「骨粗鬆症」貴公子 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
骨粗鬆症
なんだか骨組が柔らかい。
どんなノリで作られたんだと思う。
予告詐欺のような本作。
結構シリアスなフリで主人公もどこか異様な印象。滑り出しは順調だった。ちょいとドタバタは長かったような気もしなくはない。
ネタバラシも感心しなくはない。
父親に心臓を移植する為に、腹違いの弟を兄が探す。その弟は韓国とフィリピンの混血で「ライダイハン」と呼ばれる人達で、韓国では「コピノ」と呼ばれる。
なかなかに血生臭い背景と差別の歴史がつきまとう子供達だ。
なのだが…
骨太な設定の割には、中身が…なんか終盤に向けボロボロとメッキが剥がれていくような感じだ。
結局のところ、今回の計画を立てたのは主人公で単独なような印象を受ける。
つまりは、その弟を追い詰める理由がないのだ。韓国に連れて行くにしてももっと上手く出来るだろと思える。
そう考えてしまうと延々と無意味な迷走を見せられてたのかと釈然としない。
極め付けは、金の受け渡しで…送金が終わって弟を渡してしまえば、取り囲まれて襲われるのは当たり前だわな。
彼は自分の事をプロだと言い放つのだけど、プロならば無駄なリスクは負うべきではないと思われる。
じゃあ、ソレ自体が彼にはリスクで無いとするならばなんだけど、対応策としては行き当たりばったりなのだ。
なんか終盤にきて「コイツ抜けてんのか?」と変な疑念が浮かんでくる。
で、この計画の動機が「余命を意識した殺し屋が、思いついた最期の善行」みたいな事なのだ。
…事が大袈裟すぎやしないかい?
シリアスだと思われた作品の内幕がコントのような様相を示し始め、挙げ句の果てに主人公が感じた余命は勘違いで、禁煙した事による副作用らしい。
そして闇医者に高額の金を払っていた薬は、総合ビタミン剤なのだとか。
…よもやこんなオチが待っていようとは。
脚本の裏切りには定評のある韓国。俺も大好物なわけだけども、まさかこんな形で裏切られるとは。
予告編はいつから「作品の紹介」から「客を呼び込む餌」になったのだろう?嘆かわしい事である。
予告編に登場する全てのファクターは嘘ではないのだが、的外れにも思え…それを正当化する文言としては「個人の解釈の差」なわけだ。
ある一方向に誘導しといて、解釈の差もクソもないもんだと思う。
結構いい感じだったのだけど…後半に入り肩透かし感が半端なかった。
まぁ、予告編チームもどうアプローチするべきか悩んだのだと思いたい…。
こんにちは。
骨粗鬆症?あれ?パパさん、そうだっけ?と思ったら、なるほどw
作品の骨組みがやわらかいって事だったのですねw
同感です(^。^)
韓国映画はハズレなし!ノワールも大好物ですが、本作はちと肩透かしを喰らった印象でした。
そして貴公子のあの笑みが、ど〜しても生理的に無理でした(°▽°)