劇場公開日 2024年5月3日

「ストレートに展開していいんじゃない?」無名 La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)

ストレートに展開していいんじゃない?

2024年8月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 1930~40年代の上海を舞台に、汪兆銘の国民党政府、中国共産党、日本軍が入り乱れてのスパイ戦を落ち着いた映像で描く中国作品です。トニー・レオンがベテラン工作員を演じるのが見どころ。

 スパイ物語なだけに人間関係が複雑なのに、作中の場面はほとんどが薄暗い室内で、多くが二人の会話でお話が進みます。集中していないと、

 「ええ~っと、この人とこの人はどういう関係なんだったっけ」
 「この男の立ち位置はどこにあるんだったっけ」

と訳が分からなくなってしまいます。それなのに、時制を頻繁に入れ替えて同じ場面を繰り返して描くので、展開のスピード感がすっかりなくなってしまいました。戦時の上海の映像も切れ味よく、トニー・レオンの色気もタップリだっただけに残念。途中ですっかり疲れてしまいました。

La Strada