劇場公開日 2024年3月16日

戦雲(いくさふむ)のレビュー・感想・評価

全13件を表示

4.0知ることから始めたい

2024年4月30日
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鑑賞方法:映画館

笑える

怖い

知的

日本の最西端に位置する与那国島から始まり、石垣島、宮古島、そして沖縄本島、これらの島が台湾有事、つまり中国の脅威に対抗するため急速な軍事要塞化している現状。そして、対比するように島々の暮らしや祭りの様子を追ったドキュメンタリー。

自衛隊が八重山諸島でミサイル部隊の配備を進めている事は知っていたし、台湾有事を想定した日米共同軍事演習を行った事も知っていたが、あんなに地元で反対運動が起きているとは知らなかった。
三上監督が2015年から8年間にわたり与那国島、石垣島、宮古島、沖縄本島、などをめぐって取材をされたそうで、知らなかったことを教えてもらえた事に敬意を評したい。
今すぐ自分に何かできるか、と言われれば、何も出来ないだろうが、まず現状を知ることから始めたい、と思った。
ウクライナなどを見てると、何もなければ平和、とは思わないが、島の人達が言ってたように、戦争の脅威が迫ってるとも感じた。
第二次世界大戦の沖縄戦で過酷な歴史を経験した人たちの話、豊かな自然と島の人々の暮らし、そして祭りなど、対比させて描いてるのも良かったと思う。
最後に、あの巨大なカジキマグロ、一本いくらで売れたのだろうと興味が有った。
ドクターコトーの時にも思ったが、いつか日本最西端の与那国まで行ってみたい、とまた思った。

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りあの

4.5知らぬ間に

2024年4月24日
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台湾有事の為に南西諸島を守るという大義でミサイル配置 最初は旨いことを言っておきながら、火薬を配置、軍事練習等あれよあれよと言う間に軍事島になってしまっている恐ろしさ 世間では物価高で苦しんでいるというのに、法律を変更するとかいつもと大違いの国の鮮やかな手腕にも驚かされた 多分施設は何十億とかそういう単位だと思う 島の人々が言うようにいざ本番となれば命は無いだろうし、あんなに軍事施設を整備したら却って攻撃の対象になるんじゃないかと そういえば戦争を体験した人が言っていた、あっという間に戦争に突き進んでいったと こと戦争に関しては民意など考慮されないのかと無力感を感じてしまった 南西諸島は災害にも備えるのが喫緊の課題だと思うのだけれども

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ゆう

5.0自分の無知を恥じました。

2024年4月17日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

沖縄の島々に対して、日本政府がこのようなことをしているなんて、知らなかった。
推し活している場合じゃないなと真剣に思った。

家の近所の道路を戦車が走るなんて、想像もできない。
日本はアメリカのいいなりで、市長も、町長も、議員も政府の言いなりで、泣きを見るのは普通の島民の人たち。
民主主義国家ではない、かの国のような島民の意思を踏みにじるあまたの所業。
言葉にならない苦い現実に思わず顔をしかめた。

この映画を観て、主権在民と感じる日本人はひとりもいないだろう。
ウクライナや中東の今は、私たちにとって決して他人事ではない。

20代の息子たちにこの映画を勧めよう。
日本を変えるか、日本を捨てるか、それは彼らに委ねようと思う。

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のりたまちび

5.0分断と対話から求められる戦果

2024年4月17日
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鑑賞方法:映画館

寝られる

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てつ

5.0カジキと闘うおじいちゃん

Mさん
2024年4月16日
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が主役とすれば、鳥取から来た少年が準主役?
ちょっとの出番で全てをもっていきました。
前半をガバッと削って90分程度なら、さらによかった。
(もしも、興味がある方がおられましたら、「いちご白書」のレビューの第一段落(だけ)を読んでいただけたら幸いです(それ以降の内容は本作品とはまったく無関係です))

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M

4.0ヤギの子どもが可愛かった

2024年4月4日
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鑑賞方法:映画館

愛する島の中で慎ましく生活している人達の心を、「国防」という大義名分の元にかき乱していく政府。
ミサイルのない美しい島を守ろうとする大人達の思いが、下の世代に受け継がれていく姿に希望が持てた。

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はなてん

4.0構造的暴力の中を生きる人たち

2024年4月2日
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日本政府は沖縄県民を差別しているつもりはないだろう。ただ米国の東アジア戦略の中で求められる役割を忠実に果たそうとしているだけのように感じられた。

「監視のため」と言って自衛隊を駐屯させ、いつの間にかミサイル基地を造り、ミサイルを配備する。この間、施政者に〝沖縄を踏みにじってやる〟〝遅れた考えの島民の意向を聞いてもしょうがない〟といった傲慢な態度は全く見えない。ただ粛々と無表情で事を進めていくだけだ。

日本政府は端的に与那国島、石垣島、宮古島の人たちを相手にしていないだけだ。日本政府が、その意向を聞くのは米国だけだ。強者・米国に従属し、沖縄の人々のことなど考える気はない。映画は、この構造の中を生きる沖縄の様々な人々の嘆き、怒り、諦め、無関心を映し出す。もちろん、日本政府が米国従属体制を敷く中で、相手にしないのは沖縄県民だけでなく、日本国民全体でもある。その意味では、基地反対の訴えを無視され続ける島民の姿は、自国政府に軽く扱われ続ける日本国民の姿そのものと言える。

こうした事に気付いたのは、基地反対の運動を続ける島民の方々が根気強く目の前の自衛隊員に語りかけていたからだ。「日本政府はあなた方の命も軽く扱っているんだよ」と。それは、〝あなたもこちら側の人間なんだよ〟と語っているようだった。

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taro

5.0学校の授業でみんな見てほしい

2024年4月2日
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鑑賞方法:映画館

なぜか学校で近現代史をきちんと教えない日本の歴史教育。
ひめゆりの塔で終わっていない、今も続く沖縄の苦難の現実を、私たちはみな学ぶべきだ。

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harukan

4.0島外の活動家は映さず、島民を前面にだし、観る人の共感を得ることに成...

2024年3月26日
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島外の活動家は映さず、島民を前面にだし、観る人の共感を得ることに成功している。
確かに、目の前に基地があり、演習の音が聞こえれば、いつ中国が攻めて来るか不安になる。基地が無ければ、意識せず平穏に暮らせるという気持ちは理解できる。
ただ、ならず者国家と接する場所、基地がなければ、あっという間に占領される。反対のある中、政府は防衛体制を着実に築いている事に安堵した。

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moto

5.0今そこにある危機

2024年3月23日
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鑑賞方法:映画館

映画館は年齢度高めで満員立ち見もありました

新聞で伝え聞く台湾危機を身近理解できるものでした

一番強く想ったことは
映画に出られていた島民の方が仰っていた
「島民を助けるために配備された自衛隊基地ではない」
との意見を本土にすむ自分たちも同じなのでは
と感じたことです。

あくまでも自分の考えですが・・

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mmnioh

5.0焦燥感

2024年3月20日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

初日にポレポレ東中野で、三上監督の舞台挨拶を兼ねて観ました。
胸を抉られるように、突き上げるように、泣いた映画は初めてです。
途中で隣の男性の嗚咽や、落胆や、ため息も聞こえてきました。
事前に三上監督や山里さんのインタビューをYouTubeで拝見して、少し著書も読んで予備知識はあったのですが衝撃が大きくて、帰り道は気持ちフラフラで焦っていました。
世論に何ができるのか?この思いは権力者に潰されないのか?
共犯者であり、目撃者であり、傍観者ではいられない。
そんな思いで今に至っています。
すばらしい映画を作って下さりありがとうございます。
そして今とても、おばあ(山里節子さん)に会いたいです。

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ミカ・タケ

5.0今そこにある危機

2024年3月20日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

知的

三上智恵監督の共犯者になるために朝からポレポレ東中野に行って来た。
共犯者とはドキュメンタリー映画をすすんで観る人間は造った側と共犯関係にあるとの監督の言葉をお借りした。
この映画の元と言える監督の著書「戦雲」単行本は先に読んでいたが、映像で見る石垣島、宮古島、与那国島の軍事要塞化には暗澹たる気持ちにされた。
「また戦雲が湧き出してくるよ、恐ろしくて眠れない」石垣島の山里節子さんの歌から始まる映画は、宮古島に造られていく弾薬庫を備えた保良訓練場、石垣島に造られるミサイル基地、与那国島に運びこまれる地対空誘導PAC3と止められない、僕らはよく知らない事実を突きつけてくる。
三上監督は、そんな中でも与那国島のハーリーという船レースの勇猛さと楽しさ、そこに参加する笑顔の自衛隊員と島人の交流やカジキに足を射ぬかれ仇を取ることに執念を燃やす元気で明るい川田のおじい等南の島らしい生活も写し出していく。
宮古島の楚南有香子さんが弾薬庫の前で訴える「多少の犠牲は仕方がないさというときの多少の中に私たちが入っているよね?」という言葉が忘れられない。
「国を守る」とは何なんだろう、そこに僕らは入っているのか?「台湾有事の危険は沖縄に押し付けておけばいいのだろう」いやいや、「沖縄が要塞化されているのすら知らない」でいいのだろうか?
安倍政権が成立させた安全保障関連法で集団的自衛権が容認され戦争をしない出来ない国から戦争が出来る国になりアメリカの戦争は日本の戦争になった。さらに岸田政権で敵基地攻撃能力を保有し戦争をする国になってしまった。台湾有事は日本の有事という政治家がいる時代、沖縄の問題は僕らの問題なのだ、国を守る時に僕らは守られない。
間違いなく、今そこにある危機だけど、戦争になっても「へそ天で寝ている猫のように」ナマケモノになっていよう。

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ワーチェン

5.0戦雲とは

2024年3月17日
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鑑賞方法:映画館

私たちはどこへ向かっているのか。
誰の意図でこのようなことが秘密裏に成されているのか。
どうして報道されないのか。

たくさんの人に知ってほしい。
沖縄で起こっていることを。

暗く厚い「戦雲」が立ちこめても、その上には太陽もあって、一条の光もさす。
風が吹けば雲も散る。
映画を見て、共に「目撃者」となった一人一人が、暗雲を、戦雲を、吹き払ってほしい。
そんな願いを込めたとの三上智恵監督の言葉だった。
1人でも多くの方と、共に「目撃者」となりたい。

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ゆ