劇場公開日 2024年5月3日

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「明暗の間にある絵画的な美しさ」無名 うぐいすさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0明暗の間にある絵画的な美しさ

2024年6月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

勢力図が日々書き換わる戦局の中、スパイ達が時勢のうねりに翻弄されながら生存競争を繰り広げる様を描いた作品。

『現代の中国』から発信される、第二次大戦中の『国民党政権』の情報部に属する男達をメインに据えた作品、という時点で、ある程度ラストやスパイ映画としてのオチは見えている。

本作の真の見所は、散発的に置かれていたシーンが繋がりだすカタルシスと耽美な映像だと感じた。スパイとして言葉にも表情にも感情を表さない男たちの無言の佇まいを、様々な角度や距離から撮ったカットは、非常に美しい。雄弁な無言の空気は、俳優陣の演技はもちろん、こだわりのロケ地、巧みな照明や撮影技術の賜物だった。

スパイムービーとしての奇策や外連味よりも、カッコ良さや味わいに全振りしたノワール映画として心に留めたい。

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うぐいす