「すごいもん見たって気もするけど、何より楽しく見れるのが良い」侍タイムスリッパー ごはんさんの映画レビュー(感想・評価)
すごいもん見たって気もするけど、何より楽しく見れるのが良い
なにやら話題のようなので鑑賞。
時代劇とか名前は知ってても、ほぼ全く見たことないし、侍がタイムスリップだ?どうせ現代のテクノロジーに侍がびっくりの問題起こしーの…みたいなやつだろーって思ってたけど、1割くらいはそんな感じもあったけど、ほぼそうじゃない。
そういうことでいうと本作の侍は結構冷静で観察力があるかもしれない。
また本作時代劇を題材にしているけど、歴史物ではないので、歴史に疎くても、問題ないし、時代劇も別に詳しくなくても是非って作品
「意外と順応するし、周りも受け入れる」
タイムスリップもので良くあるその時代の文化にてんやわんやするシーンが意外と少ない。現代の食事の美味しさ、テレビの時代劇に夢中ってくらいの印象。
そして周りも事故で頭ぶつけてるから&日頃から侍になりきって俳優の鑑的な扱いですんなり受け入れ、周りに変な人扱いされるみたいなのもほぼない。
最も意外なのが自分がタイムスリップしてきたと言うことを特に説明しないこと。
いつの時代から来たとか説明しがちだけど、そういうの一切なかった気がする。
このあたりタイムスリップものにしては珍しい気がするし、新鮮味があった気がする。
「割とベタなお笑いが多い」
そう書くとつまらなそうだけど、これがなかなか面白い。
主役キャラ、表情がなんとも愛嬌がある感じのせいかもしれない。
「真剣での立ち回り」
笑いありで、なんだかんだあり、本作の見どころはここで間違いないでしょう。
真剣での立ち回りに劇中の人物たちに緊張感が走るが、始まるまでの間の取り方で一気に鑑賞しているこちらもその緊張感に飲み込まれてしまった。
その雰囲気からこの撮影本当に真剣使ってるんじゃないか?なんて思ったりもした。
そう思えるだけの演技と立ち回り素晴らしかった。
「総括」
笑いとしては割とベタなボケだったりするけど、こんなに面白かったのはきっと絶妙な間とか役者の方の表現が良かったからだと思う。おっさんなのになんだか可愛らしい感じすらした。
そして“間”の取り方ということで言うとやはりラストの撮影シーンの睨み合いの“間”があまりにも印象的。
長すぎるくらいのあの時間によって、ただ事じゃない、劇中の空間に引きずり込まれるようだった。
その瞬間、劇場な観客もその撮影を見守る劇中のスタッフたちと同じ気持ちだったのでは?
そしてラストも本作らしい軽く笑えるようなボケで終わらせてくれたのもとても良かった。
時代劇ぜんぜん見ないくせに言うのもアレだけど、時代劇自体なくなっちゃうとそれはそれで寂しいよなぁ。
それと同時に本作とは関係ないけどマツケンサンバという形で時代劇の要素を残し続ける松平健さんはそれはそれですごいなぁと思ったり…
すごいものを見た気もするけど、同時に楽しいものを見れたと言う気持ちで劇場を出れたのがとても良かった。
話題になってるのなるほどな作品でした。