劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」のレビュー・感想・評価
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スタジオKAIのキャラデザでは無いので作画に関しては悪くない。 ウ...
スタジオKAIのキャラデザでは無いので作画に関しては悪くない。
ウマ娘の走りを大画面で見れるのはすごく良いと思う。
主人公ジャングルポケット(走りで1番になりたいヤンキー)と、フジキセキ(憧れの人)、組み合わせはすごく良かった。
が、お話が同じことの繰り返しなんだよね。
憧れた人がいて自分も学園に入って、生涯のライバル出来たと思ったらライバルがケガで走らなくなって
主人公の今後の方向性がわからなくなってスランプになって克服する的ないつものうま娘展開。キャラだけを変えただけ。
TVアニメ2期以上の面白さのウマ娘は今後無理なのかもしれん。
アプリやってる人は満足いくが、アニメだけの人はもう観るのいいやってなると思う。
アグネスにスポーツ観戦、応援の馬鹿らしさを伝えられた
アプリを初期だけやっていた人間がトチ狂って映画を見に行きました。
OP、EDの動画お歌は大好きこれだけで★3
しかしお話自体は顔芸してる印象しか残って居ません唯一記憶に残っているのは歌と
中盤アグネスタキオンが話した
「こんな所で油を売っていて良いのか、私と違って君たちには走る?やることがあるだろう」
これを言われ確かにこんなアニメ映画見てる暇があったら自分の事をやった方が良い、本当にその通りだなと思ってしまいました。
私を含めうだつの上がらない見た目もパッとしない弱者男性がこぞってこの世界における勝ち組、トップ層、年収だって上の女の子が走る様を見て何を感じる事があるのかと。
野球サッカーほぼすべてのスポーツに感動も無く他人事、代理戦争、同一化して勝ち負けに関心を寄せるバカバカしさをタキオンに教えられた気がします。
純粋に楽しめました!
初日から観てきましたが映画としても良く映像と音の迫力は圧巻でした。
初回映画終了時には終わった満足感と何とも言えない感覚になり暫く夢心地と言いますか、ただぽかーんとしてましたね。
大体の話としては主人公であるウマ娘のジャングルポケットを中心に同世代の仲間、ライバル達とレースで競いながらも各々の苦悩や葛藤がありながらも成長し共に駆けていくスポ根要素強めの話です。
私はウマ娘のストーリー等は把握していた為世界観にのめり込む事が出来ましたが、そうで無い方には理解が追い付かず満足が得られないまま終わってしまうかもしれません。
しかし映像や演出、音響音楽は素晴らしいので知らなくてもそのクオリティを映画館で観ると圧倒される事間違い無しです。
アニメーションに関しては色んな有名なアニメ制作会社が合作しているのもあるせいか、所々に独特な作画が目立つ点があるので分かる方にはクスッと笑える要素もありますしウマ娘のゲームアプリを楽しんでいる人への細かい部分でのサプライズ要素も沢山含まれている為、一回では無く数回観に行っても違う観点での楽しみ方が味わえる映画にもなっていました。あとネット配信や2週間限定映画上映した作品でもあるウマ娘RTTTの作品にも繋がっているものがあるので視聴しているとより一層楽しめます。
ただ注意して頂きたい点としてはこの推しのウマ娘の姿を見たい為だけに観に行くという浅い気持ちで行くと裏切られた気持ちになる事も充分あります。
実際ジャングルポケットと言うウマ娘が中心になっているので他のウマ娘の活躍は多い者から僅かの者も居るのも事実であり映画の演出や尺の都合上仕方のない点でもあるので、その辺りは覚悟が必要です。
現に低評価レビューの大半がマンハッタンカフェを含めたウマ娘の活躍の少なさへの不満やそこから的外れである別作品を引き出しての批判で目立っており個人的に如何なものかと感じています。
確かにマンハッタンカフェやテイエムオペラオーの活躍に物足りなさはありましたが、それでもジャングルポケットの日本ダービー勝利の複雑な雄叫びやアグネスタキオンの狂気じみた姿を装いながらも限界の先へ走る姿、走りたい走れない気持ち。色々考えさせられる感慨深い作品だと私は思います。
楽しみ方は人それぞれですし感受性が豊かか否かでも評価が結構別れる作品でもある気もします。
個人としてはこの映画をきっかけにアニメや作品を全部観て欲しいとまでは言いませんがウマ娘の世界観の考察や楽しみ方を受け入れてくださる人が少しでも増えると嬉しいですね。
評価の総合としては内容としては良い具合に収まっていたし正直私としては星5ではありますが、ウマ娘を全く知らない人がある程度理解するまでこの映画を楽しめるのかと一部の偏った推しのウマ娘好きの人が満足出来るかどうかの懸念点を考慮しての星4にさせて頂きました。
ウマ娘が好きだったりスポ根アニメとかが好きな人には刺さりますし下手したら私みたいに何回映画館で観ても飽きないでしょう。
映画らしい迫力の演出
作画;★★★★★
演出;★★★★★
ストーリー;★★★
ウマ娘、大好きです。2回いきました。
ただ、映画の予告動画があまりにも良すぎて、ハードルが上がりすぎた感です。
映画って感じで好きですが、「ん?」と思った所がどうにも目立ってしまってしまう。
ウマ娘というコンテンツが好きなので、こんな結果であるのが正直悔しい。
ここでもレビューもいまいちだし、映画館数多くして空席多いです、とか本当に聞いていて悲しい。
以下ネタバレ含みます。
●良かったとこ
・主題歌がとにかくカッコいい
・映画らしい迫力なレース演出(胃もたれするくらいに)
・菊花賞後のフジキセキのところ
「全盛期のころには到底及ばない、、でも、、」はオッサンの私にすごく刺さった。
1回の挫折、もしもを考えて、落ち込む暇なんてない!
1歩でも追いつくんだ!
と人生頑張る勇気がもらえました。
・ファンサのためのたくさんのキャラ出演
・RTTTのキャラがサブで出てきてすごく良い
・ポッケの声カッコいい、ジャンプ主人公くらいにカッコいい
・ダンツが可愛い
●残念
ストーリーが演出に負けてる、演出に頼った勢いだけ
演出に時間割きすぎてストーリーが描き切れてない。
・夏合宿、何がしたかったのか?全くわからない。
1番意味が分からない。こんなとこに時間割くならほかにやることあるだろ。
ほんとに虚無。 ポッケが落ち込むでもなく、ストーリーが進むわけでもなく謎すぎる。
・ダービー後のストーリーが雑
・菊花賞とカフェの扱い
わかる、時間足りないのはわかるが、あまりにもあっさりしすぎてる。
メイン4人で出してるのにカフェだけ薄すぎる。
・「なんで?」と聞きたくなるストーリー
「なんで、思い出したように”タキオンには追い付けない、、、”で落ち込んでんの?」
落ち込むきっかけのストーリーがすっぽ抜けてる。
ダービー中にタキオン居ないの乗り越えた感あったやん。
雄たけび上げるし、インタビューもニッコニコだし、合宿中も「なんか気持ち引っかかる、」「力でない」ってところもない。
せめて、ダービー後に周りからの「タキオンいたらなぁ」で一気に落ち込む、みたいな演出あって落いいじゃん。
あれだと、夏祭りのフジキセキのせいでタキオンの走りを思い出させられたって感じになっちゃうやん。
そのあとでフジキセキから「もしもに(以下略」って励まされても 「はぁ?」としかならない。
「なんで、ジャパンカップ出走選んだ?」
もっと、”オペラオーに勝って最強になる!”とかできたやん。突然ジャパンカップだ!なんか成り行きで勝てちゃった。って感じでせっかくの復活レース、覇王に勝ったなのに盛り上がらない。
レースも淡泊。
・オペラオーに勝った喜びが伝わらない
オペラオーとの関係、憧れ、思い、などが全くないのですごく勿体ない。
なんか最強に勝ったわ くらいな感じ
ただの愚痴です。好きだからこそ粗についてしまうし、言いたいことが出てきてしまった。
コンテンツを自ら衰退させる厄介オタク
運営にも腹が立つ。ビジネス下手くそすぎるだろ。
ゲームの売り上げ、コンテンツの寿命的にも、3期の結果にしても、この映画が天王山なのは明らか。
なのに「主役がゲームで育成できません」ってどういうことだ?
バカなのか?熱が冷めないうちにガチャ回させて利益を取らないといけないのに、これじゃ新規も増えないだろ。
星4つ付けてますが、コンテンツと演出に対してです。
トータルでみるとこんな感じです。
RTTT>>2期>>>>1期>=映画
RTTTが良すぎた。
そして映画はRTTT映画後の予告映像が一番楽しかった。
早くRTTT円盤出してください。
これは熱い!面白い!!
かなり熱かったのだが!!
ソシャゲやってない&アニメは数話しか観てない&歴代競走馬の知識ほぼゼロの私が観てもとても面白かった!
まずレースのシーンの疾走感と緊張感が良いし熱い!
(弥生賞でポケットとダンツフレームがデッドヒートしてるとこ、ひたすらひたむきな2人(2頭)の想いに涙腺が緩んだ…)
劇場で観て良かった…。
そしてウマ娘たちのキャラクターや関係性描写も良い。
(予告で観て気になってたアグネスタキオンの強者感良い。推せる…。主人公のポケットも負けん気強い中性的な口調であのビジュアル(可愛い)最高。ポケットとタキオンの関係も良かったし、フジキセキとポケットの姉妹みたいな関係も良かった。タキオンとはまた違うテイエムオペラオーの強者感も良い。衣装も素敵。)
あとこの映画、心理描写がすごく良かった気がする。
セリフや説明は少ないんだけど、表情とか光(プリズムの使い方印象的)と影での内面描写とか、繊細で良かった!
ポケットやタキオンの世代にフォーカスして物語を描いてたので登場人物もそんなに多くなく、丁寧に描かれてたのが良かったな。
そして早速ポケットやタキオンの頃の競走馬やエピソードを検索しようとしてる自分がいる。
(しかし「世紀末覇王テイエムオペラオー」ってめっちゃ格好いいキャッチコピー。口に出して言いたくなる。笑)
EDのうまぴょい伝説劇場版ver.もテンション上がった。
いやー、面白かった。登場人物描写が丁寧なので、ウマ娘というコンテンツに馴染みのない層にもおすすめ。
サイゲームの思う壺かもだけどソシャゲに手を出して始めてみようかと思う。
迫力満点のレースシーン!
競馬の知識は皆無。ゲームは未経験。TVアニメは1期、2期視聴済みで3期は途中で断念。
映画も当初は観る気なかったけれど、会社の同僚が勧めてくるので会員ポイントを使って無料で観てきました。
TV版のキャラは画面に見切れる程度で出場し、ストーリーに全く関わらないのでTVで復習の必要は全く無し。結果、迫力の映像で映画館で観てよかった。
レースシーンの演出は「キルラキル」「プロメア」の格闘シーンを思い出させる(まるでTRIGGER制作のようで)思わずお腹に力が入る迫力満点の映像でした。
監督の趣味なのか日常シーンのギャグ表現は多めだったけれど、主役のジャングルポケットの表情が豊かでまた、ライバルのアグネスタキオンの狂気を表す眼が良かった。
タキオンの引退とポッケのダービー制覇までは息もつかせぬ展開で、駆け足の様に過ぎていったが、途中の合宿のシーンは(水着と入浴シーンはファンサービスかもしれないが)ちょと必要なかったかも...後、最後のファンサービスのコンサートシーンも自分にとっては不必要。また、解説者さんの棒読みも気になり..だからー0.5点です。(解説の山本さんってまさか山本昌さんが声優とはびっくり)
ちなみに入場特典の色紙はシャフト角度のアグネスさんでした。
土曜の昼過ぎの時間で観客は3割程度。
ゲームのおかげか若い男の子のグループが目立ったが、若い女の子の姿も結構見かけました。
ちょっと変な作品
※競馬はあまりよく知りません
たしか序盤15分あたりで音楽のギター、ピアノがフェードして次のシーンに移る場面があったのですが、音楽の音量がすでにほぼ無音になっているところに明らかにギターをミュートしたな、あるいはピアノのペダルを離したなと分かる音響演出があり細かいなと驚きました。
あまりこういった(?)映画でこの種の込んだ演出をやると思っていませんでした。
その後も無音とほぼ無音の違いのような、微妙な空気感の変化を終始明らかに意図を持ってコントロールしていて、正直もっとアニメ的な、大ぶりな演出がメインだと思っていたので予想を裏切られました(後で気になって調べたところ音響の方も当作をエクスペリメンタルな仕事だった、と言っており納得しました)。
大枠の妙な設定からくる外連味とその辺りのディテールのかみ合わせがうまく消化出来る人もいれば合わないという人も当然いるだろうなという感じです。
挑戦的な作品だというのは間違いないと思います。
王道ストーリーものと言われていますが、作りはキャラクターものらしくない攻めた作りでした。明らかに敢えてキャラクターに焦点を当てすぎないよう注意しているように思います。かといって空気感とかストーリーがメインという感じでもなく、つまるところ、何より「走る」ことに何かしらの比喩を乗せて全力で描いている作品でした。
正直なところどう言語化していいのかよく分からない妙な映画ですが、だからこそまさに映画的な作品だと言えるように思います。
映画のような大きな表現物は大概どこかしらプロダクト感というか仕事感が出てくるのがいつも嫌なのですが、この作品は制作陣の前のめりなくらいの全力を感じられて非常に気分が良かったです。
最後のライブシーンは正直良く分かりませんでしたがその辺りはご愛敬ということで。
ありがとうございました。
惜しむは時間制限
キャラ、曲:優
ここは人気コンテンツなだけあり、満足できる
まぁ、マートレ…あれ、公式なのかーと
キタサン及びダイヤがあるおかげで凄い不思議時空時系列なのは否めないかなぁって感じはあるが
それに関して今更かな
ストーリー:可
タキオンに関してはそれなり以上に描かれている
ダンツフレームに関しては今回、目立ち過ぎず同世代の仲間感があって良だけど
メインなのに、ジャンポケに関してはもう一歩、勝ちたい理由付け(←本能だと言われればそれまでですが)、持ち物の理由付けが弱い
カフェに関しては、菊花賞がほぼカットで全然足りたい感が否めない
総じて、その辺りを加えたディレクターズカット版出ないかなと淡い期待をばさせてもらいます
変に捻らずに王道の作り方で成功した作品
アニメ三期は正直失敗作と感じたけど今回は
見事に盛り返した感がある。
本人は終始はぐらかしていたがタキオンの離脱理由
ははっきり怪我と明言していた方がラストのジャン
グルポケットの走りに触発されるシーンが盛り上が
った気もするけど、短いシーンながらも個人的には
演出・BGM共に二期ラストのトウカイテイオー奇跡
の復活に匹敵するぐらい良かった。
動き見せ方が良い
よかったです。
動きに気合い入って見ていて熱い気持ちになりました。
ライブ、曲がなくても良いぐらいレース展開、アニメーションの盛り上げがよかったです。
前半から徐々に盛り上げてピークは中盤あたり。
全体的によかったが後半、オチまでピークが続かず、よくて維持という感じであと一歩でした。
リピして感じたことですが、苦難の後に迎える復帰のジャパンカップがあっさり描かれていたことが起因かと。
個人的には、最後オチで4人でこれからレース、ライブを省略してジャパンカップをしっかり描いてオチにすると良かったのかなと思います。
キャラクターとしてアグネスタキオンの見せ方がうまくひきこまれました。
優れたストーリー構成を圧倒的作画力が支える。
この手のキャラクターものの映画としては珍しく、原作キャラクターへの忖度があまりない。
物語の核となるのは最強を目指す主人公ジャングルポケットと主人公を2度完膚なきまでに叩きのめしたアグネスタキオンという天才の2人。
もう2人、同世代のキャラクターがいるのだがあくまで主人公はジャングルポケットであり、この主人公の視点に徹していたのが制作の意志の強さを伺わせる。
ファン向けアニメにありがちな出番の平等さをグッと堪えてキッチリ映画を作っているのは大きな評価ポイント。
そしてこの映画が上手いのは主人公に2度の完全敗北を与え、早々に怪我を理由に引退した天才アグネスタキオンの使い方。終始主人公はこの天才のもう届くことのない幻想の背中を追うことになるのだが、最後の最後に主人公はこの天才を追う側にさせるシーンがある。
この瞬間のカタルシスが物凄く、美しい話の流れになっている。
そして全てのレースにおいて作画が凄まじい。高速で進むレースを主人公視点や劇場ならではの俯瞰視点、スピード感をどこまでも追求した崩した作画など、飽きさせない工夫が細部に施されておりレースだけでも一見に値する作品である。
美少女もの作品という万人受けするカテゴリではないものの映画の「熱」は本物であり、また見たいと思わせる作品であった。
佳作
なかなか面白かった。
ウマ娘はアプリは初期の頃にがっつりとやり、チャンミもそれなりに勝ってた方。
アニメは1期と2期を完走、3期は中座。RTTTは未視聴。
うまよんとうまゆるは完走、うまよんはブルーレイ所持で追加12話視聴済。
現実の競馬は未経験、ウマ娘から遡って競馬wikiで読んでへーほーという程度。
そういう人の感想です。
全体として、いわゆるアスリートものの映画として佳作に感じた。
映像表現は傑作級で、映像関係者やマンガ・アニメ関係者であるほどに圧倒されると思う。
つい涙ぐんでしまうシーンが豊富にあるが、他に泣かせてくれる映画に比べてどうも煮え切らない想いがあるのも事実。
そこを言語化する。
●テンポがいまひとつ
開幕のテンポの良さは見事だったが、序中盤から全体的にスローペース。
どれも1シーンごとの「間」の長さを感じて、微妙にストレスを感じた。
どのシーンも5/6ぐらいにできたと思うし、そうであった方が自分には好み。
ストーリーは超がつくほど単純なので(ご都合も相当あるので、それを誤魔化すためにも)、あと20分削って90分がベストだったように思う。
開幕の、憧れたポッケが次のシーンではフジ一派に入門完了しているあれぐらいで全編ちょうどよかったと思う。
効果的な起承転結はまったく25%ずつではないが、序盤以降の各シーンが長いために承の長さと転の長さのアンバランスさを感じた。
●ウマ娘縛りの弊害
ウマ娘という企画の大綱が決まったときに、もう避けられない運命と言えばそうだが…
①史実をなぞる強引さ
タキオンが故障して引退したのは故障だから仕方がないとして、ジャングルポケットが最も格の高いダービーを制覇した後「なぜか勝てなくなった」理由付けの点。
現実史実では、ダービー制覇後に札幌記念3着、菊花賞4着と不調に終わるが、それは現実なら「競馬なのだから(お馬さんと騎手なのだから)」で済む話。
しかしそれを人間モデルでやると「なぜ勝てなくなったのか」の理由付けが必要になるが…その理由付けが腑に落ちないのが難しい点。ポッケの猪突猛進な性格的に、そういう悩み方をするだろうか? また、スポーツ界では「強豪が出場しないから優勝できた」はよくある状況でもあるし、特殊なプリティダービー界でと言えば「最強かどうかを自問自答するなら、(他の在学レジェンドを無かったことにしても)テイエムオペラオーに勝たないと始まらない」という解がある。それをポッケが気付かず、トレーナーやタキオンやフジやダンツのどの立場からもその筋での助言がないというのは無理筋に感じ、一人悩むシーンが長かったこともありイマイチに思った。脚本、苦しんでるなぁ~と。
②ウマ娘時空の難しさ
各時代の最強馬のソウルを宿しているウマ娘たちが一堂に会しているトレセン学園時空。
最強格が多すぎて、ポッケの目標となる「最強とは」が非常に難しい。
いわゆるカイチョー問題だが、最強オブ最強と言われるならなぜ現役で走っていないのか? ゲーム版ではデビュー前にもかかわらず皇帝と呼ばれ生徒会長なのはなぜなのか? などなど、相当頭を吹っ飛ばさないと付き合えないのは仕方がない。本作中に画面に賑やかしで映るサイレンススズカ、トウカイテイオー、一応スペシャルウィークなどもまさに最強格だろう。(そういえばルドルフとブライアンいなかった?) しかし現実と違って皆引退していないから、ポッケの「最強へのこだわり」に気持ちを沿わせるために、かなりのメタ斟酌が必要となる。最強という言葉を使わず、「タキオンの走りに勝ちたい」ぐらいがいい落としどころだった気がする。
③ウイニングライブ
エンディングまでウイニングライブの描写を一切入れなかったのはよく頑張ったと思った。はっきり言って最初期に企画書を2.5次元見込みで通すための文言であり、話がアスリートであればあるほど不協和音を生むノイズだ。私がアプリ版を離れたのは、サイレンススズカやナリタブライアンやエアグルーヴのキャラにハマればハマるほど、彼女らがアイドル的な活動も強いられて受け入れていることに解釈違いを感じて擦り切れたからだ。彼女らのキャラシートならば「踊りの練習をするぐらいなら走る」「踊らないといけないならば野良で走る」だと感じるから。
もし「ウマ娘はダンスに歌唱と生まれながら天性のセンスを持っていて、ノー練習でもパッとこなせて気持ちよくなれるor競走で勝った後には歌って踊らずにはいられない精神性になる」などの下地設定があったらよかったのだが。「みんな~! 今日は集まってくれてありがとう! 私たちのライブ楽しんでいってくれよ~!」は、最強を目指すアスリートであるほどになんか違う。
なので、最後にウイニングライブが始まってしまったときは、メタ企画出自の呪いを感じてかなり残念になった。RRRのエンディングみたいに、お話とは繋がっていない「キャストや制作陣の感情表現(亜空間ライブ)」のようにライブ消化してくれたらよかったな。カフェが作中あのキャラで、あそこで笑顔を振りまいているのは解釈が実に難しい。正直、もう設定として省いていいのではと思う。
「これは競馬ではなくて、総合エンターテイメントであるトゥインクルシリーズで輝こうとするウマ娘たちの話」という頑張ってる立て付けはわかるのだが、やはり単純に「強さこそ正しさ」のアスリート軸との食い合わせがわるい。ポリコレ派ではまったくないが、やはりアスリート軸であるのは否定できないので、フジキセキの勝負服も映画版専用を作るなどして画面のテンションを調整してほしかったな。原作準拠だとあの格好で正しいのだが…正しいのだが…!
●ちょっと顔芸しすぎ
幼女戦記を彷彿とさせる、美少女の顔崩し演出。
勝利を渇望して、時に狂気さえ宿して走るというのはそういうこと…というのはわかるし、初めてウマ娘のアプリに触れたときも「歌って踊らせる美少女キャラに、こんなマジな顔させてスパートかけさせるんだ…」と感動したものだ。ただ、今回の映画は全編を通して顔のアップが多すぎて頼りすぎで、くどい。作風と悪癖のバランスではやや悪癖に寄ってしまったと感じた。狂気じみた顔(ある意味ジャンプスケア)というのも、乱発するほどに観客は慣れてしまい、メリハリを欠いた手癖演出に堕ちていく。それ自体をこれだよこれと観る幼女戦記ならともかく、ウマ娘たちはターニャやその世界観ほど狂気酷薄ではないので、その点は純粋にコントロールの弱さを感じた。
〇総評
と、以上の点で少しマイナスを感じて星3.5です。ウマ娘シリーズのファンマインドとしては史実なぞりである以上、怪我話やライバルの引退話は仕方ないが、ウマ娘シリーズを視聴するほどにわりと毎回の印象になってしまうのは苦しい構造。
なので、自分はウマ娘絡みで一番楽しんでいるのはうまよん・うまゆるだったりする。
特にうまよんの脚本はすべてが文句無しで、何周したかわからない。
うまゆるも前半はうまよん比でイマイチだが後半になるにつれていい。
本作でタキオンが最後に出した解、あのタキオンの目に初めて光が宿る演出はよかった。
この答えが「新時代の扉」というのは、現実と重ねてそうだよなと納得した。
ワンフォーオールでもオールフォーワンでもない。
歴史的な功績でも次世代へのバトンタッチでもない。
「我欲」。一度きりの人生、我欲に狂わずしてどうするか。
誰かの礎となるなんて何の意味があるか、己が頂上の景色を見ずしてどうするのか。
今の若い世代と接していると、秘めたるが確かに存在するイデオロギーとしてそれらをひしと感じる。新時代だなぁと。
私はその傾向をとても好ましく思う。
作中、最後にはタキオンもフジも復帰する。史実にはなかった、嬉しい展開と奇跡だ。
来場者特典として、アプリ版で目が死んでない初期★2タキオンが使えるコードとか配ってくれたらそれは最高なのだが。やってほしいな。
望外の傑作!「作画演出による心理描写」に全てを懸けるスタッフの心意気に胸が震える。
本当はあまり観るつもりがなかったのだが、20時からの映画に間に合わず、せっかくの水曜サービスデーなので何か観て帰ろうと、ウマ娘を選んだ次第。
率直にいって、想像以上の完成度でびっくり。
すげえ面白かった!!
テレビシリーズは1~3期とも視聴済み。アニメとしてはいずれも良い出来だったと思う(とくに一期)。
ただし競馬には1ミクロンも関心なし(調布に15年住んでいるのに府中競馬場にも行ったことがない)。ゲームもやったことがない。馬の名前も活躍した時代もまったくわからない。
要するに、美少女スポコンアニメとしては愉しんで観ているが、正史がどうだったかとか、各キャラへの思い入れとかはまったく無い、筋金入りの「ニワカ」のしがない感想です。
何が良かったかというと、とにかく「作画」と「演出」で全てを表現したいという姿勢が、全編を通じて貫かれていたこと。これに尽きる。
意地でも、台詞では説明しない。
心の声でああだこうだとしゃべらせない。
込み入ったストーリーやキャラ立てを用意しない。
ただ、ヒロインの姿を映す。動かす。それだけ。
そこに込められた視覚情報だけで、
心理描写を丹念に彫り込んでゆく。
監督には、「演出」で全てを語らせようとする覚悟がある。
表情の細やかな変化、瞳孔の開け閉め。
しぐさ(とくに指)、足の震え、口元のおののき。
立ち位置の演出、カメラアングルの演出。
横からか撮るか、前からか撮るか、後ろから撮るかで、場面の意味合いが劇的に変わる。
光と影、順光と逆光、空模様、ターフの重さ。
感情の変化と背景描写が常に密接にリンクしている。
そういった映画的なギミックと手管と情報を徹底的に練り込むことで、ヒロインのその時その時の感情を、「視覚的に」表現しようとする強固な意志が感じとれる。
おそらく、ジャングルポケット自身も、自分がどうして「ダービーに勝ったのに」いつしかダウナーな思考に絡めとられて、どんどんと追い詰められることになってしまったのかは、正直よくわかっていないはずだ。この精神的な不調は、言語化不能、論理化不能のあいまいな何かによって引き起こされているからだ。
結局、アグネスタキオンに直接対決で勝てなかった現実。
目の前でタキオンに仕掛けられたスパートによって、自分が気圧されて心が折れてしまったという自覚。自分が「負け犬(負けウマ)」になってしまったという屈服感。
勝ち逃げのように、自分には理解の出来ないロジックでタキオンが目の前から消えてしまった巨大な喪失感。
その後、人生で一度しか巡ってこないダービーでの勝利によってもたらされた、突き抜けた歓喜の感情と、しばらく続くふわふわとした昂揚感。トレーナーと先輩の期待に応えられた安堵と充足。そんな達成感のすきまに忍び寄って来る、曰く言い難い目標を見失ったような空虚な感覚。しだいに出過ぎたアドレナリンとドーパミンは、脳をめぐりめぐってダウナーな鬱感情を引き起こす。自分は結局タキオンには勝てていないではないか。どれだけ頑張っても、タキオンが残した戦慄の光芒を超克することはできないのではないか。次第に追い詰められていくなか、速く走る訓練よりも、自分に負荷をかけるようなウェイトとローラー牽きの特訓に明け暮れ、ひたすら身体を苛め抜くポッケ。それでも、マイナス思考の連鎖はとめどなく、調子はどんどん落ちてきて、レースでも勝てなくなってくる。
もがいても、もがいても、前に進めない、抑制のかかった重くて身動きのとれない感覚。
彼女を押しとどめ、リミッターをかけているのは、実は彼女自身の心に他ならない。
一流のアスリートたちは誰しも、常に「調子」と「メンタル」という、自分の意志だけではコントロール出来ない変動パラメータに振り回されている。
努力したからといって、すべてがうまくいくわけではないし、勝ったからといって、調子が持続するわけでもない。プロとアマが対決すれば九分九厘プロが勝つくらいの力量差はあるけれど、プロ対プロの戦いでは、常にそこの数パーセントの「調子」と「メンタル」で、勝ち負けが大きく左右される。
野球のピッチャーにしても、140キロの球をだいたい狙ったところに投げることは「毎回出来る」が、それ以上の細かなコントロールや球威は「その日に投げてみないとわからない」。そのくらいぎりぎりのところで戦っている。
ウマ娘も、「訓練」や「戦略」だけで勝敗が決まっているわけでない。
とにかく難しいのは、「勝った後のモチベーションの持続」と、「負けた時に身体に染みついた負け犬感覚の払拭」であり、勝てる状態にまでメンタルを持っていくそのイメージの醸成方法であり、メンタルの良い状態を身体の神経と筋肉に伝えて高い能力を発揮させるためのメカニズムの整備である。
今回のウマ娘は、そういったアスリートの繊細であいまいな心の揺れと、心と身体の関係性、直結して左右される調子の上がり下がりを、とにかく丹念に追いかけて、映像的に実体化させようとしている。そこの粘っこいアプローチが実に良い。
この方法論は、「見せ方」に違いはあるにせよ、京アニ出身者、とりわけ山田尚子監督の演出方針にとても近しいところがあって、個人的には大変好ましく感じる。
キャラクターの一挙手一投足、1ショット1ショットのアングル設定、各シーンごとのレイアウトに何らかの「意味」をもたせようとするコンテワークこそが、僕はアニメの醍醐味だと思うし、そのあたりをいろいろと考えながら観るのがたまらなく愉しい。
アニメは実写と違って「描き込まれているものは、すべてわざと描き込まれている」以上、惰性やお約束ではなく「意図」をもって本気で描き込めば、実は実写以上の「演出」を仕掛けることが可能だ。
二人の並ばせ方、動きのシンクロ度合い、目線の交錯ぶり。これだけの作画演出で、アニメは100の心情が描写できる。今回のウマ娘は、とにかく日常描写(特にポッケを曇らせる描写)において、アニメならではの表現方法を必死で模索しているのがしっかり伝わってきた。
だから僕にとっては、とても愉しいアニメ体験だった。
そういうわけだ。
― ― ―
「ウマ娘」コンテンツの最初の「映画化」として、作画や演出の方面では本当によく頑張っていたと思う一方で、この手の「黒目部分が小さめで瞳孔が縦に開いている」タイプのアマゾネス系の外観&口調のヒロインを主役にもってきたのは、ずいぶんと冒険だった気もする(少なくとも通常のアニメやゲームだと、サブキャラにはいても主役を張ることは絶対にないタイプ)。
敵役のタキオンも、目がいっちゃってる完全な厨二キャラのサイコ系で、ぜんぜん可愛くないし。で、ふたりともいっちゃった顔で、妄言を吐いたり叫んだりし合ってて、ずっとガチャガチャやり合っているので、まあまあ絵柄が汚い(笑)。狂暴系クレイジーサイコ●ズ同人みたいな……。
萌えアニメのWヒロインとしては、かなりとっつきの悪いキャラだったのでは?
なんか、1期も2期も3期も特別編もやって、可愛い系きれい系はやり尽くしたからじゃあ今度はワイルド系でってことなのだろうが、一本のアニメ映画としては、どうもW主演させるにはクセが強すぎるコンビである気はしないでもない。
話の組み立てとしても、完全にジャングルポケットVs.アグネスタキオンという図式が全編にわたって徹底されているがゆえに、他のウマ娘が添え物のような扱いになっている感は否めない。
ダンツフレームは、異形の主演二人が毒気をまき散らすなかで、「オーソドックスなウマ娘」像を差しはさむ一服の清涼剤のような役割を果たしていて良いと思うが、マンハッタンカフェとテイエムオペラオーに関しては、若干扱いを持て余している感じがある。
結局、最も意識し合っているふたりは、前半で交錯するだけ。
後半のジャングルポケットはずっと、マンハッタンカフェと走った菊花賞も、オペラオーと走ったジャパンカップも、実際のところは「タキオンの幻影」と戦い続けている。
たった一度目にした「タキオンの光芒」だけを追いかけ続けている。
彼女が意識しているのは、ずっとタキオンだけなのだ。
そこはわかって観ているつもりではあるのだが、やはり「なんで最強を目指しているはずのジャングルポケットが、現役最強で最多記録を更新している最大の敵テイエムオペラオーに対して、超どうでもよさそうな塩対応なのだろう?」というのは、素朴な疑問として残ってしまう。
「刃を交えはしたがそのまま眼前から消えた幻のライバル」
「戦えないがゆえにどんどん肥大していくライバルの幻影」
「最大の敵は影におびえてセーブをかけてしまう自身の心」
というマニアックな設定のせいで、最初に見せ場が来たあとは、ずっと鬱々とした展開が続き、残る二度のレースでも他のライバルキャラが目立たない。
このへんは、痛し痒しといったところか。
あと、個人的に残念だったのがライブの演出。
全体にヒキのアングルで、あまり熱がこもっていない。
せっかくいくらでもグルグル視点は動かせるんだから、
もっとヨセで、アップで、ガンガン煽っていこうよ。
どうしても前例としてトウカイテイオーとナイスネイチャの神ライブがあるので、今回の醒めた演出は若干拍子抜けだった。
シリアスな内容に合わせて、途中にもライブは差しはさめず(あれだけギスギスさせると、戦ったあとのライブはたしかに入れづらい)、最後の最後だけ入れてはみたが演出は出来るだけ抑えたってことなんだろうけど……せっかくの映画版なのにライブにリソース全振りで盛り上げないでどうする??ってつい思っちゃうな。
とはいえ、総体で見ると充分に愉しめる素晴らしい映画でした。
改めてレビューコメントをいくつか遡って見ると、褒めるにせよ叩くにせよ、いつになく暑苦しい空気感で、そのくらい濃ゆいファンがしっかり付いているコンテンツなんだなあ、と(笑)。
叩くレビューにしても、それだけ「ウマ娘」に対して「理想」があって「期待」があることの裏返しなわけで、どこまでも真摯で、はらわたから声が出ていてほほえましい。
こんなにガチのファンがいるのなら、当分コンテンツは安泰なんだろうな。
以下、備忘録。
●フジキセキの勝負コスが変態紳士すぎる。
●緒方賢一はさすがにちょっと老け込んできたな……。
●タキオンがほとんどウソしかしゃべってないってのはミソだよね。
●パンフで監督が「ジャングルポケットは矢吹丈でタキオンは力石徹」みたいなこといってて笑う。ジャングルポケットのキャラ付けは江戸前で、下町のヤンキーらしい(笑)。
●ジャングルポケットがレース中やレース後に「吠える」のって、史実どおりなんだな。こういう正史の活かし方って、「ウマ娘」のコンテンツってホントうまい。
●タキオンとフジキセキの復帰エピは、個人的には別にやらなくてもよかったかなと。
●レース演出が期を重ねるごとに激しく過剰になってくのって、アニメーターの負けん気ってのもあるんだろうなあ。「誰だれの描いたアレには負けたくない」みたいな。
●作画スタッフに、昔懐かしい吉成鋼や恩田尚之の名前が。
●やっぱり、テレビやノーパソで観るのと違って、映画館の大スクリーン(しかもシネスコ。シネスコですよ!皆さん!!)で観るウマ娘は、迫力が違う。マジで全然違う。
横長の画面で、巨大なウマ娘たちがコンマ一秒を競い合う様は圧巻。
ぜひ皆様も映画館でお楽しみください。
最高潮が日本ダービーなのが
気持ちとしてはラストに最高潮を持ってきてほしいのだが
思った以上にアグネスタキオンを超えて最強になるという感情が大きくそれを中心としてストーリーを作ってしまうとタキオンもダンツもマンハッタンカフェも走らないジャパンカップをラストに持ってくるのはちょっと盛り上がり不足で俺たちの闘いはこれからだぁ!よろしくラスト打ち切りみたいな終わり方だなぁと感じざるを得なかった
おそらく企画当初は新時代の扉というサブタイトルから世代交代みたいなのを描こうと思っていたんだと思うんだが
どういうわけか上の世代の心情や関係性を描くことが出来なくなったもののラストはテイエムオペラオーとの対決は変わらなかった
それによって気持ちはタキオンに向いているのに闘う相手は上の世代という
どうも気がのらない感じがあった
とはいえフジキセキとタナベトレーナーの描き方もとても良かったしゲッターのシャインスパークみたいな感情むき出しの画作りもカッコよかったし気持ちがグッとくるシーンはたくさんあった
オペラオー、ドトウ、トップロードの上の世代をもうちょっと描けたらクライマックスがより盛り上がるのでは?
あと何カットか線がガタガタのスムーサーのかけ忘れカットがあったのが気になった
レース映画かと思って期待しすぎていました。
まず個人的に良かったと思うところを先に書いておきますと、日本ダービーまではめちゃめちゃ良い映画に仕上がってたように思います。日本ダービーの前と後で、監督変わった?と思うほど差があり、僕が酷評しているのは主に後半パート(日本ダービー後)です。
映画としてのクオリティは低いと思います。そう感じるすべての元凶は、なぜ2部構成になっていないのかと思うほどの尺不足です。ゆえに、他の方が書かれている通り、各キャラの掘り下げが不十分なまま、あるいは掘り下げるバランスがおかしいまま物語が進行してしまい、そのしわ寄せが終盤になればなるほど大きくなっていきます。そのわりには本編と全く関係のないモブキャラが結構な数セリフつきで出てきており、ウマ娘ファン向けの美少女萌えアニメに仕上げたのか?と感じました。僕は美少女萌えアニメ大好きなので、小ネタとファンサは楽しかったですが、初見で観に行くと戸惑って集中できないシーンもたくさん入っていると思います。
肝心の(?)レースシーンも、レース途中で各キャラの戦略や戦術、心理などがほぼ描かれず、最終直線で「背負っている想いの強さ」をそのまま虹色にしたようなキラキラの演出と雄たけびで済ましてしまっており、レースものの映画としてこれではダメだったと思います。アニメ3期でボロクソに言われた「最終直線で叫び倒す」を「パチンコの大当たり演出」に置き換えただけにような感じです。何度も言いますがレースもの映画としては雑な仕事ではないでしょうか。ベテラントレーナーとフジさん仕込みの技術や戦術で、あらゆる手を尽くしてもライバルが強烈で、最後の手段としてポッケの中にあるものが覚醒する。とかいう展開ならまだあの演出も飲み込めたのですが…純粋なレース映画だと思って観に来た僕が間違ってたようです。
初めにも書きましたが、とにかくそこまで描けるほどの尺が足りなかったんだろうと思います。見方を変えれば、100分少々の映画としては頑張って上手くまとめた方なのかもしれません。
思った以上にスポ根
シリーズ作品はほぼ見ています。テレビシリーズにするには個々のエピソードを組み込むのが難しい。その点で映画作品になったのは納得でした。ポッケの少年漫画主人公のようなスカッとした性格、途中の挫折から立ち直る様などスポ根感満載です。そのためウマ娘間のわちゃわちゃは少な目でそういった感じを求めたら物足りないかも。とはいえ今まであまり描かれていなかったキャラにスポットが当たっただけでもファンは満足できるはず。モブとしていろいろなウマ娘が隠れているのもグッド。作品を見てから実際の競馬レースを振り返るのもとても楽しいです。ゲストは元調教師の大久保先生が一番ハマっていたように感じます。
シリーズ好きから見た率直な感想(長文になりました)
正直評価が難しい作品でした。
良いところは間違いなくあるものの、映画館を出たときの印象としては「ちょっと微妙」というところに落ち着いています。
ウマ娘はアニメ1期を見てハマり、アプリを事前登録してほぼ毎日プレイし2期、3期と視聴していました。
RTTTも素晴らしい出来で今回も(キャラ選出に若干の不安を感じながらも)楽しみにしていました。
まず全体を通して感じたのは作品の雰囲気がクールで暗いことです。
ウマ娘は筋骨隆々の競走馬を美少女に擬人化した作品です。
明るく可愛らしく華やかな要素がなければ美少女化した意味が弱まってしまいます。
かっこいい系ウマ娘も勿論好きですが、ウマ娘として初の劇場版で披露するには少々挑戦的に思いました。
背景も綺麗ですが描かれているのは競馬場や静かな河川敷。夏合宿もポッケが沈んでいるシーンなこともありテンションは落ち着いています。
この雰囲気は小さなお子さんには退屈で厳しいのではないかな…
タキオンの引退発表、あんなに画面を真っ赤っかにする必要もよくわかりません。
魚眼構図で目を見開くポッケ、手法がホラーです。誰か亡くなりでもしたのかという過激な色。
色を使った印象的な演出は大事と思いますが、やりすぎなシーンが多く違和感を覚えます。
顔を崩すギャグシーンも妙に長くて不安になりました。
レースシーン。
地下道の蹄の音や工夫を凝らした道中のカメラアングルはとても良かったです。
BGMもジャンポケを意識したであろうかっこいい曲。
しかし道中のポジションの奪い合いや内外選択等の戦術は何一つ無く、
「早くも最後の直線です!」からの
踏みしめる脚のアップ
過剰に光りだすウマ娘
うお〜はあ〜と叫ぶ声
そしてゴールイン!がほぼ全てのレースで行われます。
演出や叫びが過剰になった3期からこのゴリ押しパターンが増えたように思います。
光らせれば良いわけでなく、声優に闇雲に叫ばせても自分の中でどこか白けてしまう。
ただ自分が長くコンテンツを追いすぎてこの演出に慣れきってしまった部分も大きいと思います。
是非まだ体験されてない方は観てほしいという気持ちもあります、本気顔で走っている彼女たちは確かにかっこいいので。
ストーリーに関しては元ネタ的に正直こう描くしかないだろうなという話でした。
期待通りでもあり、こんな一般人の予想なんか超えてもう一捻りして欲しかった感もあり。
散々言われてますがカフェとダンツはもう少し描写が必要だと思います。
日常シーンでポッケともっと関わって影響を与え合える存在であれば、ダービーも菊花賞も熱い気持ちで見れたのですが…。
フジキセキ側に尺を割きすぎたように思います。老いたトレーナーを含め良い話ではありましたが思いを託すのはもう少し簡潔でも良かったんじゃ…
今作ラスボスのオペラオーとも特に接点もなく、最強にこだわる割に現最強の先輩に何の感情もないのかなと少し寂しい気持ちに。
オペの凄さは前もって有馬記念で見せる形をとったということでしょうか。このレースは包囲網を突破するという彼女の技術を感じられたので面白かったです。
ライブシーン。
これが個人的に惜しすぎる。もっと力を入れてください。
このライブシーンだけのために何度もリピしたい!という感想をあまり見かけません。
それを言わすべきほど、劇場で見るライブには力があると思っています。応援上映とかあれば大盛り上がりですし。
個人的感想ですがRTTTのライブの方が可愛くて見応えがありました。
こういう面で言うと今回の4人、やはりデザイン上難しい選出になっているのかなと感じました(キャラクターとしては全員好きです)
勝負服の都合上仕方ないとはいえ色被りを起こしている主役2人、黒一色のカフェ、ダンツはピンクですがスポーティ系の服装。
映えるライブを組み立てるのは相当難しそう。
思えばRTTTはカラフルな3色で華やかな衣装の子が多かったんですね。
この作品に詳しくないアニメ好きの男性層にも来てもらいたいですがその場合目を引く可愛いキャラはどうしても大事になります。
1期2期3期も主役・相手役のキャラは華やかで明るい色を持ったデザインの子ばかりでした。
家族層に来てもらうにはあまりに画面作りが静かでクールすぎ、かっこいい系を主役に据えても女性キャラに狂う女性は(居るにはいますが)絶対数で言えば多くはありません。
興収の話などここですべきではないですが館数に対してのやや物足りない数字も正直納得できます。
公開前にガンダムSEEDくらいは軽く超えるだろうという意見を見ましたが
どちらも好きなコンテンツで両方観た身としては無茶言わないでほしい。別作品の名前を出して申し訳ないですが
「味方全滅の危機に例のアレに乗って駆けつけるアスラン・ザラ」に
「ポッケの不調に勝負服で河川敷にやってくるフジキセキ」では話題性において火力が足りません。
ゲ謎のように内容が話題になれば口コミで伸びることもありますが、この作品にはそういった意表をつくサプライズは感じませんでした。
PVの雰囲気通りの作品が、期待と予想通りに描かれています。ある意味誠実です。
とは言えなるべくいい数字で終映を迎えてほしい気持ちもあり、
気になっていてPVから惹かれるものがあれば是非とも観に行ってほしいです。
このコンテンツが末長く続きますように。
長文失礼いたしました。
総評5点、シナリオ0点の作品
アニメウマ娘の評判を落としたTVアニメ3期の失敗は記憶に新しいです。
3期主人公のキタサンは淡々と勝ち続けたただの強い馬でしかなく、男っぽく描いたので、ペアリングに可愛いサトノダイヤモンドをライバルとして入れてみたのだと思うのですが、そもそもこの2頭はライバルでもないし…という事がまず頭をよぎりました。
その状態の上で、この2頭を中心にアニメ1期や2期と同じような友情物語を描こうとしたもんだから、全然リアリティがなくて、ファンの心が離れてしまったという経緯があります。
そんな流れをぶった切り、ウマ娘の流れを変えるべく作られたのがこの映画だと理解しています。
ですので、「今までのウマ娘とは全く違う作品を作る」という決意のような物が感じられました。
具体的には、登場するジャンポケ、タキオン、カフェは、どれもがべらんめえ口調だったり狂気じみていたり病んでいたりとまあ暗い暗い。
で、この3頭中心だけだと見ている人が病んでしまうので、ちょっとかわいいダンツをいれてみましたという構成になっています。
こういう書き方をするとただの悪口に見えるかもしれませんが、決してそういう意図ではなく、ジャンポケ、タキオン、カフェのクラシック3冠を分かち合ったこの3頭をシンプルにライバルとして描くのではなく、4戦無敗で引退したタキオンを神格化し、しかもタキオンを物凄く気持ち悪く不気味に描く事で、ジャンポケとカフェがタキオンなき後も心のカルマに悩まされながら、それに打ち勝っていくというお話になっています。そして、ダンツの可愛さでちょっとフォローという感じですね。
つまりは、これまでのテレビアニメとは明らかに違う作りになっていて、先輩ウマ娘であるフジキセキとの友情のような描画もあるにはありますし、水着だの浴衣だのもあるにはありますが、萌えや友情愛情で泣かせるぞ!という意図は感じず、まさに、劇画版ウマ娘とでも言える作風になっています。
この変化は正直評価できますし、これだけで総評は5点をつけて良いなと思いました。
この先への未来を感じる事ができたので。
ですが、この映画で評価出来る点はこれだけです。変えた事が良かった。これ以上もこれ以下でもありません。ほかはごめんなさい、評価出来ません。
例えば、シナリオについては、0点です。最悪でした。
どうやら、ジャンポケ、タキオン、カフェ、ダンツの四頭メインで売り出そうとしていますが、ダンツをメインに押し上げるのは無理がありすぎます。
ダンツは可愛い役としてチョンと出るのは良いとしても、3頭のインパクトとはやっぱり差を感じるのです。
他にも、確かにタキオンは強かったし、当時の評判でいえば3冠とるかもしれないとは言われてはいましたが、ジャンポケがダービーを勝ったのは、当時からずっと言われていた広い東京の長い直線コース、かつ、左回りだから末脚が爆発したというのがむしろ定説であって、正直タキオンが怪我をせずダービーにでていたとしても、ジャンポケが勝っていた未来も十分あったと思うのです。
さらに、ジャンポケは3歳で(その当時は少し力が落ち始めてたとは言え世代最強古場だった)テイエムオペラオーを東京競馬場のジャパンカップで倒し優勝もしています。タキオンにこれが出来たかどうかはわかりません。
なので、ジャンポケがあそこまでタキオンを神格化して悩む理由にモヤモヤしました。これは史実とは違うなと。
更に酷いのはマンハッタンカフェ。レースシーン無し。
シナリオ上、ジャパンカップでジャンポケが優勝して大団円でおわりたかったので、カフェにまけた菊花賞を描いた後だとつなぎづらかったり、流れがわるかったのかもしれませんが、カフェをメインキャラに据えているんだから、レースシーンは描くべきでしょう。これもかなり酷いです。
さらに、最後、タキオン復活には呆れました。復活するんかーい(笑)
流石にレースシーンはありませんでしたが…。いやいや…。もうファンタジーですね。
結局、カフェを出したのは可愛い小倉唯さんだからでしょ?とか、タキオンをラスト復活させたのは人気の上坂すみれさんだからでしょ?とか、その先にあるリアルライブの商用目当てってのは分かるのですが、それがあまりにも露骨すぎて萎えました。
作品は作品、イベントはイベントできっちりしてほしかった。
次に作画ですが、作画そのものは悪くなので3点ですが、それでも3点どまりです。
そもそもウマ娘という作品、新作になればなるほどラストの直線勝負がファンタジーになっていきますね。
とにかく声優に叫ばせとけ!とか、直線の末脚のところはビッグバンレベルの大爆発映像描いときゃいいだろ!とか、スピード感をだすために線画ぽく描いておけばどうにかなるやろ!とか。
もうこれは競馬ではないですね。正直、1期の描き方でよくないですか?と書き記しておきます。
===
最後に、これはアニメとは全く別枠なので分けてかきますが、ラストのウイニングライブは良かったです。シンプルに商用としてという意味で曲はわかりやすく、耳馴染みも良い曲でした。apple musicに入れてもいいかなと感じました。
2010年代を思い出すような作りのアニメ映画
レビューが非常に長いことはご了承ください
※6/1に2回目の視聴、6/7に追記
6/11に3回目の視聴、6/16に追記
先ずは作品がクロスメディアコンテンツとしての体裁故の注意事項、6/13にゲーム版にジャングルポケットが実装されましたが"本映画とは全くシナリオが違う"ので、"本作品は本作品の中でしか完結出来ない"ことを念頭に置いてください
一応、補完も込めた小説版も販売していますので、ちょっとした舞台裏とかも知りたい方は角川文庫出版の小説版を是非
アニメ映画として見た場合のレビュー
本作の製作スタジオであるCygames Picturesは映画事業は全くの初
しかし、初とは思えない作りの良さ、アニメ映画としてはまるで2010年代の名作達を思い起こす様な映像からも心理を読み取らせようとする演出もあり、昨今のアニメでは失われつつある絵による心理描写が非常に多くあり、音響も素晴らしくシリーズを見てきた自身ですら驚くレベル、五感を総動員して楽しめます
中にはちょっとした背景での立ち位置や部屋の変化で登場人物の心理が見え隠れしたり、それぞれの立場が分かるような意図した作りを入れています、これはウマ娘作品でもここまで多く入れたのは初めての試み
また、タイトルがタイトルなので中々、視聴に抵抗がありそうですが、ここら辺も2010年代からある「見た目・タイトル詐欺」レベルの少年漫画的演出やシナリオ、展開だったりします
ヤングジャンプでコミカライズ展開している別作品・"ウマ娘 シンデレラグレイ"の雰囲気に限りなく近い作風だったりします、THE・スポ根
作画も動と静がハッキリしている作り込み、表情の変化も非常に細かく「あれ?何だか様子が?」って意識させる作りが非常に多いです
しかし、シナリオは至って王道、小難しく考える必要もないが、演出における解釈を加えて、心理を深く見ても面白くなる様な作りにはなっています
結構、曲解や虚偽、いやがらせなレビューが多いので物語のイントロを少しだけ
主人公のジャングルポケットが友人と気まぐれに見にきたレースで「お嬢様学校の連中」とたかを括っていたら、フジキセキのとんでもない走りに惹かれて自分もそのレースシリーズである、トゥインクル・シリーズ出場を目指し、その惹かれた走りのような強いレースで時代の最強を目指すところから物語は始まります
このように言わばジャンプ漫画みたいな分かりやすく、熱血王道的な導入から始まり、ここから主人公のスポ根的成長物語ともなります
基本的には見易く、取っ付きやすい物語の作りではあると思います、また登場人物が学生なので合間に日常シーンで緩急をつけたりして上手くメリハリが効きながらも、しかし要所要所の演出による心理描写や表情に伏線があったりと五感全てで楽しめる作品になっていると思いました
世界観どうしても細かい設定が気になるって方はウマ娘 公式ポータルサイトや映画のXでの公式アカウントで用語集を調べてから見るのが良いかと思います
実際の競馬や競走馬等に基づいたエピソードはありますが、知らなくても分かるレベルしか入っていません
ここら辺はあくまでも"作品の世界観の独自性"も維持するために物語のノイズにならないよう上手く取り捨てしています
では、ここからは作品シリーズのファン目線で
実質的な前作で前日譚でもあるROAD TO THE TOP(以下RTTT)からより進化した作品でありながら、シナリオの作り自体はナリタトップロード(以下トプロ)の二人三脚で頂点を目指す物語とは異なった作り
トプロの物語は群像劇スタイルで主役3人にフォーカスを当てる視点に対して、今作はジャングルポケットを中心に同期のライバルであり友人達との成長物語を描いているので、シリーズファンに言えば別スタジオの作品であるTVアニメ1期の様なスタイルで展開していると思えば良いと思います
ただし、作風自体は同じサイピク作品であるRTTT味は健在、迫力のある作画やさらに進化したカメラワーク等には圧倒されました
また、BGMも新しい試みがあり、タキオンという異質な存在をアピールさせるための曲調にしたりなどと、RTTTとはまた違った良さがありました
皆が期待しているであろう00年有馬記念のテイエムオペラオーは想像以上に凄かった、PVでは映像のみだったが、実況は「当時のモノの方が凄みが伝わる」との脚本家の采配でまさに同じものだったので更に迫力がよりありました、演出面も「これからとんでもないことが起きますよ!」と言わんばかりの派手さ
基本的にはレースシーンはRTTT以上にエンタメ的迫力を重視しつつも、想いの心理は全く変わらずでした
強いて言うならレースの展開やポッケの内面的成長が物語の中心なこともあってか、戦略的な面はRTTTと比べて少なめ、一応最初のレースでポッケ自身のレーススタイルは本人が触れているが、セリフからして"天性のレースセンス"と持ち前のフィジカルで行くタイプ
しかし、どこかの叫んでしかいない作品と違って、勝利への執念を見せるべく想いをぶつけ合うような描写もあり、モブにも「勝ちたい」という強い意志を見せたりとこれまでの集大成的な作りが見受けられました
とにかくレースでの内面心理描写は過去一まであるかもしれません
また物語も最強を目指すポッケが同期のライバルが離脱して目標を失いつつも世代最強を目指し、さらにはタナベTとフジの夢を受け継ぎ、より強く目指そうという意志を持つものの、世代最強になっても「タキオンには勝っていない、勝つことはない」という事実に悩まされ、虚しさとも戦っていく"アスリートは常に自分との戦いでもある"という側面をも描いています
他ライバルであるタキオンやダンツにも心理面をかなり描いています、特にタキオンは裏主人公とも言えるポジションなので、アプリでタキオンファンになった人は感慨深いかも
フジキセキももう一人の裏主人公orヒロイン的ポジションであり、史実ルートに行ってしまった時の掘り下げがたくさんあります、いつもの寮長としてのフジではなく、1人の先輩アスリートとしての側面を見せてくれるのでイメージが変わるかと
そして、ポッケ以外にもこの裏主人公2人の物語でもあることが分かってきます
タナベTもRTTTの沖田Tと同様に欠かせない、二人三脚をする、夢と想いを託す人物としては大事なキーパーソンの一人でした
ここまで長々と話しましたが、RTTT同様に登場人物がそれぞれの役割を持ち生き生きとしています
また、結構な数のキャラクターが1シーンだけでも出てきたりしますので、楽しい部分も多し
さらにアプリ出できたあのキャラクター達も
ではここからは悪かった点に
・完全初見向けの世界観説明が冒頭以外にない、ただし尺の都合もあり、潔くカットしているのとシナリオ自体は初見でも問題ない内容だが、ファン向けな部分も少なくはないのでここら辺は公式ポータルや映画のX公式アカウントで用語等を事前に調べてください
・マンハッタンカフェが物語の展開上、レースシーンが少ない
クラシック期がほぼ全休に近かったことからレースシーンが少ない、出番自体はあるものの、ポッケ中心の物語である以上は仕方ない側面もある
ただ、遅咲きであり、これから覇王に引導を渡したり、世代の頂点を奪い取るので、カフェの為の後に展開がありそうな切り方ではある
ただし、カフェ自体の心理的な面はアプリユーザーでも見たこと無い部分や表情を描いているので、また新しい一面が見えるかも(ちゃんと役割はある)
・テイエムオペラオーは"最強という概念"的象徴のため、物語にはほぼ絡んでこない
あくまでポッケが目指す"最強の称号"を持つの1人の目標
序盤で時代背景をアピールをしただけで存在感がありすぎるので反って目立たせ過ぎなくて正解かなと、RTTTとは違う"世紀末覇王"としての姿には感動してしまうかも?
・プリズムのサンキャッチャーの意味が人によっては少し分かりにくいかも?ポッケの大事なアクセサリー的な立ち位置としての解釈でも十分だと思われるが、実際はポッケやタキオンの精神状態を端的に表しているモノでもあったりする
非常に長くなりましたが、総じては
・作品ファンなら映画館で見て欲しい、物語もポッケにふさわしく、キャラクターの新たな一面に推しが増えてしまうかも、少なくとも大半の人がモルモットで光輝いていたりやポニーちゃんになってしまうくらいには魅力的な描かれ方をしています
・シリーズ作品始めてでも入ってきやすいシナリオ、小難しく考えず正面から純粋に受け取るのが一番良いでしょう、されどコアなアニメ作品好きを唸らせるような演出描写が多彩
・競馬ファン向けに言うと史実に沿うだけがこの作品の良さではないことも証明しています、時にはこれをいれてしまうと物語のノイズになってしまうという取り捨てをしっかりしています、例を上げるとクロフネはポッケの物語である以上は絡ませにくい&クロフネの名称使用許可がない為、シリーズによくある苦肉の策・代名であるペリースチーム(ペリーの黒船をもじっている)で代用している等と決してクロフネの存在を無視してはいません
脚本の方も何度も元になったレース映像を見直したり、エピソードを拾ってきて物語を作る上で取捨選択をする努力をパンフレット内でインタビューしていました
この世界観の独自性を失わずに元の題材を大事にしている姿勢が両者の原作をしっかりと尊重しているシリーズトップクラスの名作です
長々と見辛い部分もあると思いますが、レビューを見ていただきありがとうございました
少しでも見たいと思える様になれば幸いかと思います
私は既に3回見ていますが、あと数回は見に行こうと思うくらいに見る度に新しい発見があるくらい、リピート出来る作品だと思っています
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