劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」のレビュー・感想・評価
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望外の傑作!「作画演出による心理描写」に全てを懸けるスタッフの心意気に胸が震える。
本当はあまり観るつもりがなかったのだが、20時からの映画に間に合わず、せっかくの水曜サービスデーなので何か観て帰ろうと、ウマ娘を選んだ次第。
率直にいって、想像以上の完成度でびっくり。
すげえ面白かった!!
テレビシリーズは1~3期とも視聴済み。アニメとしてはいずれも良い出来だったと思う(とくに一期)。
ただし競馬には1ミクロンも関心なし(調布に15年住んでいるのに府中競馬場にも行ったことがない)。ゲームもやったことがない。馬の名前も活躍した時代もまったくわからない。
要するに、美少女スポコンアニメとしては愉しんで観ているが、正史がどうだったかとか、各キャラへの思い入れとかはまったく無い、筋金入りの「ニワカ」のしがない感想です。
何が良かったかというと、とにかく「作画」と「演出」で全てを表現したいという姿勢が、全編を通じて貫かれていたこと。これに尽きる。
意地でも、台詞では説明しない。
心の声でああだこうだとしゃべらせない。
込み入ったストーリーやキャラ立てを用意しない。
ただ、ヒロインの姿を映す。動かす。それだけ。
そこに込められた視覚情報だけで、
心理描写を丹念に彫り込んでゆく。
監督には、「演出」で全てを語らせようとする覚悟がある。
表情の細やかな変化、瞳孔の開け閉め。
しぐさ(とくに指)、足の震え、口元のおののき。
立ち位置の演出、カメラアングルの演出。
横からか撮るか、前からか撮るか、後ろから撮るかで、場面の意味合いが劇的に変わる。
光と影、順光と逆光、空模様、ターフの重さ。
感情の変化と背景描写が常に密接にリンクしている。
そういった映画的なギミックと手管と情報を徹底的に練り込むことで、ヒロインのその時その時の感情を、「視覚的に」表現しようとする強固な意志が感じとれる。
おそらく、ジャングルポケット自身も、自分がどうして「ダービーに勝ったのに」いつしかダウナーな思考に絡めとられて、どんどんと追い詰められることになってしまったのかは、正直よくわかっていないはずだ。この精神的な不調は、言語化不能、論理化不能のあいまいな何かによって引き起こされているからだ。
結局、アグネスタキオンに直接対決で勝てなかった現実。
目の前でタキオンに仕掛けられたスパートによって、自分が気圧されて心が折れてしまったという自覚。自分が「負け犬(負けウマ)」になってしまったという屈服感。
勝ち逃げのように、自分には理解の出来ないロジックでタキオンが目の前から消えてしまった巨大な喪失感。
その後、人生で一度しか巡ってこないダービーでの勝利によってもたらされた、突き抜けた歓喜の感情と、しばらく続くふわふわとした昂揚感。トレーナーと先輩の期待に応えられた安堵と充足。そんな達成感のすきまに忍び寄って来る、曰く言い難い目標を見失ったような空虚な感覚。しだいに出過ぎたアドレナリンとドーパミンは、脳をめぐりめぐってダウナーな鬱感情を引き起こす。自分は結局タキオンには勝てていないではないか。どれだけ頑張っても、タキオンが残した戦慄の光芒を超克することはできないのではないか。次第に追い詰められていくなか、速く走る訓練よりも、自分に負荷をかけるようなウェイトとローラー牽きの特訓に明け暮れ、ひたすら身体を苛め抜くポッケ。それでも、マイナス思考の連鎖はとめどなく、調子はどんどん落ちてきて、レースでも勝てなくなってくる。
もがいても、もがいても、前に進めない、抑制のかかった重くて身動きのとれない感覚。
彼女を押しとどめ、リミッターをかけているのは、実は彼女自身の心に他ならない。
一流のアスリートたちは誰しも、常に「調子」と「メンタル」という、自分の意志だけではコントロール出来ない変動パラメータに振り回されている。
努力したからといって、すべてがうまくいくわけではないし、勝ったからといって、調子が持続するわけでもない。プロとアマが対決すれば九分九厘プロが勝つくらいの力量差はあるけれど、プロ対プロの戦いでは、常にそこの数パーセントの「調子」と「メンタル」で、勝ち負けが大きく左右される。
野球のピッチャーにしても、140キロの球をだいたい狙ったところに投げることは「毎回出来る」が、それ以上の細かなコントロールや球威は「その日に投げてみないとわからない」。そのくらいぎりぎりのところで戦っている。
ウマ娘も、「訓練」や「戦略」だけで勝敗が決まっているわけでない。
とにかく難しいのは、「勝った後のモチベーションの持続」と、「負けた時に身体に染みついた負け犬感覚の払拭」であり、勝てる状態にまでメンタルを持っていくそのイメージの醸成方法であり、メンタルの良い状態を身体の神経と筋肉に伝えて高い能力を発揮させるためのメカニズムの整備である。
今回のウマ娘は、そういったアスリートの繊細であいまいな心の揺れと、心と身体の関係性、直結して左右される調子の上がり下がりを、とにかく丹念に追いかけて、映像的に実体化させようとしている。そこの粘っこいアプローチが実に良い。
この方法論は、「見せ方」に違いはあるにせよ、京アニ出身者、とりわけ山田尚子監督の演出方針にとても近しいところがあって、個人的には大変好ましく感じる。
キャラクターの一挙手一投足、1ショット1ショットのアングル設定、各シーンごとのレイアウトに何らかの「意味」をもたせようとするコンテワークこそが、僕はアニメの醍醐味だと思うし、そのあたりをいろいろと考えながら観るのがたまらなく愉しい。
アニメは実写と違って「描き込まれているものは、すべてわざと描き込まれている」以上、惰性やお約束ではなく「意図」をもって本気で描き込めば、実は実写以上の「演出」を仕掛けることが可能だ。
二人の並ばせ方、動きのシンクロ度合い、目線の交錯ぶり。これだけの作画演出で、アニメは100の心情が描写できる。今回のウマ娘は、とにかく日常描写(特にポッケを曇らせる描写)において、アニメならではの表現方法を必死で模索しているのがしっかり伝わってきた。
だから僕にとっては、とても愉しいアニメ体験だった。
そういうわけだ。
― ― ―
「ウマ娘」コンテンツの最初の「映画化」として、作画や演出の方面では本当によく頑張っていたと思う一方で、この手の「黒目部分が小さめで瞳孔が縦に開いている」タイプのアマゾネス系の外観&口調のヒロインを主役にもってきたのは、ずいぶんと冒険だった気もする(少なくとも通常のアニメやゲームだと、サブキャラにはいても主役を張ることは絶対にないタイプ)。
敵役のタキオンも、目がいっちゃってる完全な厨二キャラのサイコ系で、ぜんぜん可愛くないし。で、ふたりともいっちゃった顔で、妄言を吐いたり叫んだりし合ってて、ずっとガチャガチャやり合っているので、まあまあ絵柄が汚い(笑)。狂暴系クレイジーサイコ●ズ同人みたいな……。
萌えアニメのWヒロインとしては、かなりとっつきの悪いキャラだったのでは?
なんか、1期も2期も3期も特別編もやって、可愛い系きれい系はやり尽くしたからじゃあ今度はワイルド系でってことなのだろうが、一本のアニメ映画としては、どうもW主演させるにはクセが強すぎるコンビである気はしないでもない。
話の組み立てとしても、完全にジャングルポケットVs.アグネスタキオンという図式が全編にわたって徹底されているがゆえに、他のウマ娘が添え物のような扱いになっている感は否めない。
ダンツフレームは、異形の主演二人が毒気をまき散らすなかで、「オーソドックスなウマ娘」像を差しはさむ一服の清涼剤のような役割を果たしていて良いと思うが、マンハッタンカフェとテイエムオペラオーに関しては、若干扱いを持て余している感じがある。
結局、最も意識し合っているふたりは、前半で交錯するだけ。
後半のジャングルポケットはずっと、マンハッタンカフェと走った菊花賞も、オペラオーと走ったジャパンカップも、実際のところは「タキオンの幻影」と戦い続けている。
たった一度目にした「タキオンの光芒」だけを追いかけ続けている。
彼女が意識しているのは、ずっとタキオンだけなのだ。
そこはわかって観ているつもりではあるのだが、やはり「なんで最強を目指しているはずのジャングルポケットが、現役最強で最多記録を更新している最大の敵テイエムオペラオーに対して、超どうでもよさそうな塩対応なのだろう?」というのは、素朴な疑問として残ってしまう。
「刃を交えはしたがそのまま眼前から消えた幻のライバル」
「戦えないがゆえにどんどん肥大していくライバルの幻影」
「最大の敵は影におびえてセーブをかけてしまう自身の心」
というマニアックな設定のせいで、最初に見せ場が来たあとは、ずっと鬱々とした展開が続き、残る二度のレースでも他のライバルキャラが目立たない。
このへんは、痛し痒しといったところか。
あと、個人的に残念だったのがライブの演出。
全体にヒキのアングルで、あまり熱がこもっていない。
せっかくいくらでもグルグル視点は動かせるんだから、
もっとヨセで、アップで、ガンガン煽っていこうよ。
どうしても前例としてトウカイテイオーとナイスネイチャの神ライブがあるので、今回の醒めた演出は若干拍子抜けだった。
シリアスな内容に合わせて、途中にもライブは差しはさめず(あれだけギスギスさせると、戦ったあとのライブはたしかに入れづらい)、最後の最後だけ入れてはみたが演出は出来るだけ抑えたってことなんだろうけど……せっかくの映画版なのにライブにリソース全振りで盛り上げないでどうする??ってつい思っちゃうな。
とはいえ、総体で見ると充分に愉しめる素晴らしい映画でした。
改めてレビューコメントをいくつか遡って見ると、褒めるにせよ叩くにせよ、いつになく暑苦しい空気感で、そのくらい濃ゆいファンがしっかり付いているコンテンツなんだなあ、と(笑)。
叩くレビューにしても、それだけ「ウマ娘」に対して「理想」があって「期待」があることの裏返しなわけで、どこまでも真摯で、はらわたから声が出ていてほほえましい。
こんなにガチのファンがいるのなら、当分コンテンツは安泰なんだろうな。
以下、備忘録。
●フジキセキの勝負コスが変態紳士すぎる。
●緒方賢一はさすがにちょっと老け込んできたな……。
●タキオンがほとんどウソしかしゃべってないってのはミソだよね。
●パンフで監督が「ジャングルポケットは矢吹丈でタキオンは力石徹」みたいなこといってて笑う。ジャングルポケットのキャラ付けは江戸前で、下町のヤンキーらしい(笑)。
●ジャングルポケットがレース中やレース後に「吠える」のって、史実どおりなんだな。こういう正史の活かし方って、「ウマ娘」のコンテンツってホントうまい。
●タキオンとフジキセキの復帰エピは、個人的には別にやらなくてもよかったかなと。
●レース演出が期を重ねるごとに激しく過剰になってくのって、アニメーターの負けん気ってのもあるんだろうなあ。「誰だれの描いたアレには負けたくない」みたいな。
●作画スタッフに、昔懐かしい吉成鋼や恩田尚之の名前が。
●やっぱり、テレビやノーパソで観るのと違って、映画館の大スクリーン(しかもシネスコ。シネスコですよ!皆さん!!)で観るウマ娘は、迫力が違う。マジで全然違う。
横長の画面で、巨大なウマ娘たちがコンマ一秒を競い合う様は圧巻。
ぜひ皆様も映画館でお楽しみください。
最高潮が日本ダービーなのが
気持ちとしてはラストに最高潮を持ってきてほしいのだが
思った以上にアグネスタキオンを超えて最強になるという感情が大きくそれを中心としてストーリーを作ってしまうとタキオンもダンツもマンハッタンカフェも走らないジャパンカップをラストに持ってくるのはちょっと盛り上がり不足で俺たちの闘いはこれからだぁ!よろしくラスト打ち切りみたいな終わり方だなぁと感じざるを得なかった
おそらく企画当初は新時代の扉というサブタイトルから世代交代みたいなのを描こうと思っていたんだと思うんだが
どういうわけか上の世代の心情や関係性を描くことが出来なくなったもののラストはテイエムオペラオーとの対決は変わらなかった
それによって気持ちはタキオンに向いているのに闘う相手は上の世代という
どうも気がのらない感じがあった
とはいえフジキセキとタナベトレーナーの描き方もとても良かったしゲッターのシャインスパークみたいな感情むき出しの画作りもカッコよかったし気持ちがグッとくるシーンはたくさんあった
オペラオー、ドトウ、トップロードの上の世代をもうちょっと描けたらクライマックスがより盛り上がるのでは?
あと何カットか線がガタガタのスムーサーのかけ忘れカットがあったのが気になった
レース映画かと思って期待しすぎていました。
まず個人的に良かったと思うところを先に書いておきますと、日本ダービーまではめちゃめちゃ良い映画に仕上がってたように思います。日本ダービーの前と後で、監督変わった?と思うほど差があり、僕が酷評しているのは主に後半パート(日本ダービー後)です。
映画としてのクオリティは低いと思います。そう感じるすべての元凶は、なぜ2部構成になっていないのかと思うほどの尺不足です。ゆえに、他の方が書かれている通り、各キャラの掘り下げが不十分なまま、あるいは掘り下げるバランスがおかしいまま物語が進行してしまい、そのしわ寄せが終盤になればなるほど大きくなっていきます。そのわりには本編と全く関係のないモブキャラが結構な数セリフつきで出てきており、ウマ娘ファン向けの美少女萌えアニメに仕上げたのか?と感じました。僕は美少女萌えアニメ大好きなので、小ネタとファンサは楽しかったですが、初見で観に行くと戸惑って集中できないシーンもたくさん入っていると思います。
肝心の(?)レースシーンも、レース途中で各キャラの戦略や戦術、心理などがほぼ描かれず、最終直線で「背負っている想いの強さ」をそのまま虹色にしたようなキラキラの演出と雄たけびで済ましてしまっており、レースものの映画としてこれではダメだったと思います。アニメ3期でボロクソに言われた「最終直線で叫び倒す」を「パチンコの大当たり演出」に置き換えただけにような感じです。何度も言いますがレースもの映画としては雑な仕事ではないでしょうか。ベテラントレーナーとフジさん仕込みの技術や戦術で、あらゆる手を尽くしてもライバルが強烈で、最後の手段としてポッケの中にあるものが覚醒する。とかいう展開ならまだあの演出も飲み込めたのですが…純粋なレース映画だと思って観に来た僕が間違ってたようです。
初めにも書きましたが、とにかくそこまで描けるほどの尺が足りなかったんだろうと思います。見方を変えれば、100分少々の映画としては頑張って上手くまとめた方なのかもしれません。
思った以上にスポ根
シリーズ作品はほぼ見ています。テレビシリーズにするには個々のエピソードを組み込むのが難しい。その点で映画作品になったのは納得でした。ポッケの少年漫画主人公のようなスカッとした性格、途中の挫折から立ち直る様などスポ根感満載です。そのためウマ娘間のわちゃわちゃは少な目でそういった感じを求めたら物足りないかも。とはいえ今まであまり描かれていなかったキャラにスポットが当たっただけでもファンは満足できるはず。モブとしていろいろなウマ娘が隠れているのもグッド。作品を見てから実際の競馬レースを振り返るのもとても楽しいです。ゲストは元調教師の大久保先生が一番ハマっていたように感じます。
シリーズ好きから見た率直な感想(長文になりました)
正直評価が難しい作品でした。
良いところは間違いなくあるものの、映画館を出たときの印象としては「ちょっと微妙」というところに落ち着いています。
ウマ娘はアニメ1期を見てハマり、アプリを事前登録してほぼ毎日プレイし2期、3期と視聴していました。
RTTTも素晴らしい出来で今回も(キャラ選出に若干の不安を感じながらも)楽しみにしていました。
まず全体を通して感じたのは作品の雰囲気がクールで暗いことです。
ウマ娘は筋骨隆々の競走馬を美少女に擬人化した作品です。
明るく可愛らしく華やかな要素がなければ美少女化した意味が弱まってしまいます。
かっこいい系ウマ娘も勿論好きですが、ウマ娘として初の劇場版で披露するには少々挑戦的に思いました。
背景も綺麗ですが描かれているのは競馬場や静かな河川敷。夏合宿もポッケが沈んでいるシーンなこともありテンションは落ち着いています。
この雰囲気は小さなお子さんには退屈で厳しいのではないかな…
タキオンの引退発表、あんなに画面を真っ赤っかにする必要もよくわかりません。
魚眼構図で目を見開くポッケ、手法がホラーです。誰か亡くなりでもしたのかという過激な色。
色を使った印象的な演出は大事と思いますが、やりすぎなシーンが多く違和感を覚えます。
顔を崩すギャグシーンも妙に長くて不安になりました。
レースシーン。
地下道の蹄の音や工夫を凝らした道中のカメラアングルはとても良かったです。
BGMもジャンポケを意識したであろうかっこいい曲。
しかし道中のポジションの奪い合いや内外選択等の戦術は何一つ無く、
「早くも最後の直線です!」からの
踏みしめる脚のアップ
過剰に光りだすウマ娘
うお〜はあ〜と叫ぶ声
そしてゴールイン!がほぼ全てのレースで行われます。
演出や叫びが過剰になった3期からこのゴリ押しパターンが増えたように思います。
光らせれば良いわけでなく、声優に闇雲に叫ばせても自分の中でどこか白けてしまう。
ただ自分が長くコンテンツを追いすぎてこの演出に慣れきってしまった部分も大きいと思います。
是非まだ体験されてない方は観てほしいという気持ちもあります、本気顔で走っている彼女たちは確かにかっこいいので。
ストーリーに関しては元ネタ的に正直こう描くしかないだろうなという話でした。
期待通りでもあり、こんな一般人の予想なんか超えてもう一捻りして欲しかった感もあり。
散々言われてますがカフェとダンツはもう少し描写が必要だと思います。
日常シーンでポッケともっと関わって影響を与え合える存在であれば、ダービーも菊花賞も熱い気持ちで見れたのですが…。
フジキセキ側に尺を割きすぎたように思います。老いたトレーナーを含め良い話ではありましたが思いを託すのはもう少し簡潔でも良かったんじゃ…
今作ラスボスのオペラオーとも特に接点もなく、最強にこだわる割に現最強の先輩に何の感情もないのかなと少し寂しい気持ちに。
オペの凄さは前もって有馬記念で見せる形をとったということでしょうか。このレースは包囲網を突破するという彼女の技術を感じられたので面白かったです。
ライブシーン。
これが個人的に惜しすぎる。もっと力を入れてください。
このライブシーンだけのために何度もリピしたい!という感想をあまり見かけません。
それを言わすべきほど、劇場で見るライブには力があると思っています。応援上映とかあれば大盛り上がりですし。
個人的感想ですがRTTTのライブの方が可愛くて見応えがありました。
こういう面で言うと今回の4人、やはりデザイン上難しい選出になっているのかなと感じました(キャラクターとしては全員好きです)
勝負服の都合上仕方ないとはいえ色被りを起こしている主役2人、黒一色のカフェ、ダンツはピンクですがスポーティ系の服装。
映えるライブを組み立てるのは相当難しそう。
思えばRTTTはカラフルな3色で華やかな衣装の子が多かったんですね。
この作品に詳しくないアニメ好きの男性層にも来てもらいたいですがその場合目を引く可愛いキャラはどうしても大事になります。
1期2期3期も主役・相手役のキャラは華やかで明るい色を持ったデザインの子ばかりでした。
家族層に来てもらうにはあまりに画面作りが静かでクールすぎ、かっこいい系を主役に据えても女性キャラに狂う女性は(居るにはいますが)絶対数で言えば多くはありません。
興収の話などここですべきではないですが館数に対してのやや物足りない数字も正直納得できます。
公開前にガンダムSEEDくらいは軽く超えるだろうという意見を見ましたが
どちらも好きなコンテンツで両方観た身としては無茶言わないでほしい。別作品の名前を出して申し訳ないですが
「味方全滅の危機に例のアレに乗って駆けつけるアスラン・ザラ」に
「ポッケの不調に勝負服で河川敷にやってくるフジキセキ」では話題性において火力が足りません。
ゲ謎のように内容が話題になれば口コミで伸びることもありますが、この作品にはそういった意表をつくサプライズは感じませんでした。
PVの雰囲気通りの作品が、期待と予想通りに描かれています。ある意味誠実です。
とは言えなるべくいい数字で終映を迎えてほしい気持ちもあり、
気になっていてPVから惹かれるものがあれば是非とも観に行ってほしいです。
このコンテンツが末長く続きますように。
長文失礼いたしました。
2010年代や昔のジブリを思い出すような凝った作りの作品
レビューが非常に長いことはご了承ください
※6/1に2回目の視聴、6/11に3回目の視聴、7/14に追記
先ずは作品がクロスメディアコンテンツとしての体裁故の注意事項、6/13にゲーム版にジャングルポケットが実装されましたが"本映画とは全くシナリオが違う"ので、"本作品は本作品の中でしか完結出来ない"ことを念頭に置いてください
現在、7月一杯までは冒頭の7分公開をYoutubeにて配信されていますので、そちらを見てから見るのを判断されるのが一番かと思われます
また初見でしか味わえない部分もありますので、その部分が損なわれるのは嫌な方はここで引き返してください
あまり言いたくはありませんが、曲解や虚偽、いやがらせなレビューが多く、コメントを閉じてまでファンに擬態したレビューも少なくないので他レビューを見る際はご注意ください
少なくともウマ娘を全く知らない連れを連れていっても作品を楽しんで貰えるくらいには分からない部分はありません、分からないとしたら子供ぐらいなので、大の大人が分からないと言ったら、だいぶマズイくらいには深く入らなければシンプルなレベルです
会話には用語が1割満たないレベルでしか出てきません
一応、補完も込めた小説版も販売していますので、舞台裏やより細かい心理面とかも知りたい方は角川文庫出版の小説版を是非
アニメ映画として見た場合のレビュー
本作の製作スタジオであるCygames Picturesは映画事業は全くの初
しかし、初とは思えない作りの良さ、アニメ映画としてはまるで2010年代の名作達や昔のジブリを思い起こす様な映像からも心理を読み取らせようとする演出もあり、昨今のアニメでは失われつつある絵や音による心理描写が非常に多くあり、音響も素晴らしくシリーズを見てきた自身ですら驚くレベル、五感を総動員して楽しめます
中にはちょっとした背景での立ち位置や部屋の変化で登場人物の心理が見え隠れしたり、それぞれの立場が分かるような意図した作りを入れています、これはウマ娘作品でもここまで多く入れたのは初めての試み
また、タイトルがタイトルなので中々、視聴に抵抗がありそうですが、ここら辺も2010年代からある「見た目・タイトル詐欺」レベルの少年漫画的演出やシナリオ、展開だったりしますし、作り込みはそれを遥かに上回るレベル
ヤングジャンプでコミカライズ展開している別作品・"ウマ娘 シンデレラグレイ"の雰囲気に近い作風だったりします
作画も動と静がハッキリしている作り込み、表情の変化も非常に細かく「あれ?何だか様子が?」って意識させる作りが非常に多いです
しかし、シナリオは至って王道、小難しく考える必要もないが、演出における解釈を加えて、心理を深く見ても面白くなる様な作りにはなっています
物語のイントロを少しだけ
主人公のジャングルポケットが友人と気まぐれに見にきたレースで「お嬢様学校の連中」とたかを括っていたら、フジキセキのとんでもない走りに惹かれて自分もそのレースシリーズである、トゥインクル・シリーズ出場を目指し、その惹かれた走りのような強いレースで時代の最強を目指すところから物語は始まります
このように言わばジャンプ漫画みたいな分かりやすく、熱血王道的な導入から始まり、ここから主人公のスポ根的成長物語ともなります
基本的には見易く、取っ付きやすい物語の作りではあると思います、また登場人物が学生なので合間に日常シーンで緩急をつけたりして上手くメリハリが効きながらも、しかし要所要所の演出による心理描写や表情に伏線があったりと五感全てで楽しめる作品になっていると思いました
世界観どうしても細かい設定が気になるって方はウマ娘 公式ポータルサイトまたは映画の公式HPや映画Xでの公式アカウントで用語集を調べてから見るのが良いかと思います
実際の競馬や競走馬等に基づいたエピソードはありますが、知らなくても分かるレベルでしか入っていません
ここら辺はあくまでも"作品の世界観の独自性"も維持するために物語のノイズにならないよう上手く取り捨てしています
では、ここからは作品シリーズのファン目線で
実質的な前作で前日譚でもあるROAD TO THE TOP(以下RTTT)からより進化した作品でありながら、シナリオの作り自体はナリタトップロード(以下トプロ)の二人三脚で頂点を目指す物語とは異なった作り
トプロの物語は群像劇スタイルで主役3人にフォーカスを当てる視点に対して、今作はジャングルポケットを中心に同期のライバルであり友人達との成長物語を描いているので、シリーズファンに言えば別スタジオの作品であるTVアニメ1期の様に見せつつも、実際はアプリのメインストーリーの様なスタイルと作風を意識した作りで展開しているいわば、メインストーリーEXと思えば良いと思います
ただし、作風自体は同じサイピク作品であるRTTT味は健在、迫力のある作画やさらに進化したカメラワーク等には圧倒されました
また、BGMも新しい試みがあり、タキオンという異質な存在をアピールさせるための曲調にしたり等と、RTTTとはまた違った良さがありました
皆が期待しているであろう00年有馬記念のテイエムオペラオーは想像以上に凄かった、PVでは映像のみだったが、実況は「当時のモノの方が凄みが伝わる」との脚本家の采配でまさにほぼ同じものだったので更に迫力がよりありました、演出面も「これからとんでもないことが起きますよ!」と言わんばかりの派手さ
基本的にはレースシーンはRTTT以上にエンタメ的迫力を重視しつつも、想いの心理は全く変わらずでした
強いて言うならレースの展開やポッケの内面的成長が物語の中心なこともあってか、戦略的な面はRTTTと比べて少なめ、一応最初のレースでポッケ自身のレーススタイルは本人が触れているが、セリフからして"天性のレースセンス"と持ち前のフィジカルで行くタイプ
しかし、勝利への執念を見せるべく想いをぶつけ合うような描写もあり、モブにも「勝ちたい」という強い意志を見せたりとこれまでの集大成的な作りが見受けられました
とにかくレースでの内面心理描写は過去一まであるかもしれません
また物語も最強を目指すポッケが同期のライバルが離脱して目標を失いつつも世代最強を目指し、さらにはタナベTとフジの夢を受け継ぎ、より強く目指そうという意志を持つものの、世代最強になっても「タキオンには勝っていない、勝つことはない」という事実に悩まされ、虚しさとも戦っていく"アスリートは常に自分との戦いでもある"という側面をも描いています
他ライバルであるタキオンやダンツにも心理面をかなり描いています、特にタキオンは裏主人公とも言えるポジションなので、アプリでタキオンファンになった人は感慨深いかも
フジキセキももう一人の裏主人公orヒロイン的ポジションであり、史実ルートに行ってしまった時の掘り下げがたくさんあります、いつもの寮長としてのフジではなく、1人の先輩アスリートとしての側面を見せてくれるのでイメージが変わるかと
そして、ポッケ以外にもこの裏主人公2人の物語でもあることが分かってきます
タナベTもRTTTの沖田Tと同様に欠かせない、二人三脚をする、夢と想いを託す人物としては大事なキーパーソンの一人でした
ここまで長々と話しましたが、RTTT同様に登場人物がそれぞれの役割を持ち生き生きとしています
また、結構な数のキャラクターが1シーンだけでも出てきたりしますので、楽しい部分も多し
さらにアプリ出できたあのキャラクター達も
ではここからは悪かった点に
・完全初見向けの世界観説明が冒頭以外にない、ただし尺の都合もあり、潔くカットしているのとシナリオ自体は初見でも問題ない内容だが、ファン向けな部分も少なくはないのでここら辺は公式ポータルや映画のX公式アカウントで用語等を事前に調べてください
・マンハッタンカフェが物語の展開上、レースシーンが少ない
クラシック期がほぼ全休に近かったことからレースシーンが少ない、出番自体はあるものの、ポッケ中心の物語である以上は仕方ない側面もある
監督からも雑誌にてコメントがあり「物語上、出番が少なめになってしまったのはごめんなさい、代わりではありませんが、出てくるシーンは一層気合いを入れて作りましたのでご容赦ください」とのこと
ただ、遅咲きであり、これから覇王に引導を渡したり、世代の頂点を奪い取るので、カフェの為の後に展開がありそうな切り方ではある
カフェ自体の心理的な面はアプリユーザーでも見たこと無い部分や表情を描いているので、また新しい一面が見えるかも、ちゃんと役割もあるのでいなくても変わらないなんてことはありませんでした
・テイエムオペラオーは"最強という概念"的象徴のため、物語にはほぼ絡んでこない
あくまでポッケが目指す"最強の称号"を持つの1人の目標
序盤で時代背景をアピールをしただけで存在感がありすぎるので反って目立たせ過ぎなくて正解かなと、RTTTとは違う"世紀末覇王"としての姿には感動してしまうかも?
・プリズムのサンキャッチャーの意味が人によっては少し分かりにくいかも?ポッケの大事なアクセサリー的な立ち位置としての解釈でも十分だと思われるが、実際はポッケやタキオンの精神状態を端的に表しているモノでもあったりする
非常に長くなりましたが、総じては
・作品ファンなら映画館で見て欲しい、物語もポッケにふさわしく、キャラクターの新たな一面に推しが増えてしまうかも、少なくとも大半の人がモルモットで光輝いていたりやポニーちゃんになってしまうくらいには魅力的な描かれ方をしています
・シリーズ作品始めてでも入ってきやすいシナリオ、小難しく考えず正面から純粋に受け取るのが一番良いでしょう、されどコアなアニメ作品好きを唸らせるような演出描写が多彩
・競馬ファン向けに言うと史実に沿うだけがこの作品の良さではないことも証明しています、時にはこれをいれてしまうと物語のノイズになってしまうという取り捨てをしっかりしています、例を上げるとクロフネはポッケの物語である以上は絡ませにくい&クロフネの名称使用許可がない為、シリーズによくある苦肉の策・代名であるペリースチーム(ペリーの黒船をもじっている)で代用している等と決してクロフネの存在を無視してはいません
脚本の方も何度も元になったレース映像を見直したり、エピソードを拾ってきて物語を作る上で取捨選択をする努力をパンフレット内でインタビューしていました
この世界観の独自性を失わずに元の題材を大事にしている姿勢が両者の原作をしっかりと尊重しているシリーズトップクラスの名作です
長々と見辛い部分もあると思いますが、レビューを見ていただきありがとうございました
少しでも見たいと思える様になれば幸いかと思います
何だかんだ5回見ていますが、未だに新しい発見があるくらい情報量が膨大にある作品です
物語自体は1回見れば誰でも分かるくらいシンプルなの反面、一瞬たりとも目をを反らしてはいけないくらい物語りが常に動いている作品でした
丁寧なアニメーション映画。今後にも期待したい
ちょっといい加減な低評価レビューによって理不尽に評価を落とされるのが我慢ならないので書かせていただく。
この映画は非常に丁寧に作られたアニメーション映画だ。粗が無い訳ではない、キャラクターを持て余したり、終盤の唐突なライブは理解し辛かったり、それらは分かる。だが決して雑に作られたものではない、それは映像を見れば分かるはずだ。
作画が終始綺麗で、キャラクターの演技にも妥協が無いのは勿論、画面作りまでとても丁寧なのだ。例えば最初の弥生賞にしたって、ポッケがスタンドに入るシーン。坂道の上から固定カメラにするだけでもいいものを、わざわざカメラをぐるぐる回し、かつポッケと同じ目線で描くことで、フジキセキとすれ違う瞬間の感動を見ている側とシンクロさせやすくしている。
また最初のホープフルステークス、シマが手を振り応援しているシーン。シマが画面右側にいる→俯瞰視点で画面右側を走るポッケ達→ぐいーんとカーブ、ズームしながらポッケに寄るカメラ。視線誘導がしっかりしている為、余計に視線を動かさずに疲れないまま、ダイナミックなカメラワークを楽しむことが出来る。
このような作りが、細かいところまで終始行き届いているのである。特に映画の大画面ではこのような気配りがとても大事、ある意味、基本テクニックではあるが、これが抜けてるものだって多々ある。『映画を作ったことが無さそう』?ちゃんと映画を観てから言ってくれよ。
もちろん作りが丁寧なら何でもいいって訳じゃない。しかし随所に見られる気配り、挑戦的な演出、何よりアニメーション、絵で魅せようとする意欲。これらを差し置いて『駄作』扱いはあまりにも理不尽だ。個人の感想なら構わないが、批評家を気取るなら、まずはこう言った技法も学んでからにしてくれ。これだってほんの一部に過ぎないんだ。一般人には伝わらないものだとしても、君は批評家として批評したいんだろう?
感情が表立ってしまったが、何よりこの作品が何らかの悪意によって蹴落とされるのは我慢ならなかった。何故、熱意を持って制作されたものが無下に扱われなければいけないのか。
私はこの作品が決して完璧ではなくとも、この時代にここまで意欲を持って、妥協せずに作ったスタッフ達に敬意を表したい。今後も同じような作品を是非見たい。そう言った期待も込めて星5とさせていただく。
よく出来てる!!出来てるけど!
作画がやっぱり良い!
フジキセキとジャングルポケット!!
そして渡辺調教師ことナベさんの絆をちゃんと描いてて素晴らしかった
アグネスタキオンが主体にジャングルポケットとの絡み方を上手く描いていて、史実のダンツフレームの立ち位置をちゃんと描いている所は史実を知っていてもとてもよく描かれていて良かった
ただとてもとても残念なところを挙げるなら
ジャングルポケットの日本ダービーを勝った時の咆哮はもっと甲高く、空を突き抜けるような雄叫びをあげて欲しかった
史実でのあの名シーンのあの咆哮は間違いなく勝利の咆哮
次のシーンがタキオンに対しての迷いがあるシーンで、咆哮なのかよく分からない中途半端な咆哮になってしまっているのがとても残念
そして尺の問題であろう、菊花賞があまりに雑な終わり方
マンハッタンカフェの覚醒シーンなのにあれで終わってしまうの…?
いや確かにジャングルポケット主体だけど世代でタキオンとマンハッタンカフェはもっとピックアップしても…
ジャパンカップまでだから仕方ないのか…
1番よろしくないのはJC。
JCは覇王テイエムオペラオーと新時代のダービー馬ジャングルポケット
の叩き合い
言わば世代交代を現す大事なレース
空想シーンになります
テイエムオペラオー
「やっぱり来たね新世代のダービーウマ娘。でも僕は負けないよ、覇王として君に立ち塞がろうじゃないか【両目ゾーン】」
ジャングルポケット
「俺はもう負けられねえ。タキオンにも、アンタにもなぁあああ!!【両目ゾーン】」
からの2人競り合いしての、ジャングルポケットがタキオンが見せた皐月の走りの続きをイメージして、それを超える走りをして画面割れの勝利
これくらいの力込めた作画でこのレースは描いて欲しかった。
尺負けなんよな最後は…
あのレースあんな簡単に終わらすの勿体無い。ペリエも泣いてる
よく出来てた期待強すぎた。それでも面白かった。早く次の世代のウマ娘が見たい
ウマ娘
2001年の競馬は自分は高校卒業し上京して競馬を見ていた時代。
前年高校3年のときに冬の競馬を見てクラシック期待できるのはアグネスタキオン 卒業前にジャングルポケット マンハッタンカフェやダンツフレームのライバル物語 フジキセキや涙のナベさんトレーナーに感動し先輩のテイエムオペラオーやナリタトップロードを描いた熱いレースや思いを映画で観てアニメやゲームと違う作品感動しました。
Racing Forever
ウマ娘
ソシャゲの体系でひと頃
非常に多かった様々な歴史上の
存在を擬人化・とりわけ女性キャラ化
する風潮の中で生まれたジャンル
凡庸なゲームで終わるはずだったが
途中で開発環境が変わりクオリティが
格段に引きあがり競馬ファンが
感心するほどの設定のこだわりで
累計収益はサービス開始3年で
3790億を突破しているという
と言っときながら自分は
ソシャゲ全然遊んでないダビスタ世代
なんですがまぁせっかく劇場版だし
観に行っておくか的な感じで観賞
ジャングルポケット・アグネスタキオン
なつかしいです
この世代は本当に凄かった
ちなみに中央競馬も丁度この頃前後が
4兆円産業なんて言われるほど隆盛が
ありました
そんな語り出したら終わらなくなる
史実のエピソードをちりばめた今作
大変見ごたえがありました
考えるより感じる方がいいほどの
レースシーンの演出は強烈
ガラスの脚でレースするという
理不尽にも思える競バの世界の
葛藤も伝わってきました
まぁしいて言えば
新時代の扉というサブタイトル
これこのジャングルポケットの
クラシック世代が外国産馬の
G1解放元年だったのです
今や内国産馬が強いんで信じられない
人もいるかもしれませんが当時は
外国産馬が強いという風潮があり
それがダービーも簡単に獲りにくる
と言う様相の筆頭格がクロフネでした
それが新時代って言われてた
由来なんですが
(ここで芦毛馬に
あえてクロフネと名づける
金子オーナーのセンスも
最高なんですが)
作中では権利関係で別名に
なっちゃってるとこがどうなのか
って観る前は訝しんでいましたが
まぁ当時ならではのネタに固執
せずジャングルポケットとフジキセキの
渡辺栄厩舎関連のトピックス
にしたのは正解だったと思います
ウマ娘という世界観で世代を
飛び越えられる部分は実際の
競馬より面白いところですね
ほんとこの映画と競馬しか観てない
んですが大変良かったです
ファン向け映画の域を出ない凡作
史実のレースや競馬事情を知っている視点での評価です
ネタバレは出来るだけ避けますが、どうしても外せないポイントもあるのでご容赦を
冒頭からテンポ良く話が進んでいくが、動機や背景といった世界観やキャラ描写に関する説明や描写をユーザーの知識ありきで描いている印象
故に史実を知らない、ゲームをやっていない一般層が見ると「何故そう思ったのか、何故そうしたのか」といった動機や背景が非常に分かりづらく、物語に入り込めない
ジャングルポケットは最強を目指している事が劇中では伺えるが「何故最強になりたいのか、そもそも漠然と最強とはどういう状態なのか」が分からないので感情移入出来ない
アグネスタキオン、マンハッタンカフェ、ダンツフレームなどの同世代馬との群像劇を描きたかったのだろうが、カフェとダンツに関しては描写が非常に薄く、活躍したレースもカット、ダイジェストになってる事が殆どで見せ場を奪われており、更にポッケのクリスタル、カフェのお友達のようなキャラ描写の掘り下げに関しては特に謎が解明する訳でもなく放置されたまま終わる
皐月、ダービーは描写したのに特にカフェとジャンポケが直接対決した菊花賞がほぼカットされた点は疑問符しか付かない
その反面ポスターや事前PVではサブキャラだと思われていたフジキセキの存在感が高く、キャラそのものは悪くないのだが、カフェやダンツの描写をカットしてまで入れる必要があったのかどうかは賛否が別れる要因かと
また、事前ではラスボスとして君臨しているような印象を受けたテイエムオペラオーに関しては有馬記念の描写はあったものの、劇中では殆どセリフも無ければ登場もせず、更にジャンポケとの接点もまるで無い事からJCでの対決も史実をなぞっただけに過ぎないのでカタルシスを感じられず、ジャンポケが最強になる為の相手としては動機も伏線も接点も弱すぎる事を踏まえるとせっかくのラストラン(映画では)なのに白けてしまった
その癖本筋とは関係の無い描写(特に中盤以降)にそれなりに尺を割いており、モブやギャグ要素、アンバサダー芸人の出演的な描写も含めると「それ今見せる必要あるの?」という疑問が幾度となく浮かんでくるのが残念でならない
レース中も作画は良く出来ており、RTTTのような迫力を演出しようと頑張ってはいたが、肝心のレース展開への言及、出場キャラの心理描写などは殆ど無く、オーラと叫び声で誤魔化しているだけで史実であった主戦ジョッキーの神騎乗や戦略などは微塵も感じられず、ただ気合いを込めて走っているだけに過ぎない
実際の競馬は出走馬の傾向や事前調教、パドックでの状態、スタートからのレース展開、ジョッキーの作戦、天候や馬場、レース場や距離を含めた外的要因、故障や落馬といったアクシデントなどレースに影響してくる要因が多岐に渡るのだが、この映画のレースは総じて「結果が決まっているので、説明を省いて作画だけに全力を出しました」と言っているようなもの
例えるなら三国志で史実の結果のみを伝えるだけであり、そこにあったはずの群像劇(所謂フィクションだが三国志演舞のような要素)が全く見えてこないし見せようともしていない
if要素に関しては個人的には表現しても良いのだが、それは史実の再現と実際のレースの魅力を引き出してこそだと思うので本作に関してはウイニングライブを含めて蛇足感が強い(ライブの選曲、メンツにも疑問)
総じて評価するなら「監督や脚本家がやりたい事、見せたいものを描いた」だけであり、そこに説得力が生まれていないので、「キャラファンやコンテンツの為だけのファンアイテム」と化しているに過ぎない
個人的には素材は良かったのだが、調理に失敗している印象しかない残念な出来なのでリピートする事は無いです
新時代〜私は最強
“原作”は知らず、ゲームも未プレイ、アニメ本編はすべて観ております。
(好みとしては2期>RTTT>3期>BNW>1期)
初期情報では、ポッケ(愛称かわいい)、タキオン、カフェの群像劇という印象だった。
しかし実際には、ポッケを主人公としてライバル枠としてタキオンがいるというのが構成の中心。
小倉唯まで使ってカフェがダンツより薄いのは予想外。
予告ではバトルジャンキーに見えたポッケは意外と爽やかで、好印象。
フジとトレーナーの関係性も素敵。
個人的に大人しめのキャラが闘志を剥き出しにする瞬間が好きなので、ダンツも好き。
RTTTでは色ものっぽさもあったオペラオーが、今回は覇王の貫禄を十二分に見せてくれる。
脇キャラの味出しやバランスが本当に上手い。
背景に色んなキャラが映り込んでるのも、相変わらず嬉しいポイントです。
120分弱の尺なので、物語はストレート。
東京優駿の終盤だけは、引っ張りすぎていてダレたのと、声優さんの叫びもバテて聞こえたのは少々残念。
しかしあれだけのキャラを魅力的に描きつつ、感情の流れを丁寧に拾った脚本は見事。
タキオンとの再戦を描かない(“原作”にないだけかもしれないが)余白も好み。
飛行機雲を重ねたり、自分自身に頭を抑えつけられるなどの演出もよかった。
ギャグ的なデフォルメ絵ですらぬるぬる動くし、レース中のケレン味たっぷりの作画も素晴らしい。
単体でもしっかり熱くなれる、スポ根ものとして非常に質の高い作品でした。
ウマ娘世界の掘り下げがなかった
作画は素晴らしく迫力があり、良いシーンもあったが、総じて表面をなぞっているだけの印象。ウマ娘界の特異であるアグネスタキオン・マンハッタンカフェを登場させる以上、ウマ娘の世界にもっと切り込んでほしかった。
《良かったところ》
・ジャングルポケットとフジキセキの並走シーンでの、フジキセキの作画が素晴らしく、また二人の会話とフジキセキが復帰を決意しているシーンは心が温かくなった。
・作画で魅せようという制作陣の意気込みを感じた。
《残念だったところ》
・レースシーンにて、観客席のキャラが合いの手を入れるシーンが多すぎて、レースに集中できなかった。
・ジャングルポケットの過去が、フジキセキにあこがれる描写しかないため、内的な走る動機が不明瞭で感情移入できなかった。
・ゲームのアグネスタキオン・マンハッタンカフェのシナリオをプレイ済みで、ゲーム以上の掘り下げを期待していたが、なかったため残念だった。
・ルー・シマ・メイは、名前すら冒頭以外ほぼ呼ばれず、ガヤ状態だった。
・タナベトレーナーの過去・高架下にトレーニング施設を持っている理由の説明がなかった。
《個人的に映画に期待していたものの、無かった描写》
・ジャングルポケットのフリースタイルレース
『「元はフリースタイル・レースの世界で荒くれ者たちを束ねるリーダーだったが、」フジキセキの走りに衝撃を受け、公式レースの世界に飛び込んできた。』という設定が生かされていなかった。
過去のウマ娘のアニメで描かれていない、公式レース・練習以外のレースシーンを期待していた。
・アグネスタキオンとマンハッタンカフェの共有教室の掘り下げ
タキオンの実験(ほぼレースの録画を見てるだけだった)や、マンハッタンカフェの怪異。例えばマンハッタンカフェのゲーム内シナリオでは勝手に物が動きだしたり、トレーナーが異空間に連れていかれたりする。共有教室のここでしか見られない映像演出、掘り下げを期待していたが、ただの美術設定通りの背景と化していた。教室を占拠している理由の説明もなかった。
・アグネスタキオンの研究
速度の限界を研究しているのはわかるが、皐月賞でアグネスタキオンは何を理解したのか?「全力で走ったら足が壊れる自分の姿が見え」、これ以上は足の限界と察したからレースをやめ、ほかのウマ娘の速度の成長を研究する事にしたのか?ジャパンカップにてジャングルポケットが過去の己に打ち勝ったのを見て、復帰に向けて走りだしたが、アグネスタキオン自身の足の問題は解決していない。ジャングルポケットとのライバル関係と研究が混同されているように見える。
またオープニング以降、フィルムの演出が多用される割には、歴代ウマ娘の映像を研究するシーンもなく、実馬の記憶がよみがえることもなく、演出の意図がわからなかった。
・マンハッタンカフェの菊花賞
予告編映像で期待していたが、完全に脇役扱いで回想がメインであり、残念だった。
今作に“ウマ娘”達の想いの熱量をこれでもかと感じさせられた
他のレビューでも書かれているように、ウマ娘に初めて触れる方に向けての説明や、同期数名の深堀り、レースの駆け引きなど、もっと欲しいと感じる部分はある。なので星0.5分は評価を引いた。
しかしながらこの作品は、私が強烈に感じさせられた【“ウマ娘”がレースに掛ける想いの熱量】を中心として表現されたと考えた時に、今作は星5では足りないくらいに訴えかけてくる作品だと思えた。
感情の高ぶりが雄叫びとして出るほど、想いにまっすぐで苛烈なジャングルポケットが主人公の配役。
ジャングルポケットだからこそ自らの想いを託し、その上奮起させられることにもなるフジキセキ・アグネスタキオン達に特にスポットを当て、史実とifを落としこんだ関係性の描写。
そこから生まれる様々な想いが、劇場版ならではのド迫力の映像や音響で繰り出されるレースシーンや演出によって表現されていた。
まるで今作を通して、これまで各媒体・各作品でウマ娘達が抱いていた想いの熱量はこれほどだったんだぞ!と、映画全体で浴びせかけられたような体験だった。
“ウマ娘”劇場版として、“ウマ娘”ジャングルポケットの物語として、とてもハマっていたように思う。これほどまでに突き抜けた熱さを感じられる今作を私は大変面白く感じたし、大好きになった。
以下余談
様々レビューや感想を見ていると、今作に期待され、求められていたものが非常に多かったことが分かる。多様な要素それぞれを見れば物足りなさを感じる点は確かに多くある。だか、全てに応える作品を目指せばとても映画1本には収まらないと感じる。
そんな中で今作は上記の感想で挙げたように、【“ウマ娘”がレースに掛ける想いの熱量】を描くという点では傑作であり、やり切った作品だと思う。それ故に私は他の物足りない点については、熱量に圧倒されてさほど気にならなかった。
私はゲームや各アニメ作品に触れていたため上記ような感想になったのかもしれない。映画としての総合的な完成度は高くないのかもしれない。
だが、少しでも気になったのなら観る価値は大いにあると私は思う。
なぜなら、ウマ娘は今作をきっかけに深掘りしていけるコンテンツだからだ。
ウマ娘はクロスメディアコンテンツとして様々な媒体で展開し、多様な角度からコンテンツを深掘りさせてくれる。
今作で物足りないな、と思った部分があった方は是非他の作品に触れてみて欲しい。きっと物足りなさを満たしてくれる作品があると思う。
今作に求められたものが非常に多いということが、コンテンツがこれまで発揮してきたポテンシャルの高さと、幅広さを、ある意味で証明していると思うから。
映画を作った事がない人達が作ったような映画
一言で言ってしまえば、映画としてはイマイチ。
シンプルに一言、面白かったか?と聞かれたら、面白くないわけじゃないけど、う〜ん……という感じ。及第点にも達しない。
個人的に思ったのは、せっかくダンツフレームというキャラクターを作ったんだったら、語り部として使えば良かったんじゃないかと。
トレセン学園ってこんな所、ウマ娘ってこんな感じ、アグネスタキオンはこうゆう子、マンハッタンカフェっていう子はこんな子、ポッケちゃんはこんな子、かくいう私は、生まれは○○、育ちは△△、今はこんな目標の為に頑張ってます!っていう導入にしてしまって、以降、事ある毎にダンツフレームに語らせればもう少し上手くまとまったのでは?と思う。
結局、主要キャラクターを4人も5人も出す割に、比重がジャングルポケットに偏り過ぎてるから、マンハッタンカフェもアグネスタキオンもヤバさの方が際立って、イマイチ見えてこない。バケ学に傾倒してるのは分かる。ただそれだけ。バケ学に傾倒してる理由が分からないから、ただ客観的に、頭ヤバそうなウマ娘だなぁ、にしかならない。
そうゆう職業ならば当たり前なのだが、ウマ娘という学園の一生徒であろう者が、なぜか一室を占拠してバケ学に傾倒しているのだから、何かあるに違いないと思うのだが………さて?
演出の過剰さばかり(気色悪い)が際立って、イマイチ学園群像劇的なそれぞれのキャラクターの魅力が分かりづらくなってると思う。
競馬のレースというのは、長くても所詮4分もかからず終わってしまうわけで、そのレースに至る過程や、レースにかける想い、レース中の刹那、レース後歩むそれぞれの道程など、映画で描くべきものはレースそのものでは無いはず。
むしろ、レースそのものなんて、本当に山場として1つか2つあれば充分だろうと思う。
それをわざわざレースをボリューム強く描くなど、俺からすれば、わざとらしくベッドシーンを最初から最後まで描くようなもので、そんな事をする映画なんてピンク映画しかないわけだ。
男と女がキスしてベッドに倒れこめば、その後何が起こるかなんて誰だって分かる。
わざわざ描くなら、そこに殺人鬼でも現れるからだろう。
ならば、わざわざレースを描くのなら、そのレース中に何らかのドラマがあるという事かと言えば、それがない。
過剰な演出(とにかくうるさい)で走るわ走る。そしてレースが終わって誰が勝ったのか。
分かる事はある。
レースでキャラクターを描きたかったんだろう。
アグネスタキオンとジャングルポケットの関係を描く上では皐月賞は必須だったんだろう。
いわば、レースありきなんだ、この映画は。
皐月賞、日本ダービー、ジャパンカップ、他にもレースが次から次へと展開するが、それはいわば競馬の年間総集編みたいな展開で、結局ドラマに関してはほぼジャングルポケットのみだから、結局ダンツフレームの存在すら勿体ないのである。
コミカルな描写はアニメだしまぁまぁ、序盤としても必要だろう。
けれど、アグネスデジタルってどうゆうウマ娘なの?
アドマイヤベガってどうゆうウマ娘なの?今何を呟いてたの?
あの子はカレンチャンと仲がいいの?
あの電車に乗ってるウマ娘って何だったの?スイープトウショウって誰?
意味も分からずやたらいろんなウマ娘が出てきても、その他大勢であって、意味が分からないのである。故に必要ないといえば、ない。
つまり、大勢のウマ娘が登場するのは序盤だけでいいのである。
合宿中は、必要な、描きたいところを濃密に、その他大勢のモブにピントなんか合わせずボカせばいい、フォーカスは主役にだけ合わせれば良いのである。
この映画は、
「13話構成のTVアニメ屋さんが、作った事のない映画を、色々詰め込んで、やりたい事を思いっきりやってみました」
みたいな映画に思えてしょうがないのである。
だから構図でさえやたらどアップが多く、まるで映画館のスクリーンで映写する事をイメージ出来てない、むしろスマホで観ることを前提に作ったのかと思うようなカメラアングル。
故に映画としては………なのである。
実馬フジキセキに夢を見たおっさんの感想
娘がウマ娘好きで、映画館に連れられ初めてウマ娘を見ましたが面白かったです。
私がこの映画が好きになった理由を2点紹介します。
一つ目はウマ娘という存在、概念がしっかりと理解できたこと。
正直ウマ娘の最初の印象はただ人間に耳がついた女の子が走っているという考えでした。
しかし実際映画を見てみたら、人間と走り方が全然違う。足の出し方、走る体勢が異質。
そしてスピード感が異常。
ここはアニメを作った方が上手に表現しているのだろうが、人間とは別の生物ということが
よく理解することができた。
またウマ娘たちの走る、走りたいという感情表現がよかった。
実際の馬は走るために生まれてきた生物、その宿命、運命を引き継いで彼女たちが走る(娘が言うにはウマソウル?)ということが表情、セリフ、行動からよくわかった。その表現から
彼女たちは人間じゃない馬を模した生き物なんだと感じて見ることができ非常に見やすく話
しに入り込めた。
そして二つ目は個人的な理由で大変恐縮なのですが、フジキセキの物語を描いてくれたこ
と。映画を一緒に見た大きな理由が映画にフジキセキが出演するからでした。
私は実馬フジキセキが大好きで、彼の走りに魅了され3冠は取れずとも、クラシックそしてシニア級で活躍してくれたのではないかと今でも考えています。
その大好きなフジキセキがどんな風に描かれるのか少し気になり映画館に行きましたが、非
常によかったです。
正直ジャングルポケットが主役でフジキセキの出番はあまりないのではないかと考えていま
したが、まさかフジキセキの弥生賞をやってくれるとは思わなかったです。
先ほど書いた通り、レース、走る表現は素晴らしいので、過去のことを思い出しながら見れ
ました。フジキセキの性格も非常に好きでした。ジャングルポケットのいい先輩でありながら、ケガで走れなくなっても走りたい、勝ちたいという気持ちがある。そしてジャングルポケットが挑むジャパンカップ前のお話には少し涙腺が緩んでしまいました。
実馬フジキセキはもういないけれど、こちらの世界では楽しく走れている、多くの方に知ってもらえると思えると非常に幸福感が溢れました。フジキセキをこのようなキャラクターにしてくださった製作者の皆様に感謝申し上げます。またフジキセキに興味を持ってくださった皆様には他のレースも見ていただけると幸いです。
最後に、私は最初ウマ娘をあまり好ましく思っておりませんでした。
しかし今回映画をみて少し印象が変わりました。連れてきてくれた娘にも感謝です。
私のように少しでも引っ掛かりがあるなら一回でもいいので、見てみてください。
私の偏見を消してくれた、この映画に感謝を。
そして多くの方が私のようにこの映画を楽しめますように。
評価は星5にしたかったのですが、フジキセキの勝負服が破廉恥だったので、4.5とします。
長文失礼いたしました。
激アツスポ根アニメ映画
驚くほど出来がいい。
元々ウマ娘ファンですが出てくるキャラクターの中に推しはおらずフラットな気持ちで見れました。
アスリートとして強いライバルに勝ちたい主人公、けれどライバルは勝ち逃げをしてレースから去り、主人公は二度と彼女に勝つことのできない自分を許すことができずイップスに陥ってしまう…というアスリートとしての主人公の苦悩と挫折と成長、そしてゴールへと向かう直向きな姿を描き切った爽やかな作品です。視聴後は思わず走り出したくなるくらい。
普通のスポ根と違うのは彼女たちがウマ娘であることでしょうか。
今作ではウマ娘が「ただ耳と尻尾の生えた美少女」ではなく「根本的に人間と違う価値観を持った別の生き物」としてしっかりと描かれています。
レースの作画はバトル映画かと思うくらい圧巻で、ただ走っているだけなのに手に汗を握ってしまいました。
最初から最後まで面白く、破綻したところがなく気持ちよく見ることができます。娯楽として満点です。
なんとなく話題になってるけど美少女アニメってあんまり作画も話もよくない印象が強いなあ…と思っている人にも自信を持ってお勧めできます
クオリティは高いがキャラ格差を受け入れられるかどうか
前半(日本ダービーまで)はとても良かった。
導入も展開も素晴らしかった。
個人的にはダービーのポイントが高い。
・トレーナーとフジキセキから想いを託される
・レース演出はダンツフレームとの競り合いに迫力があり興奮できる
これだけでも長々と語り合えると思う。
※ ここからネガティブな意見が長くなります
後半部分が個人的に受け入れられなかった。
アグネスタキオンが出しゃばりすぎというか、ジャングルポケットがアグネスタキオンに囚われすぎてる。
最強を目指したい自分と絶対に追いつけないと思ってしまった自分との葛藤はよく描かれていたと思う。
ただ、そこに注力しすぎた感がある。
後半はジャングルポケット、アグネスタキオン、フジキセキで物語が進んでいき、ほかのウマ娘の出番は無いと言っていい。
中でもマンハッタンカフェの扱いが酷すぎる。
菊花賞のカットは受け入れられなかった。
ジャングルポケットが主人公だから仕方ないという意見もあるが自分はそうは思わない。
公式サイトのキャラクター紹介ページを見てもメインはジャングルポケット、アグネスタキオン、マンハッタンカフェ、ダンツフレームだと分かる。
主題歌もこの4人で歌っている。
にも関わらずマンハッタンカフェだけレースの見せ場がないのである。
ジャングルポケットは出走していないが、有馬記念でテイエムオペラオーvsマンハッタンカフェをやるのかと思いきやそれもなかった。
本当にマンハッタンカフェを登場させた意味が無いのである。
(他キャラとの絡みも少ないし1人だけ浮いている)
声優さんが人気だからただの客寄せなのか?
マンハッタンカフェを物語に絡ませないならダービーまでで良かったと思う。
登場させたからには菊花賞は描くべきだった。
(身体が弱い描写もしていて、秋から本格的に始動するとセリフとしてもあったのに)
菊花賞でアグネスタキオンとマンハッタンカフェとお友達(ジャングルポケットには見えないけど)が重なり、更に精神的に追い詰められる
⬇
トレーナー、フジキセキとのやりとり
⬇
JC前のフジキセキとの並走
とかでも良かったのかなと。
※ネガティブな長文失礼しました
全体的には丁寧な作りで、ジャングルポケットだけに視点を当てるのであれば満点をあげてもいいと思う。
ただ個人的に公式サイトやPVから受けたイメージとかけ離れていたという印象。
前半星5、後半星1で最終的な評価は星3とする。
映画としては⭐︎3、ウマ娘アニメとしては⭐︎4
アニメ全話視聴済み、ゲームプレイ500時間で通常上映にて鑑賞。
映像美、音響はしっかりと映画版にパワーアップしていました。
画も迫力も様々なアツい演出で魅せてくれていたので、ウマ娘ファンの方は楽しめたのではないかと思います。
ありがちな叫ぶシーンが多かったのは少し気になりました。
この映画のみ鑑賞する方は、ストーリーの面で置いてけぼりになるかと思います。
ただ2時間でストーリーを詰め込みすぎると逆にレースシーンが希薄になってしまい、迫力ある画が少なくなってしまうのを避けるのは仕方がないのかと。
映画としては、レースばかりで同じ味しかしない作品になってしまっている感は否めないです。
が、ウマ娘アニメとしては上手く2時間にまとまっていて、素晴らしい画のレースが複数観られたので満足でした。
気になるところはありつつも、おおよそ満足出来る内容
当方、現役トレーナーかつ1~3期、RTTTまで履修済みです。その上で、今回『新時代の扉』を観た感想を書かせていただきます。
〇良かった点
・レースの迫力
アプリでは間違いなく得られない、演出やアングルも相まった凄まじいレース描写。映画だけあって、本当に力が入っており見たかったものが見れた。
・思ったより登場キャラが多く、小さな発見も楽しめた
ここは賛否ありそうですが、少なくとも私は楽しめました。私はCB最推しですので今回彼女の出番は一切ありませんでしたが、それでも楽しかったです。
・ウマ娘が好きなら全編しっかり面白い出来
ちゃんと「ウマ娘の劇場版」として観れたし、そこは非常に満足。この手の作品でよくある「登場キャラ多すぎて訳わかんない」というのも、あくまでメインはJAM、ダンツ、フジキセキ、田辺Tあたりが分かれば''一応''大丈夫にはなっている。終始クライマックス。
・アニメ作品ならではの表情
特にタキオンの狂気に満ちた表情や、ポッケの感情丸出しの表情などは、アニメでの作画だからこそ表現できることであり、RTTTの時も思いましたが、あそこまでやってくれて大満足です。
・安定の実況
「テイエム来た!」をしっかりやってくれました。ウマ娘は実際の実況をかなり誇張する傾向にありますが、欲しかったものを出して貰えた満足感がありました。
・帰り道、無性に走りたくなる
良い点と言っていいか微妙ですが、走ることに文字通り「命をかける」彼女たちを見ていると、何故だか走りたくなってくるんですよね。不思議なもんです。
〇気になった点
・劇場版特有の謎のアイテム
ポッケが持っていたキラキラ光るアクセサリー、タキカフェの合同部屋にも窓際に吊るしてありましたね。アレ、結局なにを象徴していたのでしょうか。
主題歌の「PRISMATIC SPURT!!!!」にも「PRISM」がありますから、何か意味はあるはずです。フジキセキとポッケのレース時にも、フジキセキからポッケへと受け渡される役割を担っていたわけですしね。考察すればある程度予想できるのでしょうが、劇場版専用アイテムの考察まで普通は出来ないのではないでしょうか。映画を観た感動で頭いっぱいですわこちとら。
・登場キャラ多すぎ問題
良かった点と真逆じゃん、と思われるかもしれませんが、確かにいっぱい出てくれるのは嬉しいんですよ。観ていて楽しいですし、それは本当です。しかし、知っているキャラが至る所に出すぎて大変というか。巻き戻しが出来ない映画でこれは大変です。まあ、何回も観に行けばいい話なんですが…。
・「ウマ娘」未履修にはちょっと厳しい
例えばラスト唐突に行われるライブや、なぜ「皐月賞トレーナー」ではなく「ダービートレーナー」でなければいけないのか。ウマ娘履修済みには当たり前のことが分からない状態だと、頭に「?」が浮かんで純粋に楽しめないんではないかなと。あと実馬をモデルにしているので、「黒髪の子は誰だっけ…あぁ、マンハッタンちゃんか」「てい、オペラ…?成田…?綾部…?」みたいなことになりかねない。初見で複雑な馬名を覚え切るのは難しいと思いますね。
また、小ネタに共感出来ないのもそうです。合宿時のアヤベさんで「フフッ」となりませんでしたか?あれはアヤベさんが「ふわふわキャラ」であることを前提知識として入れていないと伝わらない場面です。事前にRTTTを観ていれば、その時とのギャップでより面白くなるでしょう。しかし、ウマ娘未履修の人にとって、急に宿の布団をレビューし始めた変な子になってしまうんですよね。周りはクスクスしているが、何がそんなに面白いのか分からない、と。ウマ娘や競馬を知らなくても絶対楽しめる!オススメ!という意見をよく観ますが、それはちょっと言い過ぎかなと。ハマる人もいるかもしれませんが、少数派かなぁと言うのが私の意見です。
また、これは別の角度からの感想ですが、「俺たたエンドが残念」という意見もちらほら見かけます。
「俺たたエンド」とは、いわゆる「俺たちの戦いはこれからだ」みたいな展開で最終回を迎える、打ち切り漫画の代名詞的な展開の事です。
本映画では、ラストにJAM+ダンツの4人がレースに向かうところで終了、ライブへ突入となるわけです。
確かに、「アニメ映画」として見れば、作品内で物語が完結していない、ポッケとタキオンの勝負を付けずに終わらせてしまったことに少なからず異を唱えたくなる気持ちは分かります。
しかし、こと「ウマ娘」に関しては、この「俺たたエンド」の意味が180°変わるんですよね。
まず原則として、ウマ娘は実際の勝利馬を改変することはありません。唯一あったのは1期のエルスペ同着ぐらいで、道中の順位が変わることはあれど、例えば皐月賞をダンツフレームが勝つことは有り得ない訳です。史実の結果を元にして作られているので。他に抜けがあったら申し訳ない。
それを踏まえると、ジャングルポケットはジャパンカップを最後に1着は取っていませんので、そもそもウマ娘では描けない。更に、アグネスタキオンは皐月賞を最後にレースには出てきていませんので、皐月賞以降のレース描写は描けません。
その上で!それを踏まえた上で!
「ウマ娘」の良さとは何でしょうか。これに関して、私は「続きが見られること」だと思うんですよね。秋天を乗り越えたサイレンススズカ然り、菊花賞に出走できたトウカイテイオー然り…。モデルとなった実馬が歩めなかった物語を見せてくれるのが、「ウマ娘」の真骨頂ではないかと。
そう考えると、ラストのあの場面にアグネスタキオンがいること自体が、可能性であり、希望であり、夢なのです。
彼女らはあの後もお互いが切磋琢磨し合い、レースで勝った負けたを繰り返していくのでしょう。それを想像させるような終わり方というのは、「ウマ娘」の良さを最大限に発揮した素晴らしいラストだったのではと思います。
フジキセキも、「ナベさん」から「トレーナー」へと呼び方を変え、恐らくレースに復帰するのであろう演出もありました。
そんな訳で、とっ散らかって長文となりましたが、これが『新時代の扉』を観た感想です。
全体としては満足できました。あと数回は観に行きたいですね。
全87件中、41~60件目を表示





