「スタッフ、出演者の作品に対する情熱だけではない」侍タイムスリッパー たろうさんの映画レビュー(感想・評価)
スタッフ、出演者の作品に対する情熱だけではない
恥ずかしながらテレビや新聞など見ておらず、これがアカデミー賞を獲ったことを知らずに仕事が終わってアマプラで見ました。
最初のシーンで口とセリフが合っておらず、おや?と思ったのですが、その後は主演俳優の演技に惹き込まれ最後まで休憩を挟まず視聴できました。
女優さんも始めて見た方だったので、途中で低予算の映画だとは思ったのですが、まさか自主制作映画だったとは、、、、基本アマプラで見るときは途中で「んなことあるかい!」ってストーリー展開だったり、辻褄が合わないなと思ったら休憩をいれるんですが、この映画は自然に感情移入ができました。しいて言えばポスターの横書きの文字や数字を普通に読んでしまうところに違和感を感じたぐらいで、あとは非常によくできた脚本だと感じました。
正直最近の日本映画は見終わったあとに「俺は2時間何を見せられたんだ、、、」という映画が多い、特に予算をふんだんに使った作品。
色々大人の事情もあるのでしょうが、原作を改変して変なふうになっちゃったり、俳優や女優をかっこよく、美しく魅せようとしたり、「ちがうだろ」って演出が多かったりします。
その点この映画はなんのしがらみもなく、監督が、俳優が、自分たちが撮りたいもの、見てもらいたいものを作り上げているように感じました。
しっかりした役者と監督がいれば、予算はなくともここまでの映画が撮れるのだと。
特に主役の山口さんの演技は素晴らしい。
本当は主演男優賞も獲っていておかしくないんでしょうけど、それではあまりにも無双すぎるので、、、
見終わったあとの満足感は自分の中ではかなり大きなものでした。
その後、アカデミー賞や自主制作映画、携わった人のエピソードなどを調べてみるとさらにもう一回見ようって気にさせてくれる映画です。
なかなか、使えたいことは書ききれませんが、日本映画にとって、希望のようなものをかんじました。
ありがとうございました。
はじめまして、みかずきです
本作、安田監督が脚本を東映にみせて東映京都撮影所の全面協力が得られたようです。よほど脚本が素晴らしかったのでしょうね。
本作のようなインディーズ作品が、日本アカデミー賞最優秀作品賞を獲るなんて夢のようです。まさしくジャパニーズドリームですね。