「レクイエムカット」アイアンクロー 蛇足軒妖瀬布さんの映画レビュー(感想・評価)
レクイエムカット
おもてたんとちがうー。
父フリッツが、
悪役レスラーらしく、
極悪非道、傍若無人、
そんな父を子どもたちが乗り越える・・作品、
まったく違った。
家族思い、
子どもたちへの深い愛、
ゆえの、
厳格さ、
からの、
悲しい実話ベースのストーリーだった。
作る側の愛情も深く、
長い鎮魂カットに、
心を震わされた。
長い鎮魂カットとは。
昨今の映画では、
5秒以上の長いカットは、
基本的に少ない、
周知の事実なので、
理由はここでは触れない。
本作では、
60秒以上の長いカットが
(それ以上かもしれないし、
以下かもしれない)数カットあった。
デビッドの最期の前のカット、
マイクの最期の前の、、
ケリーの最期の前の、、、。
それぞれ、
トイレ、リング、ベッドサイド、
延々と長回しをしていた、
1秒でも1コマでもいい、
長く話していたい。
マイクの最期の前、
リング上で、
ケビンとケリーが練習、
遠くには懐中電灯の灯りが、、、おそらくマイクだろう。
(遠くて懐中電灯の灯りは写らないと推測される、かなり大きなライトを点けているのだろう、技術的には疑問が残るが、思いが技術を超え、常識を破る必殺技だ)
これらの鎮魂カットの、
デビッドで1、
マイクで2、
ケリーで3、
ゴングが響きつつ、
座席から立てなくなった。
ラストの子どもたちに救われた気にもなった。
長いカットや暗いシークエンスは、
良くない評価も出るだろうが、
そんな事に一喜一憂しない、
A24ブランドの必殺技を生み出すスタンスなんだろう。
【蛇足】
本作の三男ケリー、
ジェレミー・アレン・ホワイトが、
スター街道爆進中!
成績優秀だけど気持ちで動くナイスガイ、
ゆえに苦労が多いリップ。
イアン、デビー、カールにリアム、もちろんフィオナも応援してそう・・・
『シェイムレス』
『一流シェフのファミリーレストラン』
カーミー、
そして、
ボス、
ブルース・スプリングスティーン!
うれしい!
ダイナマイトキッドやマスカラスの映画、
日本で公開しないのかなー。