劇場公開日 2024年1月12日

「昔の日本映画を参考に丁寧に作り上げられた作品」ゴジラ-1.0/C 山川夏子さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5昔の日本映画を参考に丁寧に作り上げられた作品

2024年1月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

興奮

予告編で銀座の街にゴジラが現れているのを見たので、これは銀座で観よう!と銀座の東宝系の映画館を捜して、「TOHOシネマズ日比谷」でモノクロ版の当作品を観てきました。

カラーの方はまだ観ていないので、これが初見になりますが、本当に終戦直後から1950年代にかけて製作された、当時の日本映画を観ているよう感じがしました。

敗戦して焼野原になった日本。変わり果てた街には夢も希望もなくて、それでも生きていく人々。戦場で死に損ねた特攻隊員や復員兵、戦災孤児が肩を寄せ合い、生きていく。そんな混とんとした時代に突如現れて全てを破壊していくゴジラ。お国のために戦った日本の元軍人たちがゴジラ退治に向けて結束していくという流れがとても自然で、当時の日本の様子も丁寧に再現されていて、さらにゴジラのVFX(というのでしょうか)がとても素晴らしい。ハリウッド映画に並ぶ完成度で、「すごい!すごい!すごい!」と感動しました。

モノクロ版を先に観たのは正解だったと思います。

有楽町や数寄屋橋のあたりの街の風景は、戦前の映画の実写を元に再構築したのでしょうか?
山崎貴監督は日本で最もVFXを得意とする監督だと聞いていましたが、その技術も、終戦後の日本人の描き方も秀逸で、すばらしかったです。

日本映画復活!!
最高の気分で帰宅しました。

山川夏子