「時代劇に真剣に向き合う侍ふたり」侍タイムスリッパー Tone Rinaさんの映画レビュー(感想・評価)
時代劇に真剣に向き合う侍ふたり
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めちゃくちゃ面白かった!
《会津藩の侍が、現代の時代劇の撮影現場にタイムスリップし、それを機に斬られ役者として成功を遂げていく。時代劇の大物俳優と映画を撮ることになるが、その正体は、まさかのタイムスリップする前に相見えていた長州藩の風間という侍だった。》
設定からしてめちゃくちゃ面白くて、心掴まれました。ベタなコメディ要素も終始心地良かったです。映画館で笑いました。
高坂が風見との撮影中、タイムスリップ後の史実を知ってしまったこともあり、かつての侍としての心を思い出す。けれども、再度風見と真剣で相見えた時、現代を生きる自分の役割に気づく。それは、「今を生きること」。斬られ役者として、自分が今できる最大限の仕事をすること。
今作は、映画やドラマを作る人への賛歌のようにも感じられた。歴史の中で実際にあったその時代の文化や風習、実在した人物の物語を伝える、後世に残すことの意味。今年公開された映画『あんのこと』で、私は今は亡き人でも映画の中で生き続けられることを痛感しました。映画と真剣に向き合う尊さを、高坂と風見という侍、そして製作に関わる人々から教えてもらった気がします。
私は今までほとんど時代劇をみたことがないけれど、今作を見た後では確実に見方が変わってくると思います。
最高の一作です。
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