「ジャンルごった煮エンターテイメント。」ジェヴォーダンの獣 ディレクターズ・カット image_taroさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ジャンルごった煮エンターテイメント。

2024年5月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

公開当時はかなり話題になった作品だし、結構好きで何度も観ていたのだが、その後あまり目にする機会がなくなっていた作品。リマスターされた上に、ディレクターズカットで観れるようになったのが嬉しく、とても懐かしく観た。

全体的な体裁としては、実際の事件をモチーフにした時代物のミステリー&サスペンスという感じだ。ただそれに留まらず、格闘アクションに様々な武器によるバイオレンスアクションが展開され、モンスターホラーやエロティックな香りさえ漂う。もはやクリストフ・ガンズ監督の好きなもの全部盛り、あるいはごった煮という感じだ。

丁度本作が公開された頃からフランス製の映画にハードな肉弾戦のアクションがよく見られるようになったんじゃないかと個人的に思っているが(全ての作品をチェックしているわけではないので不正確かも)、本作品はそんな潮流に乗ったというより、監督のマニア的な個人趣味を一挙に解放したかのように私には見えた。

久しぶり過ぎて、このディレクターズカット版を観ても劇場公開版とどこがどう違うのか、もはや判別がつかないが、劇場公開版に感じた荒削りな感じが随分と和らいだような感じがしたので、どこかのエピソードが追加になったとかそういうことでなくて、上映時間を短くするために削ったところを元に戻したといったところだろうか(この感想も感覚的なものに過ぎない)。

ジャンルを横断しまくるごった煮感を楽しむことさえできれば、とても上質なエンターテイメントと映るだろう。ともかく、個人的には埋もれた名作と思っている本作が、また多くの人の目に触れるチャンスが来たことを喜びたい。これを機に再評価がなされるとなお良い(劇場公開版のページの方のレビューは数も少ないし評価も散々なので…)。

image_taro