「これは応援したくなる映画」侍タイムスリッパー La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
これは応援したくなる映画
久しぶりに、「この映画は広がってほしいなぁ」と言う作品に出会いました。そして、上映後に客席から自然と拍手が湧きあがったのも久しぶりです。そんな映画が現在、日本でたった2館でしか上映されていません。
幕末の会津藩士がタイムスリップした先は、何と現代の京都太秦映画村だったと言うお話で、彼はそこで時代劇の斬られ役として生きて行くのです。そのプロットから想像出来るようにお話のベースは緩く、各所に笑いのポイントも設けられています。しかも、結構ベタな笑いもあるのですが、決してベタベタせずカラリとした仕上がりなのです。また、「映画の映画」「時代劇」と言えばお約束とも思える役柄の人々も登場するのですが、皆さん穏やかで優しい口当たりです。だから、終始ニヤニヤしながら穏やかな気持ちでスクリーンと相対する事ができるのでした。そこには、本作出演・制作の皆さんの「観ている人々に楽しんで欲しぃ~」という思いが溢れていて、それがこちらにしっかり伝わって来るのです。
しかし、「チャンバラは本気だぜ」の覚悟は全編通じて揺るがないので物語がぶれないのでした。
ユルユルと楽しませて貰い、中盤で「あっ」と驚かされ、終盤にはグッと胸を衝かれ、ラストシーンで「うわぁ、遣られたぁ」と白旗なんて最高じゃないですか。これから徐々に上映館が広がって行くのは間違いないと思うのですが、キャストもスタッフもお一人も名前を存じ上げなかった方々が少しでも経済的に潤い、新しいチャンスに繋がります様にと祈らずにはおられません。日本中に拡がれ!
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