劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」のレビュー・感想・評価
全224件中、21~40件目を表示
50点
映画評価:50点
※アニメシリーズは見終わっています。
ウマ娘のファンとして、
ポッケの熱さや、タキオンの個性が際立っており
ラストのジャパンカップの展開には
かなり満足できました。
走り出すタキオンがとても良かった。
ですが…、それまでの流れが
あんまり良くないです。
まず2時間しかないからなのか、
ストーリーが取って付けた様なものでした。
ほぼほぼやり取りのみで終わってしまうのも、
物足りなさを感じます。
それでもフジキセキは格好良かったし、
タキオンがメインに出てきて嬉しかった。
レースの疾走感や、
劇場版だからこその臨場感も
私的には高評価でした。
でもですよ?
それは私がウマ娘ファンだからこその評価です。
この機会にウマ娘を観る人には
正直退屈以外何もないと思います。
いきなり訳のわからない言いがかりの様な
突発的なやり取りから始まり
タキオンとの意味解らない会話だけなので、
ある程度知識のある人しか楽しめない作りです。
その知識のある私でも50点くらいです。
これでは、友人に勧められません。
これだと新規は入ってきません。
上記の感想が批判に聞こえるでしょうが、
上映中に私は涙を流しながら観ていました。
それくらい熱い作品でしたし、
劇場に行って良かったとも思います。
でも、新規の方には注意喚起したいと思いました。
この作品は、実際の競馬が好きでかつゲーム版をプレイしている方限定でオススメします。
せっかくウマ娘に興味もって頂いた人に
嫌いになってほしくないので…。
【2024.7.8観賞】
競走馬を擬人化したゲームとそのメディアミックスとしてのアニメーション映画
ゲームより先に放映されたアニメの1,2期は評判が良かった。2期は、私もよく知っている競走馬が多くて、やはり、多少の違和感というか、現実として知っている競走馬が脳裏にちらついてしまうのは仕方なかった。同世代の人よりはアニメ等のオタクコンテンツに触れてきている分、擬人化アニメ作品なども抵抗も少ない方ではあるのだが。
アニメ3期は評判が芳しくなく、それを受けての劇場版。本作の2001年のダービーを争った世代には、あまり思い入れもないし、前評判としてもそれほど盛り上がってもおらず、見るかどうか正直悩んだが、休日に特に予定もなかったので、物は試しに、と観てみた。
映像の印象はテレビアニメと違って、その場所の空気感というか、温度や湿度が感じられるような雰囲気がまずよかった。湿気の多い夏の雰囲気とか、私の好みの映像だった。
レースシーンなどの表現は、臨場感がこれまでのウマ娘アニメ作品より増していて、劇場で見ないともったいない出来と言っていいだろう。
ストーリーは主役のジャングルポケットを中心にして、前半はライバルとなるアグネスタキオンとのレースでの挫折、後半はそれからの立ち直りに、新たな強敵としてのテイエムオペラオーとのレースが主体になる。いわゆる、スポ根もののノリと、ストーリーだ。
個人的には、マンハッタンカフェが勝利した菊花賞のレースも、もう少し尺をとって見せてもらいたかった。前半のアグネスタキオンとの勝負が、一種異様な雰囲気を醸し出していて、後半のオペラオーとのレースはそれを超えるほどではなかったように思うので、後半はやや尻すぼみな印象をもった。
最後に、ライブを行って終わったところは、ああ、そういえば、こういうコンテンツだったな、と我に返ったようなところもあった。ウマ娘というコンテンツに触れてこなかった人には、このシーンが異様というか、唐突に感じる人が多いようだ。インド映画の様、というのは言いえて妙か。
上映館の多さなどから、興行的には期待されていたようだが、それに見合うほどの成績ではないものの、馬を美少女に擬人化したゲームコンテンツのアニメ映画作品、という、興味のない人からは敬遠されるだろうタイトルとしては、そこそこヒットしたように思う。ネット上ではやたらとネガティブキャンペーンを張っている人も多いようだが、課金のあるアプリゲームに、元は馬券という金のかかった競馬の競走馬の擬人化という、金が絡んだネガティブ要素も持っている故に、非難を受けがちなのかもしれない。
最初の期待値が低かったので、想像以上に楽しめた映画だった。人に勧められるかと言えば、少々微妙でもあるが、”ウマ娘”という存在を受け入れられるか否かで評価は変わるだろう。
RTTTを見てからはじめて見た者として
ミリしら初見
ポッケ格好いい!
ウマ娘てなんやねん
時代は変わった・・・
私は25歳の頃、北海道の日高で半年暮らしたことがある。場産地日高・新冠にあったお寺である。信者さんには競馬馬を育てる小さな牧場主さんが多くて、一日3軒から5,6軒の牧場をご祈祷して回った。半年で、200軒以上まわったように思う。
アラブ系の馬を育てる零細な牧場が多かったが、中には有名な牧場もあった。かのハイセイコーの生産者武田牧場や、ダービ馬カツラノハイセイコの鮫島牧場など、たくさんの信者さんがいた。昔一世を風靡したテスコボーイを見つけて日本につれてきたのは鎌田三郎氏・・・。鎌田氏の日東牧場も信者さんだった。いまも個人的に日東牧場さんとは縁が続いている。
っていうくらい、20代から競走馬との縁が深い私であるが、私の血は娘に受け継がれて??、彼女が一押しするので観に行った映画がウマ娘。ぜんぜん面白くなかったが、こういうのが、今の競馬ブームを支えているのだなと思った。
テンポイント(この馬の生産者の早来吉田牧場の娘さんがいまの日東牧場の牧場主)時代から競馬は観てきたので、本作に出てくるマンハッタンカフェやアグネスタキオンなど名馬たちのことは現役で観ている。なので、じつは娘よりも詳しくリアルな世界を知っているが、映画にして観るほどの内容ではなかったかな・・・。映画の評価は★3.4。でもいくらでも話が湧いてくるのが競走馬の歴史。昔と違って、時代は変わって、競馬の世界は日本でも健全な社交の場、そしてエンターテインメントになっているなと感じさせられた作品だった。
王道のスポ根物
ウマ娘をプレイしている身なので多少の補正はあるかと思うが、出来は良いと評価していいと思う。
作画は終始綺麗で、演出もゾーンの描写やレースが多めのキャピキャピした萌えアニメ然とした、何にもならないくだらない描写はほとんどなかった
シナリオとしてはちょっと時間が足りないのか、他のライバルの掘り下げが物足りないかなという感じ(マンハッタンカフェの扱いがあんまりなかった気がする)
スポ根ものとしてありがちなイップスの描写もよくこの時間の中でまとめたなぁと思う
映画一本でウマ娘の世界観を味わうにはちょうどいい作品
満足感は得られると思う
3回目で4DXを観てきた。
だいぶ過小評価されてると思う。50億くらい売れてもいい作品。
観てない人は勿体ない。
オペラオーのシーンだけで料金以上の満足感。
4DXはマッサージ機くらい振動して面白かった。腰に良さそう。
4DXは、この場面はこういう演出かって感じながら楽しめた。アトラクションとして面白い。内容は飛ぶ。
ウマ娘にはじめて触れました。
受け取り方によって賛否両論、作品の軸をどこと捉えるか
私はウマ娘も競馬もファンです
01世代はマンハッタンカフェが推しです(ウマも馬も)
その上で私のこの作品の評価は星5です
は?と思う方もいるでしょう
分かります。私も1回目の感想は正直いってガッカリでした
01世代の映画ならカフェの活躍に期待できるとワクワクした気持ちで鑑賞したら、お出しされたのは謎にジャングルポケットとアグネスタキオンを推した映画でした
カフェは出るには出るけど活躍少ないし、出番あっという間だし、ダービーからの展開意味不明だしで一回目の鑑賞の状態でのレビューなら星1か2にしてました
しかし、同じカフェ推しの友人と映画について語るとその友人は私と違いこの作品を高く評価していました
勿論友人もカフェの活躍の少なさは嘆いていましたが、友人曰くこの作品は「01世代の物語ではなくポッケとタキオンが何故走るのかを描いたものだから」とのこと
はじめは言ってる意味が分からず、友人に誘われるがまま渋々の2回目の鑑賞でようやく理解しました
私が予告を見て期待し求めたものは「01世代を描いたスポ根もの」でしたがこの作品は「ポッケとタキオンを中心としたウマ娘の走る理由にスポットを当てた人情もの」でした
01世代を描き、テイエムオペラオーをラスボスとするならそもそもポッケが主人公なの違和感ありませんでしたか?
私はありました
01世代を描くなら最後のレースはカフェがオペラオーを打倒する01有馬まで描く筈です
タキオン→ポッケ→カフェと想いが継承される物語であれば01世代を描くスポ根として良かったのではと思いますし、それを求めてました
求めていたものと違いはしましたが、その上でこの作品のテーマというか主軸を01世代のスポ根→ポッケとタキオンの人情ものに置き換えて映画を観るとこの作品に対するイメージというか評価がガラッと変わりました
特にそれが分かりやすいのはダービー後の夏合宿からジャパンCです
スポ根ものとして観てた時はこの辺は本当に意味不明で何がしたいのか、何を描きたいのか分からずイライラでした
ただ、ここら辺のシーンはこの映画にとっても滅茶苦茶大事なシーンでダービー後からスポ根要素薄めの二人が何故走るのか、互いに影響しあっている様を描いているのかなと今は捉えています(あとサンキャッチャーとか分かりやすいかも)
そのテーマだとダンツはダービーを機に、カフェははじめから走る理由を見つけてました
ポッケはタキオンの休止宣言から走る理由を見失って、タキオンは皐月賞を機に走る理由を他所に見いだしていました
ポッケとタキオン(それとフジさん)が何故走るのかを描いた人情ものとして観ると演出とか相まってしっかり一つの映画として成り立っているのだと思います
それでもRTTTのようなスポ根群像劇を期待していた身としては、期待はずれとしか言いようがありませんが…
この作品を評価するなら【スポ根ものとしては期待はずれだが、人情ものとしては面白かった】が私の評価です
人情ものとしては星5です(評価が高い気もしますが、ポッケやタキオンに感情移入したからかもしれません)
タイトルで受け取り方に~と書いてますが、私が他の方のレビューを一通り読んだ印象として、一部を除いてこの作品を高く評価している方は【人情ものとして評価】していて、逆に低く評価している方は【スポ根ものとして評価】しているように感じます
実際、低評価のレビューも高評価のレビューもどちらのレビューもすごく共感出来ます
(勿論、人情ものとして低く評価している方もスポ根ものとして高く評価している方もいますが)
この作品は受け取り方次第で評価が大きく変わるのかなと思います
それと低く評価しているレビューのなかには作画がありましたね
私は抵抗はなかったですが、序盤のポッケとタキオンの絡みのシーンとオペラオーが走るレースは意図的な崩し表現が使われていて人によっては受け付けないかもですね(これは完全に好みかなと)
ストーリーの理解というかポッケたちの心情が分かりにくいと感じたら小説版を読まれるのをおすすめします
小説版はより丁寧に細かい心情描写に加えて、映画にはなかったキャラ同士の絡みがあって作品を楽しむアクセントとしてとても良かったです(カフェ推しの方は特におすすめ)
最後ですが、ウマ娘で人情ものも結構良かったですがやはりスポ根をメインにしてほしかったなという気持ちもあります
ウマ娘も競馬も知らないって方は何も考えず観ると良いかもです
作画と演出の迫力はすごいので雰囲気だけでも結構楽しめるのではないかなと思います
ウマ娘好きでなくてもオススメしたい作品
期待し過ぎたかも
公開日初日に観に行き、次の週も観に行って飽きました。1回目の時点であんまり面白く無いなと思いました。予告まではオペラオーがカッコ良くてすごくワクワクしていたので観た後はガッカリしました。脚本が悪いのか監督が悪いのかつまらない。新時代の扉はどの辺の事なんでしょう?
主役のジャングルポケットがあまり魅力を感じず、中盤から終盤までずっとウジウジとしていて何でこの娘を主役にしたのか疑問です。タキオンが引退したらいじけて、ダービーにで1着になったのにタキオンが居たらとか考えて今度はウジウジして、しまいには否定的な自分の幻影を作り出すし、そのネタはカフェだけでいいよ。夏合宿シーンも特に必要ない。ポッケはもっとダンツフレームやマンハッタンカフェだけでなく現役で走っているウマ娘と交流があったらいいのに全然そんなシーンはない。同室にナリタトップロードが居るのにちょっと並走しただけだし、ラストのジャパンカップで対決するオペラオーとも作中に繋がりが無いからただただ虚しい。
オペラオーの扱いも雑過ぎる。映画のグッズでポッケやタキオンらと同じ扱いなのに出番が少な過ぎる。オペラオーの出番も少ないからメイショウドトウも全然登場しない。オペラオーのレースも最初と最後だけで覇王を感じられ無い。序盤のレースシーンも作画が凄いだけでレース自体は他と変わらず、負けたライバル達もモブ扱いで盛り上がりに欠ける。
3人のモブウマ娘も物語に居なくてもいいほどなのにしゃべり過ぎ。
OPの曲もRTTTに比べたらイマイチと感じました。
パンフレットも最悪。何で芸人のコメントが載ってんだよ。
はっきり覚えてないけどテレビアニメシリーズでここまで調教師(トレー...
諸手を挙げて喜ぶ程かと言うと…
アプリやTV1〜3,RTTTと見てきて、初回の映画特典を読んで感じたのが、
「これ、映画でやるほどか?やってこのキャラの使い方なのか」
というところ。デザインや演出は申し分無いものだったと思う、素晴らしかった。ただ、ストーリーやキャラクターの使い方としてどうだろう。腑に落ちなった所が何点かある。
確かに、主人公であるジャンポケとタキオン、またフジキセキやトレーナーの関係性も良くできており、言い方はアレだが所謂「最強を目指し、時に挫折し周囲に激励され立ち直り勝利し、ライバルをも立ち直す」という「王道」だ。別に王道が悪いと言うわけではない。タキオンの「自分が」で無ければ意味がないという気づきから、走り出すシーンは感動した。
ならばどこが、腑に落ちなかったか。
まずは挫折という部分だ。そう、落ち込みへの展開が軽いと感じたのだ。上映中、主人公が挫折していたのはおよそ何分だっただろうか。上映時間の中での割合としてはとても少ないのだ。挫折し苦悩する姿は確かに苦しい。だが、そこで主人公の苦悩に共感できなければ、その後の復帰の感動が薄くなる。だというのにハイライトのように負けたレースは過ぎ去る。その苦悩中の期間が長く続くはずであるのに、それに対する周囲のフォローという描写もない。隠し通すにも限度がある、周囲の人間関係が希薄と捉えられてもおかしくない。だからこそ、フジキセキがジャンポケを立ち直らせるシーンが「まあそう出てきますよね」位の感動で私は終わってしまった。もっと挫折の展開が深ければフジキセキの勝負服での登場は「待ってました!」と思えたはずだ。
次点、予告編で登場したキャラクター、マンハッタンカフェの存在感だ。
予告編で散々と登場したカフェの存在感は凄まじかった。だが鑑賞後は違和感であった。はっきり言ってしまおう、「いる意味があったのか」だ、申し訳ないがあれではモブだ。そこも使い方としてガッカリとさせられた。菊花賞でさえ前段の「挫折中のジャンポケのワンシーン」として終えられてしまった。一体、ストーリーに対してどれだけ関係していたのか。予告編に登場させるほどであったのか、微妙な心にさせられてしまった。
3点目は、トレーナーとの関係性だ。
今までのトレーナーとウマ娘の関係は、二人三脚と言った強い絆があるイメージを持っていた。今回の映画においては、フジキセキに憧れてトレーナーについた訳だが、ナベさんなりにジャンポケを気にかけている描写があるのだが、ジャンポケからのナベさんへの描写が薄く感じられた。最後まで「フジキセキのトレーナー」である感じがしてしまったのだ。もっとナベさんと絡んでも良かったと思う。そう言った意味で前段の挫折の描写が不足していると感じるのだ。
そして、最後は初回特典の存在だ。初回の鑑賞後、アドマイヤベガ視点のRTTT後日談を読んだ。ただ、感想としては「え、RTTTとここまでやって映画の登場はアレなの?」だ。ここがとてもガッカリさせられた。
ただでさえ鑑賞時、「まあ本編じゃないし、ワンシーンだけの登場になるけど、これじゃタダのヤベーウマ娘やん」とまで感じたのだが、初回特典を読んだ後は、そうですらなくなった。
特典として出しておいて「ふわふわ」だけとはいかがなものかと思ってしまった。せめて、ナリタトップロードがジャンポケに併走する前、トプロとアヤベが並走していて、「あなたはどうぞ」とアヤベが去っていく程度のシーンがあった方が、あの特典が何倍も面白くなるはずだ。
まあそれはそうと浴衣アヤベありがとうございますそこだけで生きていけます。見たすぎて8回も見たぞ。こんなん初めてや。みんな絶対見ろよ。動くアヤベの浴衣やぞ。絶対見ろよ。
ここまでダラダラと書いたが、別に「つまらなかった」訳ではないのだ。爽快な部分や熱い部分もある。ただ、やはり王道な話であるならば、きちんと掘り起こしてほしい部分が私にはあり、この位もしくは掘り起こしてTV4期として放送しても良かったのでは?と感じられたというだけだ。
繰り返すが、評価とかいいから動く浴衣のアヤベを観に行くんだ、いいね?
ゲームアニメは知らない
映像が良かったのになぜ星3.5にしたのか
煽り構文で感情的に、過激に、低評価の感想や多方面を誹謗中傷している方のレビューが散見されて、
「なんだかなぁ」と思ったので、可能な限り理性的にレビューをいたします。
最初に言わせていただきたい。
別に低評価のレビューは騙そうしているわけではないし、
必ずしも「低評価レビュアー=読解力のない人間」でもない。
自分の好きな作品を少しでも悪く言うやつは全員間違い! 敵! と、
他者を攻撃するようなあまりに過激な発言は、
却ってこの作品の品位を著しく損なうので勘弁していただきたいです。
好きなら、ただ好きって書けばいいんです。ここは煽りあい上等の掲示板ではないのです。
映画の感想を共有する場なのです。
初めに自分の立場を明確にすると、現役のプレイヤーで、アニメ1、2期、RTTT視聴済みです。ウマ娘、大好きです!(3期だけまだ見れてなくてすみません…)
その前提のもとでこの映画の一言の感想を書くと、
「映像作品としては面白かったけど、脚本はイマイチだったよね」です。
映像は文句なく100点だと思います。背景の美しさ、レース中のカメラワークなど。程度を超えたギャグ演出は個人的には微妙でしたが、全体を通して、アニメ映画の中でもトップレベルだと思います。
新海誠や宮崎駿の作るような「世界の美しさ」を映像として描いた、素晴らしい作品だったと思います。
その上で、なぜ高評価とは言い難い評価なのか。これは前述のとおり、脚本が40点くらいしかないからです。
そしてその最たる理由は、
「レースシーンなどの山場が多すぎて、どのシーンが視聴者にとって大事なのかが非常に分かりにくい」
これです。ちなみにこれは、
「史実をもとにしているのでお話が作りにくい」
「映画だから尺が限られている」
「ソシャゲが元で色々なウマを出さなければならない」
など、映画製作においてウマ娘が不利な点に目を瞑ったうえでの話となります。
起承転結でも序破急でもどちらでもよいですが、映画には構成があります。
そしてそれは、「映像のメリハリ」という点でも同様です。
そういった視点でみたときに、この映画を両手放しで褒められるかというと、私は難しいと思います。何故か。
皐月賞、日本ダービー、ジャパンカップ。
どのレースも、個々に見れば圧巻です。最高です。
手に汗握るレースシーン、ド派手なカメラワーク、気迫迫るウマ娘たちの形相。
そう、どのシーンも「良すぎた」。これが脚本最大の失敗です。
どのレースも凄すぎたせいで、映画全体で映像にメリハリがなかった。だから、どのレースの印象も希薄になります。
どのレースがよかった? という質問に、
「日本ダービーだよね。」
「私は皐月賞だった。」
「俺は日本ダービーのジャンポケが印象的過ぎた。」
なんて、間違ってもなってはいけないんです。
お話のクライマックスは絶対に日本ダービーで、一番の盛り上がりはここで、そこに向かって盛り上がっていかなくてはいけない。同じような山場が複数あっては、絶対にならないんです。
ジャンポケが自分の幻影を打ち破った程度では、映像単体で見ても、他のレースに全然勝てていないんです。(なんなら皐月賞のほうがよっぽどド派手で印象的なシーンだった)
ちなみに今はレースの話をしましたが、お話もそうです。
タキオンの引退シーンとジャンポケの最後の幻影を破るシーンが同じような気合の入れ方(おそらくどちらも全力)で描かれているので、どっちも大事なんだと思うのですが、ジャンポケの最後のシーンが霞んでしまっています。
分かりやすく、名探偵コナンの映画で例を出します。
コナンの映画では、序盤で事件が起こり、小さないざこざやアクシデントを経て、最後に序盤の事件を解決します。
それが、序盤中盤終盤で、それぞれ同じくらいの事件が発生し解決していたらどうでしょうか。
とてもじゃないですが、両手放しで面白い作品だとは言えないと思います。
この映画は、残念ながらそういった構成になってしまっています。
レースシーンは見ごたえがあり面白いです、ですが同じようなレースのシーンを3度も4度も見せられたら、飽きるし疲れます。
それはお前だけと批判されてもかまいませんが、少なくとも面白いとされる映画はそういった構成にはなっていません。
事実、この映画は公開から24日で10億と好成績を収めていますが、IPや映像のクオリティの高さから考えると少なすぎます。もちろん説明不足やキャラクターの扱いの雑さもあるかとは思いますが、それにしても少なすぎるんです。この映像のクオリティなら、もっと売れていていい。
こういったわかりやすい理由から、私は星3.5を押しました。
脚本周りが怪しかったので、次の映像化の際には、この点が克服された作品だと嬉しいです。
(長文注意)2回観に行きましたが、期待外れでさめました。
TVアニメ1期でファンになり、それがきっかけで競馬の現地観戦も嗜むようになり、先日に欧州アイルランドを旅行してそこでのGⅢ競走も観に行くほどに至ります。
アニメ版は全て一周はしています。
私個人としましては、残念ながら全体として及第点ではないと感じられました。
「ウマ娘シリーズ初の劇場版作品」として物足りない箇所が多く、悪い意味で既存の一部ファン向けになってしまっておりました。
・説明不足が過ぎる。
本作品では、ウマ娘達によるレース、その学生リーグであるトゥインクルシリーズ、養成機関のトレセン学園の他、レースの上位入着選手によるウイニングライブの存在、そして彼女達の指導者であるトレーナー職について丁寧な説明が皆無でした。
劇場版である本作品は元々一定の視聴者層に限定したOVAや配信アニメではありませんし、地上波の民放でも大体的にCMを流しておいてこれでは新規ファン開拓の機能が果たしません。
作中で登場するレースについても、ただでっかく会場やコース距離などのテキストを出すのはお粗末です。
特に日本ダービーとジャパンカップは、実際の競馬競走として我が国でも格式の高い歴史ある存在です。
コースの形態や試合展開の傾向についても簡潔な概要でもいいので、トレーナー職やスタート前の実況に説明をさせるべきでした。
TVアニメ版で共に東条ハナトレーナーが率いるチームリギル所属であったフジキセキとテイエムオペラオーが本作品ではそうではなかったため、これまでのアニメ版とは異なるパラレルワールドの話である事が観に行ってから確実に判明しました。
フジの担当だというタナベトレーナーの存在が公式メディアに発表された時点でなんとなく「そうだろうな」とは思ってはいましたが、開発とリリースが難航していたアプリ版に先駆けて放送されたTVアニメ版第1期は全体として高評価を受けてアプリ版ユーザーとなるファン獲得に大貢献したとされており、そのオールドファンへの配慮として公開前の案内で大体的に説明して欲しかったです。
これまでのアニメ版ではトレーナーの執務室やチームの部室は校内にあり、練習場も校内にきちんと整備されたものを使用しています。
本作品でタナベTの執務室兼チームの部室がなぜ多摩川の河川敷にある木造のボロ小屋で、なぜか河川敷の草むらに設けられた練習コースもなぜよく使っているのかについてもスルーされていました。
本作でも駿川たづな役の方によるナレーションが序盤のみにありましたが、その内容は作中世界での神話の一つのようなものでふわふわしたものです。
その後もたづな役としての出演はありませんでしたので、どうせなら
「この世界には「ウマ娘」と呼ばれる女性の人達がいます」
↓
「その人達の身体能力に特化した芝やダートコースのレースがあり、「トゥインクルシリーズ」という中高生リーグがあります」
↓
「トゥインクルシリーズではレースだけでなく、ウイニングライブも重視されます」
↓
「そんなウマ娘達を指導するトレーナーという職種があり、彼らの多くは親・兄・姉のような感情をもって、教え子と一緒にレース活動に臨んでいます」
↓
「東京都府中市にはこの学生リーグの選手養成期間である通称トレセン学園があり、今日も生徒とトレーナー達が切磋琢磨をしております」
……というような語りでの導入部があって良かったと考えます。
中盤の集団夏合宿につきましては、実際の国内競馬事情に合わせて芝のGⅠレースのない時期に行われている、という設定の描写がなく、他の方のレビューで「ウマ娘を知らない同行の友人が「唐突に始まってついていけなかった」」などの意見も見受けられました。
・主要キャラの掘り下げが浅いorない。
アプリゲーム版で育成未実装であったジャングルポケットを主役をするのであれば、彼女のパーソナリティの根幹となる幼少期や家庭の話などのバックグラウンドに触れるべきでした。
なぜTVアニメと配信版のRTTTでもやってきた流れを踏襲しなかったのかが疑問です。
またポッケがお守りのように持っていた水晶のようなアイテムについて一歳触れられなかったのは、創作全般としても論外です。
今作でポッケと共にメインキャラとしてパンフ絵などに描かれたアグネスタキオン、マンハッタンカフェ、ダンツフレームについても物足りなませんでした。
ポッケの因縁の好敵手となったタキオンについてはある程度の出番や見せ場はありましたが、アプリ版で僅かながら言及されていた家庭環境やサイエンティスト気質については触れられていません。
カフェにつきましては、タキオンの皐月賞、ポッケのダービーと共に菊花賞でクラシック三冠を仲良く分け合った大功績者のはずなのに、本作で菊花賞の栄冠はあっけなくダイジェストとして流されたため何の余韻もございませんでした。
「おともだち」というイマジナリーフレンズ?の存在についてもスルーされており、ポッケとは決して仲違いはしていないが特に友情を思わせるようなやり取りもありません。
ダンツに至ってはアプリで育成未実装のためポッケと同じく丁寧に紹介されるべきであったのに、結局ウマ娘としてどのようなパーソナリティとアビリティの子なのかがわからずじまいでした。
・フジキセキの扱い方のズレ。
フォーカスがされた内容の時間と内容の密度的にも、本作品の事実上の準主人公はフジです。
パンフ絵でも最後のライブシーンでもポッケの隣にいるべき立ち位置でした。
私個人としてもフジはお気に入りのウマ娘の一人であるので、本作品である程度以上の尺が割り当てられた事自体は良かったです。
ですが、TVアニメ版やアプリ版とは異なるパラレルワールドかつモデル馬の史実準拠とはいえ、大怪我でクラシック路線を離脱した事にはやるせない気持ちでいっぱいでした。
幸いにも引退まではしていなかった事と戦力自体は失っていなかった事が救いではありました。
フジは公式設定で有名舞台女優の母を持つ元子役であるので、他のウマ娘達と比べてもエンターテイナーとしての意識が人一倍高く、よく手品を披露するのもその現れです。
また学生寮の一つである栗東寮の監督生たる寮長も務めており、世話好きで特に下級生からの人望も厚いです。
これまでのアニメ版では上記の要素が描写されており、本作品でも上手く反映させて学園生活自体は問題なく送っている事を強調して欲しかったです。
また人知れずにリハビリに取り組んだり、小さなレースには出走していたりする様子などに触れる描写があっても良かったと考えます。
・引き立て役にされた実装ウマ娘へのケアの無さ
本作品ではポッケのモデル馬のキャリアに合わせて、ナリタトップロードやメイショウドトウ、そしてテイエムオペラオーなどの育成実装ウマ娘が対戦相手として登場しました。
ですがレース後に前向きにリベンジを誓う様子やそれぞれのトレーナーからの労いを受ける場面はありませんでした。
特にオペラオーに関しては、モデル馬のキャリアとしては自分の時代の引導を渡された敗北ともされているほどなので、アニメ版でのハナに代わるトレーナーを登場させて心のケアをしてあげて欲しかったです。
・ストーリーのテンポが悪い
特にダービーからジャパンCまでの夏合宿を中心とした期間についてが非常に停滞しており、「チケット代返せ」と言いたくなるようなレベルでした。
大目標であったあのダービーを優勝したにもかかわらず、タナベTの心のケアも結果として無駄になってしまったとも言えるようなポッケの独りよがりな葛藤をダラダラと見せつけられるのは苦痛でした。
代替案のアイデアを出せるのであれば、育成未実装のダンツやクラシック三冠の最終戦である菊花賞を制するカフェのバックグラウンドにフォーカスをし、ジャパンCを控えるポッケにとっては前向きな「気づき」のための時間に充てた方が良かったのではないでしょうか。
・トレーナーの存在意義。
ウマ娘の活躍はトレーナーの適切なサポート無くしては成立しません。
そしてプレーヤーがトレーナーとなって担当ウマ娘と二人三脚でトゥインクルシリーズに挑戦し、モデル馬が成し得なかった記録も達成する事ができるのも、このシリーズで中核となるアプリゲーム版の醍醐味です。
そしてこれまでのアニメ版でも沖野Tや沖田トレーナーなどオリジナルのトレーナー達が登場し、地道なレースや対戦相手の分析、時には風変わりなトレーニングメニューの編成、そして教え子達への労いや心のケアなどが、丁寧に描かれています。
本作品のタナベTは、大ベテランだからこその重みのある言葉でポッケ達と接していたのは非常に良かったです。
しかしながら、作中での役回りは傷心の主人公を労る父親や祖父のような印象にとどまり、沖野Tや沖田Tのような具体的なトレーニング指導等は描かれませんでした。
何故カタカナ表記なのか?、トレーナとして今までどのような成績を残しているのか?、そして過去の回想シーンに登場した彼の師匠と思われる人物は一体何者なのか?
とにかく謎が謎のままで終わってスッキリしませんでした。
また先述に触れたオペラオー達のトレーナーだけでなく、タキオンやカフェ、ダンツ達のトレーナーも出して欲しかったです。
特にタキオンに関しては、これまでのシリーズ作品とは異なって自己中心的で不遜な言動が非常に目立っており、ポッケやカフェ達に愛想を尽かされた直後に研究室の外から聞こえてきたモブのトレーナーとその教え子達のやりとりを茫然としながら聴いていたかのような姿には、ただただやるせなさを感じられました。
問題のある態度を注意したり、故障後の本人の意思を尊重しながら見守ったり、復帰の決意を後押しをしたりするような指導者がいても良かったと思います。
またカフェとダンツについては、中盤以降ポッケ達と共にタナベTの指導を受けていたので、同じチームなのかどうかをはっきりとさせるべきでした。
・なおざりにされたウイニングライブ。
ウイニングライブはウマ娘コンテンツにおいてレースと同等の重要要素です。
アプリゲーム版でも、その存在意義について取り上げた育成シナリオが実装されています。
コンパクトにまとめてでも、TVアニメ版のようにその華やかさや練習風景も丁寧に言及して欲しかったです。
・作画崩壊。
TVアニメ版までの表情の温かみと安定感のある作画が好きなので、ポッケのアメーバー化や、8、90年代のギャグ漫画のような変顔、レース中の目ん玉が飛び出るのではないかレベルのエッジの効き過ぎた作画は自分の肌には合いませんでした。
・音楽編成のズレ。
OPにはフェンではない一般層にも比較的知られている『うまぴょい伝説』を、EDに今作の主題歌を充てて締めるべきでした。
うまぴょい伝説は良くも悪くも結局は「電波ソング」で、今作では出番の少なかったウマ娘役の方々も集めた大合唱型式でした。
2時間近くも拘束されてのこのエンディングでさらに興ざめになりました。
・キャラクター作品としての物足りなさ。
ウマ娘シリーズは、とにかく多くのウマ娘を実装してそれぞれのファンを獲得しているスタイルです。
最初のアニメから6年、アプリ版リリースからは3年も経ちますので、少なくとも本作品の制作時点で実装されたウマ娘を全員何かしらの形で登場させるご配慮ぐらいはあっても良かったと思います。
セリフについても、もちろん声優さん方のご事情で新規収録ができなかったにしても、可能であればこれまでの作品の録音音声での参加という方法もあったのではないでしょうか。
また背景が暗幕のままであったEDロールで、これまでに実装されたウマ娘の姿と名前をワンシーンでもいいので全員分載せて流した方が良かったです。
そもそも論になってしまうのですが、TVアニメ版のように特定の一陣営のみを中心とするのではなく、第1期のOVA『BNW』とRTTTのように複数の陣営にも焦点を当ててサブのキャラクターも多く出しやすい群像劇にした方が、多くのファンの印象も良かったと思います。
以上です。
作画が好みじゃなくて乗り気じゃなかったけど
良かったけど...
全224件中、21~40件目を表示





