「とてつもなく愛おしい作品」莉の対 エロくそチキン2さんの映画レビュー(感想・評価)
とてつもなく愛おしい作品
偶然出会った稀有な傑作。
今年の日本映画のベストの一本だろう。
舞台を中心に活動する俳優の田中稔彦さんの初監督作とのこと。脚本・主演も稔彦さん。
190分という長尺の全編にみなぎる緊張感はいったい?
東京で働きながら不自由なく一人で暮らす光莉(鈴木タカラさん)だったが、自分の存在が希薄で色がなかった。透明だった。
光莉が出会ったのは北海道に住む風景写真家の真斗(稔彦さん)。耳が聞こえないのでコミュニケーションを取ることが難しいと思われたが。
ここに人と人が触れ合うことの喜び、苦悩、そして悲劇があった。
思えば彼らを取り巻く人々も皆迷い苦しんでいた。人生は悲劇であると言うが如く。
観終わってみれば何と愛おしい人々、そして愛おしい作品。たとえ傷ついたとしても出会って良かった、出会うべきだったと思わせる何かがあった。
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