「青の中にも、いろんな青さがありつつ、馴染んでいる。」水深ゼロメートルから sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)
青の中にも、いろんな青さがありつつ、馴染んでいる。
画面に映るほとんど全てが青い。
そして、青の中にも、いろんな青さがある。
まるで、登場人物たちや私たちのように。
どのセリフをとっても、まとっている意味が表向きの一つだけではなく、その言葉を発した人物の「からだ」と深い部分でつながり、本人自身も無自覚なことまで表現してしまっているような印象を受けた。
ジェンダーに関わる問題は全編で提示されている通りだけれど、そこだけにとどまらない真っ直ぐな問いが互いにぶつかり合う。でも、決して単なる冷笑で終わらず、登場人物それぞれが、自分なりの解を見出していく部分に清々しさを覚えた。
高2で、今作のもととなる舞台版の脚本を書いたという、中田夢花の才能がすごい。そして、その優れた脚本を、見事に映画に落とし込んだ山下敦弘監督も、やっぱりすごい。
プールサイドとプールの底、
グラウンドとこちら側を隔てるフェンス、
プールの底を基点にしながら、寄りや引きの切り替えの中、急に俯瞰で示されるメタ視点、
何を見せて、何を見せないか…等々、導入から、主人公の目に強い光が帯びるラストまで、とても自分の好みに合った作品。
公開時、タイミングが合わずに鑑賞できなかったが、暑い夏のうちに配信で観られてよかった。
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uzさんのコメント
2025年8月29日
コメントありがとうございます。
実際に注意するかは別として、アレやられたら自分は即座にベルリンの壁が出来ます。
抱えてるものの共感値が高ければ違うのでしょうが。
自分が男なせいもあるかもですが、高校生当時でも絶対ビンタしたくなる。笑

