劇場公開日 2024年1月12日

「正規版はマイナスカラーとしても良い」ゴジラ-1.0/C だるちゃさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0正規版はマイナスカラーとしても良い

2024年1月16日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

興奮

マイナスワンは、2023.11.3の公開初日にエキスポシティ109シネマズの超巨大IMAXで鑑賞しました。
ものすごいVFXの迫力と、エモい劇伴が非常に気に入ったので、マイナスカラーも鑑賞する事にしました。
大阪では小規模スクリーンの上映ばかりでしたが、梅田TOHOシネマズだけは、700席のプレミアムスクリーンでの上映で、相変わらずの大迫力でした。
カラーに比べて圧倒的に情報量が減った事により、そこに映っているのが何なのか(例えば大戸島のシーンで、ゴジラ来襲後の橘の作業服のシミが、油汚れなのか血糊なのか等。)の判別が付きづらくなるので、それに伴う不安感や不気味さが倍増した様に思います。
人間というのは、正体不明な物に遭遇した際、それが何なのかが判れば安心して怖さが軽減されますが、何なのか判らないままだと、モヤモヤした不安感に苛まれる生き物だと思います。
その意味では、大戸島の呉爾羅や、東京大空襲の焼野原、ゴジラ来襲後の銀座の瓦礫等、情報量減少に伴う不気味さが漂っていました。
いまだに第一作の評価が高いゴジラシリーズなので、時代設定しかり、モノクロにした事は、原点回帰に一歩近付いた気がしました。
カラーである事によって認識出来ていたVFXのアラ的な部分も上手くカモフラージュ出来ていて、本当の戦時中の映像であるかの如く錯覚して、ドキュメンタリー的なリアル感も倍増した印象でした。
また、典子の首の字が高コントラストで鮮明に見えましたし、放射熱線を吐く前に大きく吸い込んでいる空気の流れや、脱出装置で敷島が飛び出す瞬間も、今回初めてハッキリと目視出来ました。
本作に限っては、マイナスカラーを正規版として、それを天然色加工したのが、バージョン違いのマイナスワンだという位置付にしても良い位の完成度の高さだったと感じました。

だるちゃ