劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」のレビュー・感想・評価
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違和感のある微妙なシナリオ(←単純に好みではなかった)
自分も競馬は疎いのですが、アニメシリーズでは個人的には1期・2期は高評価で、推しはスズカとマックイーンです。勿論他の娘たちも皆カワイイので、ヒトリダケナンテエラベナイヨー!状態なのは貴兄各位と同じだと思います。 で、満を持したアニメ前作3期は、ご存知サブちゃんの愛馬・キターン&ダイヤちゃんフィーチャー、コレが何だか妙に淡白なシナリオで、この後から僅かに微妙な空気となり‥‥ で、本作は初の劇場版と言う訳で、ワリと期待値高めだったせいか予想からハズレる内容。特にギャグ演出と作画が好みではなく、音響効果も微妙でゲートの音がチャチかったり娘脚の走音や観客の歓声の盛りが薄かったり。実況の暴走演出、ゴール目前の複雑なカット割りや変形アングル、俯瞰から寄りのCG違和感など。そしてやはりシナリオが‥‥ これまでのウマ娘の世界観こそ踏襲してますが、作風?質感?が微妙に映りました。 違和感といえば、マッドサイエンティスト・タキオンがイメージと結構違ってた(御堂筋クン風味)のと、橋の下のバラック小屋や河川敷のコース?は良く解りません。前者はゲームの公式設定から少しズレた印象を受け、後者は『穏やかな丹下段平(南部贋作)』+『チーム番外地』を想像してしまうのが微妙でした。てかゲームにそんな設定があるのでしょうか?(ゲームは未プレイ) 食い違いは過去アニメの本編でも散見されましたが、ストーリーに影響なかったので放置できるもの。ただ今回はサスガに気になってしまいました。でも上記はキービジュアルを注意深く見てたら気が付きそうなことでして‥‥ 展開も中盤で(レースの)最大山頂があり、この直後の間延び感は映画館の椅子で腰が痛くなるレベル。構成が前半のポッケの七転八倒と、後半のタキオンを襲う苦悩かもですが、後者のソレが薄味でイメージとも違い、全体のバランスを欠いた感じです。 一方タナベトレーナーの中の人は大御所でウチの親と同い年w。まだ第一線で声が聞けるのは有り難い事ですが‥‥ 良かった所は、レースシーンや娘たちが大画面で観られたことに尽きまして、今後もその他の人気娘がストーリー映像としてファンを沸かせてくれる期待感も高いことでしょうか。 と言う訳で、個人的にあまり好みのストーリーではなかったのが一番のマイナスと言った所です。よって個人の印象でしかないので、高評価に異を唱える気は毛頭ないので悪しからずという事で‥‥。そう言えば今頃気づきましたが、ポッケって手をグーにした状態で走ってますよね、アレあまり深い意味はないのかな?
単調
ケレン味の強い表現を多用しているが、キャラの内面的な描写ができておらず、必要性を感じることができなかった(唐突に感じたり、ただやりたかっただけの思いつき、あるいは制作者の自己満足だと感じた)。意味のない演出(切り取れば、かっこいいので表現サンプルとしては良いかも。ただ、それにしても手本となる既存作品が多くあるので、独自性は感じない)。 結果、単調な展開、作画や撮影コストは上がり一見派手で豪華だが、飽きてくる。このキャラはなぜそういった行動や発言をするのかと伝わってくる場面がないので、映画としての脚本、演出は満足できなかった。もっとこの映画におけるジャングルポケットというキャラのことを知りたかった。結果として同人的なファンサービスな内容になっており、もっと良いドラマが作れたのでは、、、?と思ってしまったので残念。勝ちたい理由(各キャラにおける勝ちたいという強い気持ちを抱き続ける背景)を丁寧に描いて欲しい(本能とかじゃなくて。。。、)
芝居がかるテイエムオペラオーが1番好き
前回の映画でテイエムオペラオーが1番好きな『ウマ娘』だと実感した。
しかし今回のジャングルポケットも凄く良かった。
レースが1回、またリベンジの2回しかないような話はよくあるが、ウマ娘は何回もレースがあって葛藤したり悩んだりするのに話がスムーズで尺稼ぎがないように感じる、むしろ時間が足りないのを上手く映画に収めていて1つ1つのレースを一緒になって応援していた!
ジャングルポケット!凄く良かった!
最高のレースだった!
1つ1つのレースが丁寧に作られていて、わかりやすくて感動しました!
【アグネスタキオン】
強さを魅せつけて事実上、引退した事でジャングルポケットに完全に敗北を認めさせてしまった事で、どんなウマ娘に勝っても2位というトラウマを植え付けてしまった。最強になりたいのに最強に絶対になれないのだから。
【フジキセキ】
後輩のジャングルポケットの為に走る姿に感動した。だってフジキセキの走りに魅せられたジャングルポケットが、もう1度!熱さを取り戻すシーンだから。
【最後に】
ワタクシごとだが、どうしても気になるので徹夜あけで見に行った。デッド後編とウマ娘、観て良かったと本当に思う。
ただ、やはり多少、頭が回らない感じがある。この後、仕事。もってくれよ俺のカラダ
アグネスタキオンの神々しい後ろ姿
ウマ娘初体験。みんながハマるのがわかった気がする。 レースシーンがど迫力。クラウチングスタイルを保ったまま突っ走るカッコよさ。中継ビューから、ウマ娘視点に切り替わると、時速70キロの攻防が目に飛び込んでくる。 アグネスタキオンの神々しい後ろ姿にとろけてしまいそう。
知識ゼロでもスポ根好きならハマる
ゲームはやったことがないし、テレビアニメも観たことがなかったが、予告が面白そうだったので劇場へ 大体のストーリーは予告から想像できる通りだがそれが良いところ 感情移入して観やすく、それでいて飽きないようなストーリー 過去作や競走馬の知識があった方が楽しめるかもしれないが、無くてもアツい展開と力の入る描写で引き込んでくれる 逆にスポ根ノリが苦手な人を誘っていくのはお勧めしない
競馬を知らない人には厳しいかもしれない
ゲームから始まってとうとう映画化。
日本のみならず、海外でも上映されるとのこと。
凄いことになってるね。
私は競馬も好きでかなり詳しいが、ウマ娘はゲームもしてないし、アニメも見てない。
今回はあくまで映画好きとして劇場へ行ってみた。
わかってはいたが、レース中の演出はド派手。
人間の競技ならレース後にコーチなどが駆け寄って抱き合ったり、負けた選手が勝者を賛えたりするが、そうしたシーンがないのはリアルの競馬を意識してるんだろうな。
ストーリーとしては、圧倒的に強いライバルがいて、主人公がそのライバルを倒すために努力を重ね、いざ、決戦。ってところで相手がリタイアしてしまい主人公が勝利を手にする。
という、まぁ、言っちゃえば『ライバル(カ石)を強くしすぎちゃって、主人公(ジョー)がどう頑張っても勝てない』ってパターンでたまに使われる禁じ手。(ネタが古くてスマン)
普通なら『チープなご都合主義』と言われかねない展開だが、競馬界で実際に起こった事実が下地になってるからね。
競馬ファンなら誰でも知っているような『ドラマ的鉄板エピソード』を題材にすれば一般でも受けるのは当たり前。
ホントに上手く考えたよな。
もう少し、萌的な要素が強いんじゃないかと思っていたが、アツい(むしろ暑苦しい?)キャラばかりだった。
競馬やゲームをやったことがない人でも、単純にアニメ映画として楽しめるとは思うが、競馬を知っている人の方がより楽しめるだろうね。
競馬やゲームをやったことのない人が観に行くなら、馬の名前やレース名くらいは先に頭に入れておいた方が良いかもしれない。
後半部分とか競馬ファンとしては違和感を覚えたところもあったが、映画サイトなので敢えてそこはスルーしたいと思います。
期待を優に超える作品
思っていた以上にタキオン⇔ポッケの関係性が色濃く描かれていました。まさに常にクライマックス。だいたいレース7:日常3くらいのペース。 個人的にはタキオンに唯一ハイライトが入るシーンが最高に残酷で心にきました。
スタン・リー(声:阿笠博士)
あ、え、なんで、え? この前あってた総集編の面白さは何処へ?1週間前に見たあれは、手に汗握るほど興奮して、応援上映して欲しいほど盛り上がったのに、どうしてなの?? 今んところ概ね評判良いから、自分がかなりズレているのかもしれない。ゲームやったこと無ければ、競馬も無知なので、感覚が全くもって違うのかもしれない。だけど、これだけは言える。総集編の方が何百倍も面白くて、楽しくて、完成度が高かった、、、。 これ見ると、総集編が出来すぎていたのかもしれない、とも思えてきた。確かに、アニメの良いとこ取りをしていると言える作品だから、ウマ娘の魅力がギュッと詰まっていたのだろう。映画という、時間の制約が厳しい中での制作はまた違った作り込みが必要になるのは重々承知。それでも、今回はストーリーが弱い。 あの作品が胸アツになったのは、レースシーンだけじゃない。頂点を目指す、ナリタトップロードのリアルな葛藤と苦しみをしっかりと描き、ウマ娘だけでなく、〈競馬〉そのものの面白さがひしひしと伝わってきたから。だけど、本作ではそんな深さが感じられなかった。作画は超パワーアップしているし、キャラも最高だった。上坂すみれが声を当てたアグネスタキオンには惚れ惚れ。だからこそ、非常に悔やまれる。もっと、違う視点からドラマを見せつけ、ウマ娘という作品が持つ力を発揮できなかったのかと。なんで、2キャラにしかスポットを当てることが出来なかったのかと。
RTTTを超え、2期に並ぶ名作
アニメシリーズ1~3期、RTTT視聴済み。 迫力満点のレース描写の暴力。 序盤の゙フジキセキで一気に持ってかれます。 以降のレースシーンの゙数々も、迫力だけでなく各キャラの内面シーンの゙挿入、作画タッチを細かく変えることで心揺さぶられる素晴らしい出来だった。 また、ダイジェストシーンを上手く活用している。作品自体のテンポアップに繋がっている他、コアファン向けの゙サービスシーンにもなっており、一石二鳥の工夫だと感じた。 ぜひ劇場でご鑑賞を!! p.s.隣の人はダービーで泣いてた。俺は皐月賞で泣いた。
こんなスポ根が見たかった
まずレースシーンの作画や音響による迫力がとんでもない。ただ走ってるだけと侮れないほど演出が多彩でかっこよく見ていて全く飽きないです。ただ前作と比較すると戦術面とか技術面とかの描写が少ないかもとは感じました。全くないわけでもないし今作の作風や主役の性格に合わせて意図的にそうしているのかなとも考えられるし個人的にはアリだと思いますが賛否ありそう。 ネタバレしない範疇で内容を語るとジャングルポケットとフジキセキとアグネスタキオンの関係性がとにかく魅力的。単純な人間関係というだけではなく「ウマ娘」という種族ならではの在り方、価値観、本能が全面に出た特殊な関係性でもあります。だからといって理解できないかと言われればそんなことはないんですよね。むしろ彼女たちの感じているものに引き込まれるような不思議な感覚を味わえました。 あとはいろんなウマ娘がちょくちょく映り込むのでファンの方なら何度も見て自分の好きなキャラがいるか探してみるのも良さそうですね。また前作でかなり過酷な運命と戦っていたアドマイヤベガが今作でかなりはっちゃけてそれを軽く流すカレンチャンの関係には感慨深いものがありました。 そしてちょくちょく薄いとか言われてるダンツフレームの人物像。これ個人的には凄く良いと思ってます。ネタバレになりそうなんでぼかしますが「誰よりも純粋にウマ娘である」のがダンツ最大の魅力だと思います。 マンハッタンカフェ等の扱いがあまり良くなかったりすることや一部速足すぎる展開もあるなど不満もありますが、それを覆すほどに独特な世界観に引き込まれ視聴後には思わず走りたくなるほどの熱さがある作品です。
掴みが抜群
出だしのワクワク感はとても素晴らしかった それぞれのレースへの想いが伝わってくるのも良いし、小ネタも随所に散りばめられていて飽きさせない演出 欲を言えば中盤以降のレース描写が似通っていていたので少しだけ中だるみを感じました 実在の競走馬をモチーフにしたメディアミックス作品なので史実を知っているかアプリをやっているとより楽しめると思います
良かった点と良くなかった点
良かった点
・ウマ娘の劇場版は時間的に収めるのが絶対に無理だと思っていたが、やや足りないところもあったものの一応収めることが出来ていた点
良くなかった点
・良い点に書いた時間的縛りがあった為、主人公や各キャラクターの過去や背景があまり描けなくて感情移入出来ずそこが残念な点
・不要な抽象的な表現があった点
・3期で使われてたりRTTTで好評だったオーバーアクションに頼りがちになり迫力で押しすぎたのはドラマ性に欠け個人的にはあまり良いとは思わなかった点
既にウマ娘、競馬をある程度知っていることが前提なストーリー
東京2400に強いジャングルポケットの活躍を中心に描かれるストーリー。
自分が感じた良い点
・レースシーンの迫力
・実在の調教師の先生と馬主さんを意識したトレーナー
・エンディングのうまぴょい
自分が感じたイマイチな点
※特にこれからウマ娘や競馬に興味を持ってもらうという視点から
・クラシック3冠のそれぞれのコースや適正をほとんど説明しておらず(特にメインの皐月賞、ダービー、ジャパンカップ)、そのためダービーで勝つことの栄誉や難しさが伝わりにくいような印象。レース前に各レース場を上から映して「G1中山芝2000m皐月賞」みたいなテロップが出るだけ。このコースの勝負どころがどこか?いつ仕掛けるか?などのシーンはないのが残念。
・同じく各ウマ娘の脚質や戦法にほとんど言及しておらず、レースシーンの位置取りやペースの駆け引きはほぼなく、気合で勝つ!!みたいな雰囲気で勝つ。そのため“ジャングルポケットはいかにして自分の戦い方を見つけたか?”が根性や志半ばで引退したアグネスタキオンの幻影を追うという精神論のみに集約されてしまっている。裏を返すとアグネスタキオンの強さもぼんやりしており(それは永遠の謎かもしれないが)、もうちょっと深堀りしてほしかった。レースセンス、脚質、スピードの乗りなど。
ファン必見!ようこそウマ娘沼へ!
1.はじめに
2.良かった点
3.気になった点
4.最後に
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1.はじめに
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Cygamesのアプリゲームであり、TVアニメ2期で大成功を収めた「ウマ娘」。俗に言う擬人化系作品であり、本作はタイトル通り競走馬×美少女を組み合わせ、競馬の史実に準拠しつつ要所要所でオリジナルのストーリーを織り込んだドラマチックなシナリオが高い評価を得ている作品だ。
今回の映画はウマ娘「ジャングルポケット」を中心に2001年の競馬をモチーフにしている。
・2000年に年間無敗を達成し、2001年のジャパンカップで戦ったテイエムオペラオー
・同期の皐月賞ウマ娘アグネスタキオン・菊花賞ウマ娘マンハッタンカフェ・ダービーで鎬を削ったダンツーフレーム
・史実で同じ渡辺栄調教師の管理馬だったフジキセキ
これらの面々を中心にストーリーが展開される。
タイトルを読んで貰えればわかる通り、私はこの作品を視聴しとても感動した。本当に素晴らしい作品である。その理由をいくつかの観点から書いていく。
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2.良かった点
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①競馬へのリスペクト
私はウマ娘を知る前から競馬が好きである。
そんな私から見てもこの作品は競馬へのリスペクトを強く感じる。
例えばジャングルポケットのトレーナーを務める「たなべ」という人物、これは渡辺調教師からきていることがはっきりわかる。実際の名前は使わず、上手く作品にそれとわかるように組み込む工夫が素晴らしい。
また、描かれる一つ一つのレースは展開がそっくりそのまま史実のレース展開である。誰がいつどのように前の馬を抜いたのか、その時実際の実況はどんな言葉を使ったのか、そういった感動の場面をアニメーションで完全に再現している。
特に私が驚いたのが最初の方に描かれるテイエムオペラオーの有馬記念だ。このレース映像にはキングヘイローがしっかりと映っている。
キングヘイローは確かにこの有馬記念に出走し4着になっている。しかしアニメの中で実況はキングヘイローの名前を呼ばないのである。極端な話、別に描かなくても今回の映画の展開には全く影響しない。それにも関わらずレースを忠実に描くためにキングヘイローをはっきりと描いたのである。
「可能な範囲で史実に忠実」、これを徹底している(のは一人の競馬ファンとしてとても好印象であった。
②キャラクターへの愛
各キャラクターの個性をしっかりと活かせていた。
例えばアグネスタキオンというキャラクターは所謂「マッドサイエンティスト」なのだが、作画と相まってかなりの狂気を感じた。正直凄すぎて背筋がゾクゾクするほどだった。
また主要なキャラクターはもちろん、おまけで登場するキャラクター達も特徴を意識して描かれている。
カレンチャンは「インフルエンサー」として写真を撮る場面が、ハルウララは「天真爛漫」でおっちょこちょいな場面が、オグリキャップは合宿所の米を残らず平らげてしまう「食いしん坊」な場面が…といった具合にそのキャラクターらしさが随所で描かれている。
ヲタクという生き物は推しがちょっとでも出てきていれば嬉しい気持ちになるものだ。そこをキチンと理解していることが嬉しかった。ライスちゃんとっても可愛かった。本当にありがとうございます。
③ストーリー展開
史実が既にネタバレなのだが、今回のシナリオを端的に表現すれば「最強を目指していた主人公が苦難を乗り越えて本当の最強を目指す」という内容である。
苦難を乗り越えて強くなるという非常に単純明快なスポ根、そこに史実とオリジナル要素を組み合わせて非常に熱くなるストーリーに仕上げている。
とてつもなく大きな壁、先輩からの激励、仲間やライバルとの絆…とてもわかりやすく、だからこそ誰でも胸に刺さる内容になっているのだ。
今回は一応ジャングルポケットが主人公となってはいるが、レースに出る全員が主人公であるという各キャラクターへのリスペクトも感じられた。各キャラクターはもちろんだが「競馬」そのものが面白いと思わせるような内容にしているのは胸が熱くなった。
④作画と音楽
とにかく作画がエグい、これに尽きる。
単純に可愛いだけではない。レースの時の真剣な表情、狂気じみた笑み、本当に悔しい時の涙…圧倒的な表現力で見ている我々の心に訴えかけてくる。
(なので単純な萌えを求めてきた人は「なんか思ってたより暑苦しい」となってしまうかもしれない…)
ネタバレはもう史実でされているのだが、それを知っていてもつい「いけ…!いけ…!!」となってしまうほど鬼気迫るレースシーンは必見である。
またその作画を引き立たせるような音楽もまた素晴らしい。特にEDの「うまぴょい伝説」、やはりEDはこれ以外ありえない。なんであの歌詞と曲調で感動してしまうのかわけがわからないが何故か泣けてしまう。これは私の脳がやられているのだろうか。
⑤アグネスタキオンの存在
最初に「本作はジャングルポケットを中心に〜」と書いたが早速訂正する。あれは半分嘘だ。
本作の中心は間違いなくジャングルポケットとアグネスタキオンである。おそらく本作のストーリーを考えた人はタキオンに脳を焼かれた人だろう。そう思えるくらい圧倒的な存在感があった。
タキオンは史実ではたった4戦で現役を引退し、その全てに勝利。そしてその4戦で戦った相手が後に大活躍をすることで「それら全てに勝った」という伝説を残した馬である。どのくらい伝説かというとCMになるくらい伝説である。「その馬の名は…」のフレーズで知った人もいるかもしれない。
本作でも史実同様、登場人物は軒並み「タキオンに負けた」という現実と向き合うことになる。常に付き纏うタキオンという存在が彼女達を時に突き動かし、時に立ち止まらせ、時に奮い立たせるのである。ジャングルポケットは特に顕著であるが、すべての人物に影響を与えたという意味ではタキオンこそ、このストーリーの中心と言っても過言ではない。
そしてそれらの乱高下が高クオリティな映像と音楽で我々の脳に流し込まれるのである。当然我々視聴者の脳もタキオンに焼かれることになる。
…のだが、クライマックスでそのタキオンの脳を低温加熱からの超強火で焼くのがジャングルポケットなのである。ジャングルポケットが主人公である所以はまさにここだろう。視聴者の脳を2方向からの超加熱で焼き切っていくCygames、恐ろしい会社である。
と、ここまで良かった点をひたすらに書いたので、次は気になった点についても書いていこうと思う。
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気になった点
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①息をつく暇がない
これは良かったと感じる人もいるかも知れないが、個人的には展開を詰め込み過ぎていたように感じた。
基本的なストーリー展開が「レース→イベント→レース→イベント→レース→…」という単調な流れなことに加えて、描かれているレースの数がとても多い。そこにキャラクターを数多く描いているとなれば必然的にイベントパートの内容はギチギチになる。
10分前と10分後で感情が乱高下するジェットコースターである。内容自体はすごく良かっただけに、もう少し丁寧な説明や描写も欲しかったが…まぁこればっかりは尺の都合がある以上仕方がないのかもしれない。
②目がやられる
これも個人的なものかもしれないが、非常に目が疲れた。凄まじい作画と表現力で展開の早いストーリーを描いているので画面がピカピカと光るシーンが多く、目への負担が大きいように感じた。
これもある意味尺の都合上仕方ないのかもしれないが、観終わったあとは疲れがドッときた。
そういう意味でもこの映画はやはりジェットコースターなのかもしれない。まぁ表現力の代償と言われればそれまでなので、これもやはり好みの問題だろう。
③ウマ娘・競馬を知らない人向けではない
これは気になったというより、気をつけたほうがよいかもしれない点である。
この作品は全体的に競馬とウマ娘への愛と熱意が非常に強い。一人の競馬好きとしても、ヲタクとしても大いに楽しめた。しかしそうでない一般人が視聴した場合、楽しめない部分が多いように感じる。
代表的なのはアドマイヤベガである。
詳細は省くが重い過去を背負っている1999年のダービーウマ娘である。本作での彼女はメインの登場人物ではないが度々その姿が描かれる。
しかしその姿は「夏祭りで綿あめをやたらとプッシュする」「合宿所の布団のフワフワ具合を真顔でレビューする」といった、重たい過去を全く感じさせない珍妙なものなのだ。
もちろんアニメ「ROAD TO THE TOP」を見ていれば「あんなことがあったのに、それを乗り越えて素になれたんだな…」「あのアヤベさんがみんなと一緒にはしゃいでる!」と感動できるのだが、何も知らない人から見たら「フワフワ好きのおもしれぇ女」である。
他にもそういった要素が多数散見され、気になった点①②で書いた部分と合わせて、何も知らない人が何もわからないまま終わってしまいかねない。
劇場版をわざわざ観に来る人は基本的にウマ娘大好きなので大した問題ではないかもしれないが、恋人や友人がウマ娘を知らない場合、置いてけぼりを食らうかもしれない。最低限「TVアニメ2期」と「ROAD TO THE TOP」は視聴しておくことをオススメする。
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最後に
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この映画への私の印象をまとめると「ウマ娘好きを更に沼に叩き落とすファンサービス映画」だろうか。
ジャングルポケットやアグネスタキオンなどの主要人物が好きな人は勿論、多くのファンに刺さるようなリスペクトや趣向が光る作品だ。
その一方、尺の都合でやや駆け足な展開にファンでなければ置き去りにされかねない。ウマ娘のように我々も精一杯走って追いつく必要があるだろう。
…などと散々書いたが、結局は自分の目で見なければ意味がない。気になっている人は是非自らの脚で劇場に行き、その先にある感動を目指してほしい。
迫力でゴリ押してる?
全体的に説明不足だった ポッケのバックボーン ポッケがレースに出る動機 「最強」にこだわる理由 ポッケが特別成長したシーン トレーナーとの絆 キャラ同士の交流 レースで謎のキラキラが出る理由 最後のライブはなぜこの人選?など 史実を予習してから見るべきなのであれば一般人の足は遠のきそうです。 レースの迫力はあるのでそれで感動を呼んでいるのかもしれないですね。しかし、そのレースも最後の方はくどかったですが 熱心なウマ娘ファン以外は2回目を見たいと思う人は少ないと思いました
迫力でゴリ押し
ウマ娘好きには最高の作品。 一方で、演出が多すぎて雑に見えてしまうところが残念だった。例えば画面の切り替えが多く、視点誘導もあっちこっちに移動を強いられるため、映画館のような大きなスクリーンで見ると疲れてしまう。また、マッチカットなども多用されており、見ている側からするとどこが盛り上がりどころなのかが分かりづらくなっていると感じた。 製作陣がやりたい演出を詰め込みました感が否めず、あえてだとは思うが顔の作画崩壊も悪い方向に引っ張られている。 題材がいいだけに、映像表現で評価を下げざるを得ず、星3とした。
オペラオー必要あったか?
物語の終わりはオペラオーと対決するジャパンカップだったが、尺の都合があるからこそダービーまでの内容を濃くして、ポッケの雄叫びで最高潮のクライマックスに持ってきて欲しかった。またレースが多すぎてキラキラの派手な演出も後半は飽きてくる。
ポッケは頻りに「最強」を口にするがなぜ最強に拘るのかが描かれていないし、それがウマ娘の本能だと言ってしまっては共感は得られない。フジキセキとの出会いと彼女に対する強い憧れ、そして弥生賞後の怪我で引退せざるを得なかったこと、フジキセキやトレーナーの夢を自分が叶えるとこを決めてトレセン学園に入学したこと。これらを冒頭から時間を裂いて描いてくれていれば、ポッケの走る動機は明確になったし、ダービーを勝ち取った時の感情の爆発にもより共感できた。なんなら弥生賞ではなく朝日杯から始めてくれれば、華やかなG1の舞台と勝負服でより強い憧れを演出できた。
タキオンの幻影に縛られるのはいいが、これも皐月賞からダービーの間で演出できたはず。タキオンを超えるためのトレーナーとのトレーニングの描写も足りない。バイクに乗って喝をいれてただけで、トレーナーがどう優秀なのかや何をポッケのためにしてやっていたのかわからない。ウマ娘と二人三脚で強くなっている実感がない。
またポッケ対オペラオーの構図を作るために既に連敗中だったはずのオペラオーが無敗の王かのように登場することも気に入らない。(もし2001年の宝塚以降のオペラオーが描かれるのであれば、ピークを過ぎても新時代の波に抗い続ける、泥臭くも気高い覇王の姿が見たかった)
最後のライブも何のライブか分からなかった。RTTTのようなクラシックを分け合った3人のアンコールって訳でもないし、ダンツがなぜ舞台に上がっていたのか謎だった。
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