「不倫と言えるのか微妙な関係」アバウト・ライフ 幸せの選択肢 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
不倫と言えるのか微妙な関係
年配の異性が好きな性癖を枯れ専と呼ぶが、本作は枯れラブコメとでも呼んだらいいだろうか。冒頭、妙齢の男女の不倫現場が続くが不思議とセックスはしない。不倫なのに肉体的に求め合わずに踏みとどまる二組(一組は4ヶ月たっているから一回くらいあるか?)。
お互いにパートナーを尊重したから躊躇したみたいな雰囲気も流れていたが、本当にそうだろうか。もう少し年をとったらこの年代に足を踏み入れる世代としては、肉体関係を結ばないのはプラトニックではないでしょと思ってしまう。単純に能力的に無理(もしくは無理かもという不安)だったり、裸をさらすことの恥ずかしさがあるんじゃないかと邪推してしまう。だから後半、トラブルがそこまで大事にならなかったんだと思うし。
そう思ってしまったら、それぞれの子どもにアドバイスしている姿がすんなり受け入れられなくなってしまう。あなた達が言う?という気持ちになってしまった。こんな状態では感動なんてできない。結果あまり高い評価はできなかった。
それでもお互いに不倫相手が娘(息子)の恋人だとわかったあたりはコメディとしてとても面白い。登場人物たちの駆け引きや会話の毒も効いている。舞台の脚本が原作だというのも納得だ。ただ、展開が若干遅い(と感じてしまった)。上映時間短いのに。子どもたちカップルの結婚の話よりも親たちのダブル不倫のドタバタが観たかったからそう思ってしまったのだろう。ここらへんは観るスタンスで評価はかなり違うはずだ。
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