「【”コピノ。「友へ チング」ブラックブラッディヴァイオレンスヴァージョン。”最後半まで激しい銃撃戦、カーチェイス、追跡シーンに魅入られ、最後に爽やかな笑みを浮かべた謎の男の行動心理が分かる作品。】」貴公子 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”コピノ。「友へ チング」ブラックブラッディヴァイオレンスヴァージョン。”最後半まで激しい銃撃戦、カーチェイス、追跡シーンに魅入られ、最後に爽やかな笑みを浮かべた謎の男の行動心理が分かる作品。】
ー コピノ:韓国の男性と、フィリピンの女性の間に生まれた子を意味する。-
■序盤、コピノであるマルコ(カン・デジュ)は、貧しい暮らしの中寝たきりの母を見ながら、闇の地下格闘で日銭を稼ぐ日々。
犯罪に手を染めかけた所に、行方不明だった韓国人の父の行方が分かったと連絡が入り、怪しげな男達と、飛行機に乗り韓国へ向かうマルコ。
だが、その飛行機には爽やかな笑顔を浮かべ、マルコを”友達”と呼ぶ男も乗っていた。
◆感想
・爽やかな笑顔を浮かべた謎の青年を演じたキム・ソンホの存在感が凄い。映画初主演だそうである。
・マルコは巨大財閥の御曹司であるハン(キム・ガンウ)達に、執拗に追われる。だが、ハンは部下たちに”マルコを捕まえても、殺すな”と言う。
一方、爽やかな笑顔を浮かべた謎の青年も執拗にマルコを追う。
ー この辺りの、カーチェイス、激しい銃撃戦、追跡シーンなど見応え充分である。だが、ユーモラスを漂わせた謎の青年の真意は分からない。-
■ハンは巨大財閥を築いた今や瀕死の父にマルコの心臓を移植手術させようとしている事が分かる。
何故なら、今、父が死ぬと父の後妻とその娘に全財産を持って行かれるからである。
・マルコは捕まり、正に心臓移植手術を受けさせられる時に、謎の青年がハンの大邸宅に現れ、医者たちを一掃する。
そして、ハンの部下も物凄い銃撃戦の中、一掃する。
そして、謎の青年がハンに要求した1000万ドル。
ハンは全ての悪事を握られた故に、1000万ドルを男が指示した口座に送金する。
・更に激しい銃撃戦は続き、ハンは絶命する。
”プロか・・。認めるよ。頑張ったな、貧乏人。”
■で、終わると韓国アクションノワールの逸品という事になるのだが、流石パク・フンジョン監督。
ここでは終わらない。
歯ぎしりする後妻の生意気娘の頬をビンタし、マルコに自分の素性を明かすのである。
<舞台はフィリピンに戻り、謎の青年は”コピノ”達の学び舎の建て替え現場に相変わらず爽やかな顔で佇んでいる。明らかに資金は、あの1000万ドルであろう。
そして言う。”死ぬ前に、良い事をしておきたかったんだ。ゲホゲホ・・。”
劇中から男は時折、嫌な咳をしていた事が、脳裏を過る。
と思ったら、更にここでも映画は終わらない。
謎の青年はある医者の前で、”最近、体調が良くて少し太ったんです。”と言う。
そんな青年に、医者は”煙草の吸い過ぎだったんだよ。あと、キチンとした医者に行きなさい。”と宣う。
驚いた青年は、”じゃ、あの闇医者の薬は?”
医者は更に宣う。”ビタミン剤だよ!!” あー、可笑しい。
今作は、最後半まで、激しい銃撃戦、カーチェイスに魅入られ、最後の最後に爽やかな笑みを浮かべた、謎の男の行動心理が分かる作品である。
流石、パク・フンジョン監督。脚本も含めてお見事です。>