わり同じシステムのウリ号についても知識豊富なジェグクを呼んだわけだが、ラストになればわかる。そもそも発射には向かない状態だった、それでも国の威信がかかっているから発射はやむを得ない。強行的に打ち上げられたために事故は起きた。
自らの罪を知りながら、ソヌの言葉に突き動かされ宇宙センターに戻ったジェグク。ソヌに拒絶されてしまうが、自ら犯した過ちを伝え、ソヌははじめて父の死の真実を知る。
選ばれた宇宙飛行士が気の毒過ぎる!
人命を何だと思っているのか、それもまた国の威信をかけてならなんでも?北の将軍様と考え方は同じではないだろうか。まあ同じ半島だしね。政治の思考や首都が違うだけか(笑)
そのあたりイライラしか募らないからマイナス。天災ではなく人災によるものだから。
最後はムニョンの訴えに対して応えたゲートウェイに救われた。ゲートウェイに搭乗していた宇宙飛行士の心の広さが宇宙だったね。ラストがとても印象的だった。
ジェグクの罪を赦したソヌの心の広さも宇宙規模だった。