劇場公開日 2024年4月5日

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「アメリカの話ですが日本のプロレスも同じで、栄枯盛衰は避けられないと」アイアンクロー 大岸弦さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0アメリカの話ですが日本のプロレスも同じで、栄枯盛衰は避けられないと

2024年4月10日
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鑑賞方法:映画館

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アイアンクロー

神戸三宮にある映画館 kino cinéma(キノシネマ)神戸国際にて鑑賞2024年4月9日(火)
パンフレット入手
解説
日本でもジャイアント馬場やアントニオ猪木らと激闘を繰り広げ、鉄の爪=アイアンクローを得意技としたアメリカの伝説的なプロレスラー、フリッツ・フォン・エリックを父に持ち、プロレスの道を歩むことになった兄弟の実話をベースに描いたドラマ。
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ストーリー
ヒール(悪役)のプロレスラーとしてドサ周り興行に参加していたフリッツ・フォン・エリック(ホルト・マッキャラニー)は、妻と子供たちを養うために自らのプロレス団体を設立。息子のケビン(ザック・エフロン)らを花形レスラーに育て上げようとしていた。

1979年、ケビンがNWAテキサス州ヘビー級チャンピオンとなる。フリッツはケビンを賞賛しつつも「これはまだ第一歩」だとさらなる鍛錬を積むように命じる。フリッツは早くに長男を亡くし、次男のケビンを筆頭にしたプロレス界最強ファミリーを作り上げようとしていた。
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ケビンに続いて三男デビッド(ハリス・ディキンソン)のリングデビューが決まり、大学生の四男ケリー(ジェレミー・アレン・ホワイト)は陸上競技のオリンピック代表選手として日々トレーニングに励んでいた。しかし1980年、アメリカ政府がモスクワ五輪のボイコットを宣言、活躍の場を失ったケリーは実家に舞い戻り、父フリッツの勧めで家業であるプロレスラーになることを決意する。
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フリッツはケビン、デビッド、ケリー兄弟をレスラーとして売り出し、次第に華のあるデビッドとケリーに人気が集中していく。ケビンは自分に向けらていた父の期待が弟たちに移っていることを敏感に察知するが、嫉妬に駆られる感情を抑え込み、ストイックに弟たちを支え続けていた。そんなケビンにとっての心の安らぎは恋人のパム(リリー・ジェームズ)の存在だった。パムが妊娠し二人は家族の祝福を受けて結婚式を挙げる。

デビッドは一家の念願である世界ヘビー級タイトルマッチに挑戦する日を間近に控えていたある日、巡業先の日本で急死してしまう。家族は悲嘆に暮れるが、父フリッツは悲しみを乗り越えて先に進むように子どもたちを叱咤する。
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デビッドの追悼興行でヘビー級タイトルマッチが行われることになり、フリッツはコイン投げでケビンとケリーのどちらかが出場するかを決める。選ばれたケリーは王者リック・フレアーを倒し、ついにフォン・エリック家から世界ヘビー級王者が誕生した。しかも喜びは束の間、ケリーはバイクの事故で片足を失ってしまう。
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「フォン・エリック一族は呪われてる」というジンクスを恐れるようになったケビンは、生まれてきた子供にデビッドと名付け、父親が改姓する前の「アドキッソン」姓で出生登録をする。一方ケリーの事故によって、ミュージシャンを目指していた五男のマイク(スタンリー・シモンズ)もレスラーへの道に足を踏み入れるが、試合中に負傷して病院に担ぎこまれてしまう。マイクは後遺症に悩まされ、周囲の期待に耐えきれずに衝動的に命を絶ってしまった。さらに義足で復帰したケリーも、手放せなくなった鎮痛剤の中毒症状に苦しむようになり、実家の庭で拳銃自殺を図る。
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気がつけば、兄弟で生き残ったのはケビンただ一人となっていた。それでもなお悲しみを拒絶し、強さを誇示しようとする父フリッツを目の当たりにして、ケビンはついに、人生最大の決断をするのであった。

大岸弦