「もう一回観たい!!」チェンソーマン レゼ篇 はなてんさんの映画レビュー(感想・評価)
もう一回観たい!!
映像表現の面白さ、楽しさが気持ち良くても(もう一度観たい!)と感じさせる。
基本的に人が傷付けられるグロい映画は嫌いだが、この映画はその感情よりも(気持ち良さ)を刺激する何かがある(これはタランティーノの映画にも感じた感情だ)。
この映画を観る予習として原作漫画を5巻まで読んだが、原作のもつ独特な「間(ま)」が映画にも表現されていて、「これがこの作品の魅力なんだろうな」と思った。
この作品の持つ「間(ま)」により、日常的なシーンと非現実的なバトルシーン両方を温度差なく楽しめる事が出来たように思える。
監督の演出とレイアウトは秀逸だ。どのコマも一つの静止画として見ても非常に説得感がありカッコ良かった。長尺で描かれるチェーンソーマンとレゼとのバトルシーンは有機的で迫力の中に美しさが感じられた(これは時空要塞マクロスの戦闘シーンを観ていた時の気持ち良さを思い出させた)。
戦闘シーンで惜しかった場面は「台風の悪魔」を倒すシーン。「台風の悪魔」の本体はあまり動きがないので、この場面では少しトーンダウンしたように感じられた。
【永井豪のデビルマンとの世界観の違い】
デビルマンの漫画の中では、人間は襲い来る悪魔の恐怖により狂い、人間自ら世紀末の世界へと突入していく。それに対してチェーンソーマンはいくら悪魔が暴れようが世界は普段通りの日常が繰り返される(つまらない映画は上映され、客の来ない喫茶店は営業し、人は朝にトーストと目玉焼きを焼いて食べる)。
両者のこの温度差が、現代に生きる人の(生き辛さ)を表しているのだろうか。。。
友達がたとえ悪魔で自分を殺そうとした相手でも、(ま、いっか)と許せるのが今の若者の感覚なのだろうか??
現代に生きる人が日常的に浴びる情報量が昔と比べて余りにも多すぎる為、日々に感じる「喜び、憎しみ、悲しみ、」といった感情を必要以上に引きずらなくなってしまっているのだろうか??
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