劇場公開日 2024年3月29日

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RHEINGOLD ラインゴールドのレビュー・感想・評価

全36件中、21~36件目を表示

4.0ラップとワーグナーと金塊と

2024年4月3日
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鑑賞方法:映画館

クルド出身の主人公、ジワ・ハジャビの激動の半生を描く映画でした。”事実から着想を得た物語”ということで、実在の人物であるカターことジワ・ハジャビをモデルにしていますが、金塊強盗はさすがに創作でしょう。

まあ何処までが本当で、何処からが創作なのかはさておいて、序盤に描かれるジワの生まれた前後から、ヨーロッパまで逃れていくまでの物語と映像は、かなりリアリティがあって怖かったです。元々イランに住んでいて、父親がオーケストラの指揮者だったジワの家族でしたが、1978年に始まったホメイニ師を指導者とするイスラム勢力によるイラン革命の影響で、洋風の音楽会は反イスラムとされて襲撃され、その上クルド族は弾圧の対象に。そして母親がジワを身籠る中、クルド族の居住区に砲撃の雨が降り注ぐ。この砲撃シーンは、自分が砲撃を受けているんじゃないかと思えるほどの映像と爆音で構成されており、本当に震えました。しかもそんな砲撃を掻い潜って、ジワの母は一人洞窟に逃げ込み、一人でジワを出産するんだから衝撃でした。序盤のシーンでしたが、ここが本作で一番印象に残るところでした。その後もイランイラク戦争の中、イラク経由でヨーロッパを目指すも、イランのスパイと言われて拘束されるなど、ジワ一家の苦難は現在のパレスチナやシリア、アフガニスタンなどにも通じるものが感じられました。

何とかヨーロッパに移り住んだジワの家族でしたが、両親の離婚で赤貧に陥ることに。ここからはある意味良くある話で、ジワがアンダーグラウンドに落ちていく様を描く物語に。学校でのポルノビデオの販売を手始めに、ドラッグの密売やバーの用心棒など、今風に言えば半グレ道をひた走る。そしていよいよ金塊強盗までするジワとその一味たち。まあこの辺りの話だけ観れば眉を顰めざるを得ない話なのですが、何せそれまでのジワの苦難の人生を見せらているため、結構感情移入してしまいました。

最終的に金塊強盗の容疑でドイツで逮捕され投獄されたジワでしたが、獄中でラップを作り、刑期を終えた後には音楽の世界でトップに上り詰める。隠した金塊の在り処を愛娘に教えたところでエンディング。そして、「ラインゴールド」という題名が、何故付けられたのかも教えてくれる親切設計でした。

そもそも「ラインゴールド」と言えば、かのドイツが生んだ天才音楽家であるワーグナーの楽劇「ニーベルングの指輪」4部作の第1部として有名。邦訳すれば「ラインの黄金」となりますが、本作でもワーグナーの調べが流れてました。同じ音楽とはいえ、ラップとクラシックというかなり離れたイメージのある両者を結び付けて創られた中々面白い作品でした。

そんな訳で本作の評価は★4とします。

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鶏

3.0楽曲の成り立ちを映像化したら、コミカルな犯罪映画になってしまった

2024年4月2日
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鑑賞方法:映画館

怖い

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Dr.Hawk

3.0前半は好きな映画でした

2024年4月2日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

歯を抜かれるシーンは
思わず顔をしかめてしまいます

母親が出産するシーンも
壮絶でした

不良に絡まれ
殴られた相手の顔を覚えるシーンは
その後の復讐につながるとても良い効果でした

前半に印象深いシーンが多かったです!

しかしながら
全体が少し長かったかなあ…

もう少しコンパクトに
テンポ良く進んでいく
映画を期待してしまいました

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HIDE

4.0何度も観たい映画!

2024年4月1日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

興奮

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tomクルー

3.5迷ってたけど見て良かった もっと登場人物の区分けができないかと思っ...

2024年4月1日
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迷ってたけど見て良かった

もっと登場人物の区分けができないかと思ってたけど、

すんなり覚えられたのにはびっくり

キャラ設定がきちんとしていたから?

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jung

2.5期待はずれのオラオラ映画

2024年4月1日
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鑑賞方法:映画館

単純

寝られる

監督、題材、音楽など見る前はとても期待してましたが、ヨーロッパ版Vシネつーか、ヤンチャ者立志伝的な既視感のあるストーリーで眠くなった。
ラップもさほど斬新には使われてないし、クルドや移民の背景描写も浅いし、オーソドックスな展開にガッカリ。
同じ犯罪物映画なら同時期に上映しているフランスのリュックベッソンのドッグマンのが数段スリリングで上質の映画でした。

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Koh18

3.5若い時はヤンチャしてました

2024年4月1日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

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ku-pa-

3.5クルーの裏側

2024年3月31日
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生きるためと言い訳にしか聞こえなくもないが、実際熾烈な境遇に生きていた事が無い私には、彼等のサバイバルを非難出来ない。
なんやかんやあってクルーに決めるより、穏やかな暮らしがいいに決まってる。

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Oyster Boy

4.5いろんな角度から楽しめる良作映画

2024年3月31日
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欧州の移民マイノリティが置かれた社会環境や彼らのコミュニティ形成を扱った社会派作品としても、ハラハラ感を楽しむクライム映画やラッパーとして成り上がる男の伝記映画としてのエンタメ作品としても、いろんな角度から楽しめる良作だと思いました。また、最近日本でもしばしばニュースで取り上げられるクルド人ですが、彼らの国境をまたいだ同胞意識やコミュニティ・ネットワークもうまく描写されていたと思います。
評価の-0.5分は、中東に携わってきた者としてイラン革命の描写がかなり粗雑に感じられたこと、映画の終わり方が個人的にちょっとチープに感じられたことを理由に付けましたが、総合的に見てすごくいい作品でした!
他方、公開3日目の日曜日に映画館で観ましたが、お客の入りがすこぶる悪く…もっと多くの人に観てもらって然るべき作品と思うので残念な気持ちです。この客入り状態だと上映期間はすごく短期で終わってしまうと思うので、興味のある方は急いで観に行くことをおすすめします!

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Tats A

3.0バックギャモン

2024年3月31日
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怖い

興奮

刑務所内で録音された曲でCDデビューを果たし、ドイツで大ヒットしたドイツ国籍のシリア人ラッパー、ジワ・ハジャビの話。

シリアで収容され金の在処を問われる様子に始まって、自身が産まれる前のクルド人の両親の話しに遡り、バスケのコートで稼ぎ、ボコられ、カターになって堕ちていく様をみせていく…ってもう堕ちているけど。

刑務所内で隠れて撮った音源を知人の作曲家にに託してCDデビューは破天荒なのかも知れないが、産まれや育ちのせいにして犯罪をしまくるただのDQNですね。
そしてイェロ恐すぎw

確かに波乱万丈な半生で、映画としてそれをみせていくのは面白かったし、まんま詩になっているのはビックリだったけど。

娘にはぐらかした様な言い訳しか出来ないのはカッコ悪かった。

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Bacchus

3.0結構「胸くそ」な話でした

2024年3月31日
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なんというか、「それほどでも」というのが正直な感想。

皆さん絶賛してるみたいだけど、、、

生い立ちはたしかに壮絶だけど、実際壮絶だったのは両親で、主人公が転落したのは、そうならざるを得なかった運命とかではなく、全部身から出たサビ、自業自得。

家族は悲惨な境遇だけど、主人公はそうでもなく、むしろかなり恵まれた人脈の中で優遇されていたのに、自らどんどんツボにはまっていき、最後も半分他力本願でのしあがってるし。

母親や妹の人生の方がよっぽど悲惨で同情すべきだし、主人公はむしろ「胸くそ野郎」じゃないの?

……と思うのは、自分だけ?

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ただの映画好き

5.0偉大なる母。

2024年3月31日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

幸せ

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SAKURAI

4.0生きるため

2024年3月31日
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鑑賞方法:映画館

興奮

悪さばかりした主人公だけど、全ては生きる為と夢の実現の為にした事。また彼は頭も良かったように思える。
もう少しサクセスストーリーかと期待したけど最後の最後までそれは観られなかったのが残念。

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ノブ様

4.0これいいねー

2024年3月30日
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鑑賞方法:映画館

ド頭からグングン引っ張られる快感。
緊張感保ったまま100分を駆け抜ける。
その後ちょっとダレちゃうけど充分楽しめる1本。 満足です。

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すったもんだだよ

3.5RHEINGOLD ラインゴールド 戦場で生まれ、亡命の際には父が...

2024年3月29日
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鑑賞方法:映画館

RHEINGOLD ラインゴールド

戦場で生まれ、亡命の際には父がスパイと疑われ子供ながら投獄の経験もする。亡命後も貧しい生活を強いられお金や罪を犯す事に対する考え価値観が一般とは大きく異なる。
お金に追い追われ、金塊強盗事件を犯してしまうのだが、幼少期から金塊強盗事件までの半生を描いた作品であった。
この作品では刑務所で作曲し、それがどれほど国内でヒットしどういうスーパースター扱いになったから割愛されている。
その為彼のことを全く知らない身としてはそこからは自身で調べてねという感じで終わってしまったが、それでも彼の半生がまるで映画の様な半生で映画の映画を見ている不思議な感覚を覚える作品であった。
これだけの事をして7〜8年の禁固刑で刑務所内で歌も作れてそしてそれを国民が求めるのだから、改めて感じるのは犯罪、元受刑者に対する見方、扱い方、感じ方はだいぶ日本とは異なる文化にあるんだなと感じさせられる作品であった。
異文化に触れ、そして地から這い上がる様な彼のリアルな生き様に魅了される作品ではあった。

個人的な2024年洋画新作鑑賞ランキング
1 ネクスト・ゴール・ウィンズ 4.8
2 Firebird ファイアバード 4.8
3 コット、はじまりの夏 4.7
4 アイアンクロー 4.7
5 オッペンハイマー 4.7
6 アマグロリア(原題)Àma Gloria(横浜フランス映画祭2024) 4.7
7 コンセント 同意(横浜フランス映画祭2024) 4.7
8 ARGYLLE/アーガイル 4.7
9 アリバイ・ドット・コム2 ウェディング・ミッション4.5
10 バティモン5 望まれざる者(横浜フランス映画祭2024) 4.5
11 デューン 砂の惑星 PART2 4.5
12 愛する時(横浜フランス映画祭2024) 4.5
13 ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ 4.5
14 アクアマン/失われた王国 4.5
15 ニューヨーク・オールド・アパートメント4.3
16 異人たち 3.7
17 ミツバチと私 3.6
18 ブリックレイヤー 3.5
19 ネネスーパースター(原題) Neneh Superstar (横浜フランス映画祭2024) 3.4
20 RHEINGOLD ラインゴールド 3.3
21 12日の殺人 3.3
22 ゴーストバスターズ フローズン・サマー 3.2
23 コール・ジェーン -女性たちの秘密の電話- 3.2
24 コヴェナント/約束の救出 3.0
25 僕らの世界が交わるまで3.0
26 ストリートダンサー 3.0
27 カラーパープル 2.9
28 弟は僕のヒーロー 2.8
29 RED SHOES レッド・シューズ 2.8
30 画家ボナール ピエールとマルト(横浜フランス映画祭2024) 2.7
31 Vermines(横浜フランス映画祭2024) 2.6
32 関心領域 2.6
33 ジャンプ、ダーリン 2.5
34 エクスペンダブルズ ニューブラッド 2.3
35 けもの(仮題)La Bête(横浜フランス映画祭2024) 2.3
36 マダム・ウェブ 2.3
37 落下の解剖学 2.3
38 ダム・マネー ウォール街を狙え! 2.3
39 哀れなるものたち 2.3
40 DOGMAN ドッグマン 2.2
41 パスト ライブス/再会 2.2
42 ボーはおそれている 2.2
43 ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 2.2
44 瞳をとじて 2.2
45 ゴースト・トロピック 2.2
46 葬送のカーネーション 2.2
47 Here ヒア 2.1
48 美しき仕事 4Kレストア版(横浜フランス映画祭2024) 2.0
49 ハンテッド 狩られる夜 2.0
50 サウンド・オブ・サイレンス 2.0
51 ポーカー・フェイス/裏切りのカード 1.9
52 アバウト・ライフ 幸せの選択肢 1.8
53 サン・セバスチャンへ、ようこそ 1.8
54 VESPER/ヴェスパー 1.5
55 フィスト・オブ・ザ・コンドル 0.5

番外
QUEEN ROCK MONTREAL 5.0
私ときどきレッサーパンダ 5.0
FLY! フライ! 5.0
π〈パイ〉 デジタルリマスター 2.0
ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター版 1.5

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ego

5.0まるで映画のような映画

2024年3月21日
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鑑賞方法:試写会

ドキュメンタリー風な映画を想像していましたが、とても1人の人生に起こった出来事とは思えない!!
怒涛の展開の連続は“まるで映画みたい”
ポップで笑えるジェットコースタームービーでした!

あれよあれよと言う間に転がっていく様は、まるで何かに吸い寄せられているかのよう。
これまでの出来事がラストの歌に集約されて…全てはこの為にあったのかと思えます。
この世に起こる良いことも悪いことも全てが映画になるように、全ての出来事もラップとして昇華される。
理不尽な世の中に苦しんでいる人たちや道を踏み外した人たちの魂のはけ口であり、応援歌。
DJマエストロのトラックが素敵すぎて、普段ラップを聞かない私の心にもずっしりと響きました。

生い立ちからして、かなりヘビーな内容の社会派映画な筈なのに、テンポ良くユーモアを交えながら描いているので重くなりすぎない。
ケンカと友情と初恋の青春映画だし、法廷劇ですら笑えます。
いろんな要素がてんこ盛りで、ジャンルに縛られない映画なので間口が広い。

もしかして、ドキュメンタリー風にしなかったのは、この映画の作りそのもので“ラップ”を表現しているからなのかも?
ラップはノリの良いリズムが大事だし、韻をふむ言葉遊びのユーモアも交えつつ、語る内容はあくまでもハード。
今までにない興奮と感動が詰まった“ラップムービー”を体感しました。

ファティ・アキン監督の、シーンの空気が変わる瞬間が大好きなのですが、今回もあります!
ハッとさせられたり、ゾワッとしたり。
とても美しいシーンもあるし、とても力強いシーンもある。
お気に入りのシーンを語りあいたい。

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shiron