「最後は愛なんだよ、何事もきっとね」侍タイムスリッパー サスペンス西島さんの映画レビュー(感想・評価)
最後は愛なんだよ、何事もきっとね
2024年劇場鑑賞69本目 傑作 77点
池袋シネマロサにて2週間ほど公開し、満を辞して川崎チネチッタにてDX版と題して非公開カットを加えた完成版を、チネチッタ公開初日の舞台挨拶にて鑑賞
作品についての言及は、これほどまで大きくなったので多くは語りませんが、唯一述べるとするなら今作のアイデアはもちろん秀逸な上で、巻き起こる主人公のリアクションと現代(観客の感覚)のギャップから生まれる面白さと、そこで生き抜く上での真剣さの振れ幅が今作の老若男女わかりやすく受けた所以だろう
また、老若男女みんな揃って笑う光景が、コロナ禍を超えてまた少しずつ映画館に人が増えたきた現代に、たまたま同じ地域に年齢も性別もバラバラの人たちがその瞬間だけ心が通いあったような感覚は、劇場鑑賞ならではと改めて実感した
そういえば、今作主演された山口さん出演のドラマであるcrisisを見返した
小栗旬や西島秀俊は勿論、野間口や藤原季節といったバイプレイヤーの活躍も目立つ中、当方2025年1stクール(1月から3月)で1番期待していた作品、"敵"主演の長塚も重要な役柄で、当時大変楽しめた感動を再確認した
舞台挨拶でも語られたり、公開前から上がっていたインタビュー記事に、完成や編集後の残高が¥7,000だったり、ロケ先での俳優部や制作スタッフの宿や昼飯をケチらず、監督自身は質素に小さい車で移動や窮屈な思いをしてでも、現場の人やや自らの夢を応援して協力してくれる人々に感謝を惜しまない姿勢やその裏話以外の人を動かす力は、登壇された時に感じた謙虚だけど胸の内に熱いものを秘めている様が印象的で、それは人々を魅了し総合芸術の先頭として立ち、みんなが熱量と気持ちを持って結晶になった今作がデラックス版として2館目のチネチッタでの公開が決まったことや、今後も拡大が決まっていると静かに述べていた姿を、うんうんと固唾を飲んで聞いていた登壇されていた役者陣のまっすぐさにやられました
話題性と、何年かぶりのカメ止めの再来!?とアクセントになりやすい部分もあってのノミネートかもしれないが、日本アカデミー賞ノミネートおめでとうございます
物語としても、今作の秘話も、金や見えない力よりも、最後に人を動かすのは愛なんだよと信じさせてくれる体験であった
是非