戦雲(いくさふむ)のレビュー・感想・評価
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堅苦しい作品ではなくて、見やすかった
ちょっと失礼な感想かもしれないけど、沖縄に修学旅行に行くような感じ。
沖縄の過去と今を学べるほかに、家畜や海とともにある人々の暮らしが見れたり、運動会のような迫力あるお祭りの様子を結構長尺で見れたり。
そんな暮らしの中を戦車が通っていったり、自然の中に人工的な施設(の計画)があったり、それに必死の思いで抗う人々の声があったり、、広くいろいろ見ることができる映画でした。
この映画を観る機会があるのに観ない(=無知を貫いて生きる)のは罪なような気がして、重い気持ちで観に行ったけど、海やお祭りのシーンも長めにあって結構観やすかったです。
なし崩し的に基地がつくられる
なんとなく、あらすじを読んで
沖縄の米軍基地問題の内容かと思ったら
沖縄本島のさらに西にある与那国島、石垣島、宮古島に
自衛隊のミサイル基地ができていく2016年あたりから2023年までの様子が描かれている
自衛隊を国防のために島にうけいれる
しかし、そこからなし崩し的に
ミサイル基地、弾薬庫などもできてきた
当然、島の住民は反対運動をする
住民投票までした島のあった
しかし、その努力もむなしく淡々を基地がつくられてくる
初期には自衛隊が島にくることによっての経済効果も期待した人がいるが
結果として経済効果なんてなかったとされる
逆に基地がつくられることによって
人が島からでていったりして人口が減って
過疎化がさらに進むのではないかと感じてしまう
反対運動をする住民の矢面に立たされるのは
何の権限もない自衛隊隊員である
仮にミサイル基地が必要だとしても
このような分断の状況で任務が遂行できると思えない
ハーリーという伝統漁船で自衛隊隊員が参加をして
そこではみんな一緒にやっていた
本人たちもいがみ合いたくはないらしい
だから、結局「今の与党政治家はダメ」に落ち着くのか?
本作は防衛政策の是非を問うわけではない
だから、本作を観ても「ミサイル基地が必要だ」と考える人もいると思う
しかし、説明不足で住民の意志を無視した形でこのようなことをしていいのか
とどうしても感じてしまう
最後で漁師の川田さんが
足を負傷したリベンジを果たすことが救いか
ドキュメンタリー映画だが
ハーリーとかちょっと長々しいと感じたし
「中国が攻めてくるから基地が必要だ」と考える
基地賛成派を覆すほどのロジックはあまりない
住民と話し合うことなく、自衛隊ミサイル部隊や弾薬庫がどんどん建設さ...
住民と話し合うことなく、自衛隊ミサイル部隊や弾薬庫がどんどん建設され、戦争が始まれば、標的になる。島のおだやかな暮らしが脅かされ、沖縄を二度と戦場にしないという人々の声は無視され、一方的に示された全島民避難計画は、住民の暮らしを無視している。
けれども住民はあきらめず、今日も自衛隊員や推進する側に話しかけ、問いかける。
与那国島、宮古島、石垣島、奄美大島、沖縄本島、美しい海と自然、人々の暮らし、古来から外部者に搾取されてきた過酷な歴史もていねいに描かれ、胸にせまる。
沖縄で起きていることは、日本各地に広がりつつある。多くの人に見てほしい。
分断と対話から求められる戦果
与那国島でミサイル配備に反対し、座り込みを続け、自衛隊員に語り続ける。瀕死の状態から助かった子牛が、ミルクを与える人間を親と思い込んでついて回り、親牛との関係が切れてしまった状態もあれば、子山羊は人間の家に上がり込んでしまうけれど、親山羊が縁側から上がらずに呼び続ける。若者も住民投票請求署名運動に取り組んで必要数を上回る署名を提出するけれども、市議会が否決してしまう。市議会議員になって意見書を提出しても、壁は厚いが諦めない。地元民の祭りに自衛隊員親子も溶け込み、地元への受入れも進む一方で、地元民の哀歓も守ってくれるのかどうか。説明会で自衛隊責任者は、沖縄戦の轍は踏まないと誠意ありげな発言もある。水中撮影もついた旗魚漁に挑む漁師が度々失敗し、最後に成功して戦果を誇っていた。分断と対話から、より良い戦果を勝ち得てほしい。
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