劇場公開日 2024年4月5日

「寄り添うことの大事さ」アイアンクロー ニコラスさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0寄り添うことの大事さ

2024年4月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

フリッツ・フォン・エリックが「鉄の爪(アイアンクローではないのですよ)」を馬場さんのこめかみに食い込ませ、ダラダラと血を流させたシーンも、その息子たちが全日のリングに登場し、裸足のおにいちゃんがいたとか、兄弟全員が強かったわけじゃなかったとかをTVで見ていたワタシにとっては懐かしさもありましたが、呪われた一族のストーリー全てあ知らなかったので、観ながら肌がゾワゾワしました。
死んだら楽かなぁと思ったことはあっても、死のうとしたことは無いワタシなので、死のうとしたのに死にきれなかった奴は、もうその後死のうと思わないだろうなんて高をくくっていたのに、その身内にある日あっさり逝かれてしまい「なにかできなかったのだろうか」なんておいてけぼり感に苛まされていた立場からすると、両親の立ち位置が全く理解できませんでした。
自分の希望(いや野望?妄想?)を押し付けるだけで、悩み事は「兄弟で話し合え」と投げっぱなしジャーマン的な父、そんなフリッツの事を言葉だけはラブラブ的に語りながらも全てを神に委ねる母、どちらも究極の胸糞悪どもに感じました。
先に逝ってしまった兄弟たち(5歳で亡くなったジュニア以外)は、父への信仰心と、その洗脳が解けた後、どうすればよいのか自己を形成することができなかったのかもしれない、純粋さが産んだ耐性の弱さだろうか、とても悲しかった。
一人残ったケビンだが、彼は愚直に努力する勤勉さ、裏を返せば才能の無さ、そして兄弟に寄り添うことのできる愛情の深さ。そんな彼だからこそ得られた伴侶に寄り添ってもらえる心の支えによって呪いから解放されたのではないだろうか。
本当に悲しい実話ベースの作品だったけれど、ケビンが大家族に恵まれて良かった。
重厚な家族の物語でした。

余談ですが、リングに登場した「シーク」役の人、エンドロールを眺めていたら「チャボ・ゲレロJr.」の文字が、うーん、懐かしかった!

ニコラス
トミーさんのコメント
2024年4月10日

コメントありがとうございます。
WWEはNWAやAWA、過去の映像を保存しているようですね。鉄の爪一家で殿堂入りは、プロレスの業の意味からも真っ当だと思いました。

トミー
ゆ~きちさんのコメント
2024年4月10日

やっぱり日本のプロレス人気はすごいですね。みなさんの記憶に焼きついたレスラー、偉大な一家だったんですね。

ゆ~きち
ゆ~きちさんのコメント
2024年4月10日

共感ありがとうございました。

プロレス少年には刺さりますね。かなりリアルな役作りだったのでは?

ゆ~きち
sow_miyaさんのコメント
2024年4月9日

ニコラスさん、共感ありがとうございました。ザ・シーク! チャボ・ゲレロ!
全日観ていた世代には懐かしいですよね!

sow_miya
トミーさんのコメント
2024年4月9日

共感ありがとうございます。
テキサスという土地柄も多分に有るのだと思いますね。保守的、ゴリゴリの共和党地盤、銃規制に根強く反対、反面キリスト教信仰は篤い。プロレスでも地域格差が有るんでしょう、全米一強団体になってやっと呪いは解けたのかもしれません。

トミー