「伝わらない(責任の所在)」劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ TABOO NIGHT XXXX ruruさんの映画レビュー(感想・評価)
伝わらない(責任の所在)
評価を★で。
3DCGアニメ映画★★★★★
LIVE感★★
初心者向け★★
ファンの純粋な感覚★★★★
God Love警報発令の飼い慣らされ度★★★★★
3週目に入り、ある程度理解してきたので評価したいと思い来た。
多くの方が感じただろう複雑な胸中を思いながら書いている。
まず、一度目の悲しみと寂しさ。
二度目の期待と納得。
三度目の安定と覆せなかった己の心の行き先。
四度目以降は……5千字で書きれるかわからない。
なぜ、今回の映画をこういうコンセプトにしようと思ったのだろう?
企画? 脚本? 演出?
どこから発生したのか純粋に知りたい。
前作のスターリッシュツアーズは新規客も多く獲得し、評価も良かったように思う。
何しろ7人も顔面と声の良い男たちがいれば、それだけで華やかだし見ていて飽きない。
分かりやすく『LIVE映画』として、かなりの成功を収めたのではないかと思う。
その流れからのQUARTET NIGHTの映画である。ファンの期待値は最高に高かった。
特に私のような、初期からカルナイのオタクには。
だが、蓋を開けてみればどうだろう?
戸惑いや落胆の声が静かに流れていたように思う。
大声で批判している人はさすがに少なかったけど、なんか変な空気があった。
私自身、1度の鑑賞で理解はできず、感情の処理も追い付かなかった。
それでも推したちが縦横無尽に大画面で動き回るのを見るのは楽しいし嬉しい。……でも。
でも、けれど、どうしてもそんな言葉が頭にチラつく。
友人の、推しからのファンサが欲しかったという、そんな純粋な気持ちを私には否定することができない。
いや、ライブはしてるけど。だけどさ、どうしてこんな中途半端にしたの?
スタツアの流れを汲まないからこそカルナイらしさがある。
カルナイだからこそこうなんだ。
そんな声も多い。でもそうかな? そうやってまとめちゃっていいのかな?
そう思ってn〇teにでも書けよと思われそうなことをここで書いている。偉い人たちに伝わるといいなと思って。
劇場型のショーだと、彼ら自身が言っている。
考えてみれば、歌って踊ってしかも劇までしてるカルナイを見られるのだから大変にお得である。
そうやって、なんとなく自分を納得させている。今日も。
今日は後ろの席にファンと誘われて来たと思われる二人組が座っていた。
「可愛かった、スタツアとは違うけどこれはこれで良かった」
偉い人たち、おわかりになるか?
「これはこれで」
この評価こそ、全てを物語っている。
ぽろっとこぼれた言葉の重み。私はその言葉に突き動かされてここに来ることに決めたのだ。
もちろん、ちゃんと楽しんでのめり込んでくれている新規の方たちもいっぱいいる。
私のように古参のカルナイファンでも心から喜んでいる人だっていっぱいいて、私の声が正しいとも全てだとも思っていない。
けれど。
たまたま誘われて来た人が感じる『これはこれで』の評価。これが恐らく中央値なのだ。それも印象が良い寄りの場合だ。そうでなくば★2.5くらいが本来の中央値になるだろう。
特別に良くはない。単純に、そういうことだ。
スタツアとは違う、スタリとは違う、そういうものを目指したこと自体は悪いと思わない。
カルナイらしさ、そういうものは確かにある。
何しろカルナイは生まれてからずっと難しい立ち位置に座らされている。
登場すれば文句を言われ、単独ライブをすれば文句を言われ、感謝していないと言われ……常に一部のスタリファンから厳しい目を向けられてきたし、実際そういう大きな声の人たちからクレームが公式に入っていたはずだ。
正直、私はスタツアの成功にほっとしていた。2部構成の単独キャストライブに感謝していた。
今回は大手を振って、心のままカルナイを応援して許されるのだ――! と。
私たちカルナイファンは今回の映画にとても期待をしてしまっていた。
だからこそ、多くのファンが落胆してしまったのではないか。
どう言えば良いのだろう。言いたいことは山ほどあるのに言葉にできない。
とにかく中途半端すぎる。
別のコンセプトにしたかったのなら、いっそとことん突き抜ける方が良かった。
正直、ライブでカルナイ帝国を宣言されても……スンとした気持ちがずっと消えない。
王国だとか帝国だとかうたプリはそういうのが好きだけど、メインに置いたわりに中途半端に絡めていてむしろ全て邪魔をしている。怪盗と帝国とコンセプトが煩雑すぎる。
最後の4人のシーン、普通に考えて意味が伝わらない。
んで、ライブって何? となる。
ハチャメチャになり切れず、とにかくそれっぽい着地点を探した結果が今回の映画と言われても、私ならデショウネと頷いてしまう。
なぜキャラクターを写さずに4分割で画面越しにする必要があったのか、
なぜ帝国を宣言しなければならなかったのか、
どうしていつもカルナイに遺影スタイルを入れたがるのか、
なぜキャラにいつも何か格言みたいに何かしら言わせないと気が済まないのか、
なぜ変なダサいタトゥーをふんだんに入れたがったのか、
あんなスタッズでは、ジミー〇ュウにもルブ〇ンにもなれない。
言い出したらキリがないし愚痴が混ざってしまったけど、とにかく、製作者の意図がよくわからないのだ。
意図が伝わってこない。
もちろん、こういうキーがあるのでは、というファンの推測は多く見られたし、それはもしかしたら間違っていないのだと思う。
ひとりひとりの今までの足跡を追いかけて、バラバラだった4人が背中合わせに同じ場所に立つ意味を、表情の変化を、カルナイのこれからも、もちろん、伝わるものだってちゃんとあった。
ツアー式にして4人で持ち回りにして、変化をつける努力もわかっている。
愛・キス・絆……うたプやカルナイで重要なワードを入れて、あなたたちがしたかったことは本当に『これ』だったのか?
それは迷走なのではないか? 最近ずっと迷走してるけど本当にそれでいいのか?
カルナイがこれをやる意味はあったのか?
私たちが好意的に捉え、前向きな見方をしてくれたらいいと、まさかそんなつもりではないですよね?
映画にするということは、ファン以外も2000円前後のお金を払い、時間を割いて観るのですよ。
万人に伝えることが、良く評価されることが、どれほど難しいことか。そんなことは誰だってわかっている。
けれど、これはこれでなんて言われるようなもので本当にいいのか、今一度しっかりと考えてみて欲しい。市場の需要を、読み違えたと理解してほしい。
目に余るダサさ、カメラワークの悪さ、カットの悪さ、この話が結構出ていると思う。
そうじゃないと思う人がいるかもしれないけど、私は共感しかなかった。
没入してときめくことができなかった。最推しなのに、本当に辛い。
ただでさえ原作者に落胆させられたのに、これ以上、私たちを落胆させないで欲しい。
10年近く出ないゲーム、アプローチを失敗した映画。
何がしたいのか、明確なビジョンがない。
なぜキャストにフォローさせるのか。好きでやってる?
そうかもしれない。私はそう思えないけど(いつもありがとう、大好きだ)。一体化と言えば聞こえはいいが、キャストとファンに甘えすぎてはいないのか、一度しっかり見つめ直すべきだ。
もっと直接的に、見た者にスッと伝わる作り方をするべきだ。
これはしなくていい考察をする映画であるべきではない。
永遠とは何か、私たちに投げかけるだけでその言葉の重みを貴方たちは真剣に考えているの?
真剣に、未来を切り開こうと本当に思っているの?
私は自己完結した自〇行為が見たくて映画館に通いたいんじゃない。きらきらと輝く彼らの人生に触れたくて通うのだ。
これを、彼らが企画したと彼らの口から言わせないでくれないか。
お仕事で過剰な自我や腐の部分を出すタイプの人を、主要スタッフに置かないでくれ。大半はそういうの望んでないです。去って行った人材が未だに惜しい、本当に。
ちりばめられた純粋な要素から紡がれるからこそ美しいのであって、彼ららしさから生まれた要素だからこそはわわっとなるのであって、はいどーぞ、とご用意されていて欲しくはないです。過剰にご用意された供給はいらないのだ。そういうものは、こっちが勝手に好きに拾うものなのだから。
他人の作ったキャラやコンテンツをフラットに見る努力ができないなら公的な製作者として多分間違っています。そういうことは二次創作でやってくれないか。それぞれのキャラクターに寄り添うファンがいて、○○組とか通称がついてはしゃいだり、それぞれの思いがあって成り立っている。そこへ過剰で不自然なものを押し付けられたくはない。
個々のキャラクターの持つ魅力が、このコンテンツの要で全てなのだ。
その輝きを、本来、輝きを増すように磨くべき貴方たちのその手で曇らせないでほしい。
スタリ、カルナイ、ヘヴ、一回ちゃんとライブをしきってくれたら良かった。
この後のヘヴンズ、どうなるんですか? やっと日の目を見る彼らの舞台を、また中途半端なものにするのですか?
もし初心に返ってライブ映画に戻ったとして、カルナイの不憫さは変わらないんだけども。
他のレビューに「もう一度カルナイ単独で作り直して」っていうのを見たけど、本音を言えば私も同じ気持ちです。無理でしょうけど。
でも、映像技術の進化は回を追うごとに目に見えていて、鑑賞していて面白いです。
ペンライトの良さとか分かりやすく向上しているし、関節のしなやかさとか、キャラクターの表情管理とか、作り手の努力がとても伝わってくる。
一部とはいえ5パターンのエンドを作るのはとても大変だっただろうことは考えなくてもわかる。物足りない部分はあれど、きっと時間やお金の問題があったんだろうなと思う。
もしかしたら5週目からの別の仕掛けがある(しらんけど)としたら土下座する勢いだ。本当にありがとう。
現場スタッフの方たちには心からの感謝と、敬意を込めて。
追記:誤字修正、文章の修正をしました。いくら直しても正解がわからない。どうしたって愚痴になってしまう。長文をここまで読んでくださってありがとうございました。
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