ラストマイルのレビュー・感想・評価
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働く人々の格好良さ
登場人物がみんな、それぞれの仕事を全うすることで事件の真相に辿り着く過程が熱いです。
野木さんは市井の人々の格好良さを描くのが本当に上手い脚本家ですね。
アンナチュラル、MIU404のメンバーの出番は想像していたより少なかったですが、ドラマを見ていた人にとっては「あの人だー!」ってなるキャラクターたちが要所要所に出てくるので満足度は高いです。
特に久部と志摩と伊吹が会話するシーンはテンションが上がる!
伏線の張り方、回収の仕方、いずれもお見事でした。
あまり細かく説明せず見る人の解釈に任せるシーンも多いので、何度も観て考察を楽しみたい映画です。
テンポのいい展開と現代社会に問いかけるテーマの重さ
「MIU 404」(リアルタイム視聴)「アンナチュラル」(後追い視聴)を観て、どちらもその作品にしかない世界観に魅了されたので、初日に観ました。
やっぱり脚本がいいですね!テーマや間、心情理解などが役者の方としっかりマッチしているからこそ、この作品ならではの雰囲気を醸し出してます。
上記2作品のメインキャストの方も無理のない客演をされていて、安心して観られます。とはいえ、メインは本作のキャスト。満島さん、岡田さん、阿部さん、そして火野さん・宇野さんが印象に残りました。いやぁ自然。
運送業界のことも入念に考証を重ねていることが伝わります。消費者は気楽に注文したり何となくトラックを見かけたりしますけど、その裏には文字通り忙殺される人々がいるんだなぁと改めて実感。
運転中ゆっくり進むトラックが前方にいても、イライラせんで「思いやり運転」しようと思いました🙂
面白いです!
圧倒され続けた2時間
全国一斉試写会にて鑑賞しました。
印象に残ったことをあげるとしたら
・テンポがとても良い
・スケールが大きい
・流石の演技力で引き込まれる
・過去ドラマもちゃんと存在感がある
ドラマの時から思っていましたがちゃんと中身があってギリギリまでわからなくてもちゃんと完結する、モヤモヤしたところはなく順番に明かされていきます。
私たちの生活でもいつまでに購入すれば◯までに到着しますと迅速なネット通販。私は地方に住んでいるのでなかなか即日に受け取ることはできないため急いで指定することもないのですが、配送業の方たちの業務の過酷さを感じました。会社の理念に関するところももう一度ゆっくり噛み砕きながら見たいところです。誰かが便利に使えればどこかで大変な思いをしている人がいるという当たり前のことを改めて考えたりもしました。通販会社、運送会社それだけでもものすごい大人数でスケールの大きさを感じました。システムだったりどのように撮影したのかすごく気になりました。
出演者みなさんがトップに名前が出てくるような大物女優、大物俳優なので舞台挨拶の中継の時は端っこにいるのが新鮮だな、役以外でお話ししてるのはあまり見たことないなと思いながら見ていました。一番印象に残ったのは岡田将生さんのお腹がなってしまいその反応が非常に可愛かったこと、ネットに上がるよ、と皆さんのトーク力がさすがでした。(実際すぐにネット記事に上がっていましたね笑)
アンナチュラル、MIU404と同じ世界線でのストーリーとのことでどのような感じで入ってくるのか、映画の尺もあるからほんの少しなのかと思っていましたがちゃんと働いていました。これだけのことを想定して構想したり小物を再び集めたり、脚本を書かれていたりあの時からずっと同じチームで働いていたようなUDIラボ、4機捜メンバー、プロデューサー陣、関わる全ての人の愛だなと思いました。
ドラマでもそうでしたが、普通に見ているのにある一言で、ある行動で私はポロポロ泣いていました。今回も急にボロボロと涙が込み上げてくるシーンもありました。ドラマのファンはもちろん、見ていない方でも(実際私はMIU404は見ておらず試写会後に見ました)楽しめる内容です。
拙い文章で長々失礼しました。
すべてはお客さまのために
猛スピード展開!
「アンナチュラル」「MIU404」未見。ストーリーは面白かったので星4つにしたがとにかく展開が速い。事態が事態だしスピードを求められる流通業界なのでその雰囲気を出すためかなとは思った。そしてあれだけの豪華キャストは嬉しいが当然掘り下げが分けられてしまうので印象が弱くなり残念。
山崎のデータを消し去るエレナ。この行動は何?と当然なったが次々に起こることに素早く対処するエレナの姿に私の頭では状況処理が追いつかず、疑問を置いて行かざるを得なかった。結局あの時点ではエレナ自身も意味が分からなかったことが明かされるがその会話もあっという間で深さが弱ってしまう。
映画は面白かった。流通業界の闇にも触れている。しかし「詰め込み過ぎ」を否定できない。
ラストの道元は山崎の身になってあの時を思い返しているように見えたが新センター長と言われた孔に笑顔はない。怯えているようにさえ感じる姿に、孔も壊れる日が来るのかと恐怖を覚えた。
私にできることは?
「アンナチュラル」と「MIU404」が大好きで、現在、物流業界のシステムに携わるエンジニアとして働いています。
「ラストマイル」見ないわけがありません。
見終わった後、同じくドラマファンの友人と「伊吹、志摩出てたね!ミコト〜〜〜!!♡」と盛り上がるはずでした。見る前までそう思っていました。
でも見終わった後、そんな気分にはなれません。
物量業界が抱える問題に真正面から切り込んでいて、現在、この業界で働いていてもその視点は無かったと反省しています。
今回の爆弾テロ事件が起きた原因も物流業界が抱えている問題が起因している。ただイタズラに、荷物に爆弾が仕掛けられたわけじゃない。
この負の連鎖を断ち切るためにはどうしたらいいんだろう?
この爆弾テロ事件が起きないようにするためにはどうしたらよかったんだろう?
考えても考えてもすぐには答えが出ませんでした。
「ラストマイル」
安易に面白い作品だよ!とは言えないかもしれません。
でも、いろんな立場の人がこの映画を見た後に、この映画が伝えたかった何かを少しでも受け取れたらいいのかもしれません。
このレビューのタイトルにもした、
私にできることは?
もともと、別の業界でエンジニアをしていましたが、物流業界の仕組みに興味を持ち、物流業界が抱える問題を知り、ITの力でこの問題を少しでも解決したいと思い、転職したことを思い出しました。
ただの自己満足にしかならないかもしれないけれど、この映画から感じ取ったものを、これからの自分の仕事でわずかでも還元していきたいと思います。
流通業界の問題点に果敢に切り込んだ映画!!(展開が早くて大変‼️)
巨大な世界的物流センターを舞台に、手荷物が爆発して恐怖に
混乱する人々の群像劇。
「アンナチュラル」と「MIU404」ともクロスオーバーして、
“アベンジャーズみたいな映画”、と、
ジャパンプレミアムで岡田将生さんが言ってましたよ。
(しかし決してお祭り映画ではなくて)
巨大物流センターの闇や影そして問題点を柔らかい口調で
描いて見応えある社会派作品に仕上がっています。
前半は怒涛のエネルギー。
宅配便のドライバーが届けた荷物が、次々と爆発して、
爆死したり大怪我したりで、
その恐ろしさに、もう引き込まれました。
ブラックフライデー(11月末の金曜日からの1週間)
ブラックサンデーは物流(特に感謝祭の関係なので、
欧米の慣習ですから)の稼ぎドキ、物流業は盆暮に匹敵する
稼ぎどきです。
そこに悲劇があるのですね。
巨大物流センターで正社員の事務職はセンター長にチーム長を
含めてたったの7人で回してる。
(短期バイトは何千人なのですから、いかに多忙さと荷物が多さが
わかりますね。)
物流業界がブラック企業化している。
そのことが本当に身に染みました。
大好きな阿部サダヲさんの社長に言ってしまったひとことや、
ラストのエレナセンター長の粋な計らいにも涙、涙。
新任したセンター長の満島ひかりは、警察にも正論で反撃して、
何せ警察組織の機動力を巻き込んで、爆弾物混入荷物の
探し出しを警察に手伝わせる・・なんて、
向こっ気の強さに惚れ惚れしました。
また部下となったチーム長の岡田将生は笑わない暗めの役、ですが、
パソコンのエキスパートで、センター長の秘密を暴き出します。
満島ひかりは、あわや、もしやの・・・と、裏のありそうな役。
何やかやと曰くありげです。
宅配便の扱う一個あたりの配達料が百五十円と聞いて、だろうなぁ、
と思いつつ、私が、Amazonや楽天でポチッとした荷物。
★30分でも早く手元に!!
★10円でも安く!!
と選んでます。
再配達なんて無料なのかな?
(置き配利用してますが、)
本当に荷物は数個まとめて頼む。
置き配にして再配達を減らす。
(努力したいと思いました)
それにしても豪華なスターの競演。
「アンナチュラル」のUDIラボのメンバー。
「MIU404」の西武武蔵野署のメンバーたち。
(どちらのドラマも見てました。)
ラボも武蔵野署もきちんとストーリーに絡んでいます。
この大所帯を2時間で、だれずに緊迫感の持続する演出、
脚本の野木亜紀子さん、監督の塚原あゆ子さん、
プロデューサーの新井順子さん。
素晴らしい熟練の技でした。
Blabo‼️
お見事です。
ちょっと頭がつかれるけど
作品を通して伝えたいことはよくわかった。
ただ、ディテールをちゃんと追うと、
テンポ、展開が早すぎてちょっと理解が追いつかない
なんでそうなる?というツッコミを入れたくなるところがあり、
もう1回ぐらいリピしようかと思う。
まさに2024年に公開されるべくして公開された作品。
大量消費を促す小売業界とそれを仕方なく支える物流業界との
軋轢に対するアンチテーゼ。
アメリカも日本も世界を代表する経済大国。
ただ、その起こりが、アメリカと日本とでは根本的にちがい、
消費社会とか経済大国と呼ばれる国の正義とはなにかの認識が
両者でちがっているということがいちばん訴えたいことだったのでは?
と、個人的には捉えた。
物語の真実をあえて演出によってミスリードをして、
意外性を強調しようとした意図が見え隠れするところは、
ちょっとマイナスポイントだけど、それを加味しても★4
Amazon社員
ワクワクとドキドキ、そして切ない。
スタートから何かあるんだとドキドキして見てました。
結構なスピード感で話が進んでいきます。
テレビで見ていたアンナチュラルやMiU。
スクリーンに登場した時は、もうワクワクしてました。
ストーリーも上手く練られていて、見応えあります。
色んな伏線があって、回収する心地よさは健在でした。
欲を言えば、アンナチュラルやMiUがどんどんストーリーに
もっともっと絡んでほしかった。
ファンとしては、うざいくらいにね。笑
そしてまた、こんな素敵な同じ世界線の続編を期待したい。💞
観客にはストレス 与えないで〜
シェアード・ユニバース。「アンナチュラル」、「MIU404」,そして今作「ラストマイル」。最近増えてきたユニバース、その絡み具合をどの程度期待するのかは人それぞれだが…。
最近日本でも定着してきた『ブラックフライデー』。爆売れして黒字になるかららしいが、「黒字」という単語は思い浮かばない。ブラックといえばブラックでしょう。映画のECサイトはすごいブラック企業だった。
この会社はセキュリティーが凄そうだが、センター長は購入しているとはいえ、在庫を自室に運び寝泊まりする。他人に厳しく、自分に甘い。隠蔽もしようとした。こんな大事件なのに本部から誰も来ない。責任押し付け企業。映画を観ている私にもすごくストレスを与える。
でもストーリー的にはミスリードや伏線回収もあって納得ではあるが、なんかモヤモヤ感は残った。
「アンナチュラル」が凄すぎて、ね。
ユニバースといっても警察と監察医がたまたまこの映画に出ているぐらいで、各々がガッツリ絡むのならユニバースの価値はあると思うけど。それなら秘密にしておいてくれた方が良かった。
期待していた通りの映画
「アンナチュラル」は見てたけど「MIU404」は見てない、ライト視聴者です。
畳み掛ける会話劇と、凄惨な事件の複数発生、大量の伏線と怒涛の回収。
期待していた通りで、面白かったです。
ツッコミ所は勿論あるし、情報処理が追いつかないところ、聞き取りきれないところ、たくさんありました。各ドラマのキャラを総出演させることで散漫になってる感も。
でもそのあたりも世界観の一部として捉えられたし、最後まで予想がなかなかつかない展開で飽きさせないのがさすがです。
また、ブルドーザーのように仕事するエレナさんは、こちらも観ていて気持ちが良かった!登場人物みんな魅力的。だからこそ無理してドラマキャラを登場させずに映画の人物をもっと観たかったな〜とも思いますが、このあたりはファンサービスなのだろうし、しょうがないか。笑
生活を支える流通の大切さにもまた改めて気付かされ、配送業者の皆様のありがたみを実感。再配達などでお手間をかけないよう、気を付けます!
痛烈なAmazon批判に脱帽!
「アンナチュラル」と「MIU404」いずれも観ておりませんが、
予告を観て面白そうだったので鑑賞しました。
舞台はAmazonの配送センターだろ!というくらいにおそらく酷似している会社
なのですが、実にリアルと言いましょうか、
アカデミー賞受賞作品『ノマドランド』の主人公が働いていたAmazonを思い浮かべてしまったので
きっとああいう感じなのでしょうね。Amazon。
連続爆破事件の導入からグイグイ引き込まれまして、
前半から伏線がはられまくりながら、コンフリクトも次から次に発生しつつ、
伏線がきれいに回収されていくという、なんとも気持ちの良い作品なんですね。
やはり脚本の野木亜紀子さんの手腕が光っているのだと思います。
お見事です。
それに加えて、豪華な俳優陣。このキャストはすごすぎますね。滅多に見られないキャスト陣に驚きです。
主演の満島ひかり、岡田将生はもちろん、しょうへい親子の火野正平と宇野祥平、酒匂芳と大倉孝二の刑事コンビ、
そして阿部サダヲ。もちろんユニバース作品の主役級登場人物も素晴らしいのですが、
特に名前をあげさせていただいた役者陣が素晴らしかったですね。
128分の長編でありながら、全然飽きることがなく、むしろあっという間にラストを迎えるくらいに
見どころの連続でした。
今、ここまでの完成度の映画はなかなかないです。
ここ最近はハリウッドが頑張っている印象だったのですが、なんの邦画も素晴らしいですよね。誇らしいです。
そして、Amazonを批判しまくる姿勢も、私としては好感が持てました。
Amazonのみならず運送会社の待遇等もですね。
運送会社のみなさんへの感謝の念が絶えない作品でもあります。
久々に邦画の会心の作品を鑑賞できた気がします。
劇場もレイトショーで80%強の埋まり具合で、劇場に活気を呼ぶ作品でもありますので
多くの方に劇場で鑑賞いただけるとうれしいですね。
普段映画館に来なさそうな人がたくさんいましたけれど、みんな映画に釘付けだったため
マナーはとてもよかったですね^^
満島ひかりのクールな感じが好きだし、こういう岡田将生もまた新鮮で好きですね。
え!あれ!豪華すぎでしょ…でも好き(追記)
「アンナチュラル」「MIU404」大好きな作品です。続編でなく合作とは… え!凄い。ラストマイルの主演俳優さんも脇を固めた俳優さんも素敵でした。あれ!あの学生さんだったよね?アンナチュラル・MIU404からも登場してました。最初の爆破の伏線が悲しい。解剖された俳優さん個人的に大好きなので。隊長も好きです。とにかく、あの尺で豪華俳優人が繋がったな~と。伊吹は予言者でしたね。俺の生命線はながい
(ドラマの生命線!)ラストマイル作品内容は是非劇場で!リアル世界では配達の方へリスペクト!
>こんなに早いオカワリ鑑賞は、わたしの幸せな結婚依頼です。満島さん、岡田さん、最高です。本当に!
しかし‼️ますますアンナチュラル・MIU404の続編欲望がますばかり。∞ループに落ちていく。
なかなか見ごたえがあった満島ひかり
日本頑張れ!日本人頑張れ!
タイトルは私が思う、この作品のテーマ
(あえてパンフも読まずに書いているので間違っていたらとても恥ずかしい)
きっと予算的にはネトフリとかに全然及ばないだろう。それでもこれだけの大作を作れるクリエーターが日本にいてくれることがとてもうれしい。
あえて端的に言うなら「強く心に残る映画」、名作です。
野木脚本は今の日本の現状、とくに労働問題について正面から問題提起している。そして物流業界と某巨大外資ショッピングサイトについて相当しっかり取材し、何が問題なのかを強烈に訴えてくる。
彼女の脚本は予定調和を嫌い、無知を嫌い、人間を丁寧に描く。さらに「どうせこの先こんな感じの話なんでしょ」と安易なストーリーにはならない。先が読めないから上映中ずっと緊張し続けることができる脚本は少ない。そして、決して説教くさくならずエンタメとしてちゃんと成立し、物語の本質的なテーマが絶対にブレない。だから原作モノであってもファンを裏切らない。
テーマが重くてもエンタメとして成立しているのは塚原監督の技量も非常に大きい。テンポよくスタイリッシュでありながら、劇中音楽を含めてドラマの盛り上げ方がとにかく上手い。
個人的には異様なまでのリアルな描写(爆破シーンのけが、例の男性の大量出血シーン、焼死体の消し炭感)に手を抜かない。そこに「しっかり現実として感じろ」と言う強いメッセージを感じる。
そしてそして、彼女たちの能力をフルに発揮する場所を提供するプロデューサー、本当に素晴らしい。
岡田将生、満島ひかりの魅力が存分に描かれた本筋のストーリーも素晴らしい!出てくる役者が全員とても魅力的に見えるのもこの制作陣の作品の特徴でしょう。
アンナチュラル組もMIU404組もどちらもドラマの終了後もしっかりそこで生きていると思わせてくれる。
これが下手な作品だと過去が無い人間がいきなりその舞台に立つ。キャラクター造形の深さが全然違う。
映画もアンナチュラルやMIU404と同様、決して甘く終わらない。現実はとてつもなく残酷で弱者に厳しい。それでも、私たちが少しずつ「なにか」をすることで、自分の周りが、会社が、社会が、日本が変わってくれるのではないか、と信じたくなる見事なエンディングだった。
あとなにげに爆発のCG良かったです。あれがチープだとドラマ自体がチープになってしまうので。
強いて言えば404組の活躍がもう少しだけ欲しかった。
あでも大倉
でもまさか彼が新しいメンバーになってるなんて(笑)
情報量が多くてテンポも早いけど特に前半部分は集中して見て!
塚原監督、野木脚本、新井プロデューサーのタッグはやはり最高だなと改めて感じた。
無駄なシーンがなく2時間があっという間で、ハラハラドキドキ、クスッと笑えるシーンもあるけれど、見た後は色々考えさせられるものがあった。
ネットで日々欲望のままに特に何も考えずにポチっている身としてはまるで他人事とは思えなかった。
あのロッカーの文字について分かりやすい答えは描かれていなくて、人によって様々な受け取り方があるだろうし、他の方の考えも知りたくなった。
数箇所サプライズがあったが、途中で出てくるバイク便ドライバーに是非注目して欲しい、、
MIU404チームもアンナチュラルチームもお話の中で違和感なく出てくるのでドラマを見ていなくても全く問題ないと思った。(俳優が豪華すぎるのが違和感かもしれないが笑)
懐かしのメンバーが登場するシーンはやはり興奮してしまってその辺りの物語の内容が入ってこなかったので注意(?)伊吹のあの言葉をもう一度聞けたのが嬉しかった、、
火野正平さんと宇野祥平さんの親子は裏の主役という感じでとても良かった。
満島ひかりさんのお芝居には改めて感動したし、岡田将生さんのラストの表情はとても印象に残っている。
是非多くの人に見てほしい作品である。
細部までこだわりが感じられた本寸法のエンタメ作品
監督・塚原あゆ子、脚本・野木亜紀子のタッグでTBSで制作されたドラマ、「アンナチュラル」と「MIU404」と同一世界線で繰り広げられるサスペンスでした。Amazonを模したアメリカ資本の超大手ショッピングサイト”DAILY FAST”社を舞台に、宅配荷物に仕掛けられた爆弾が次々と爆発し、それを一体誰が仕掛けたのかを探っていくサスペンスでした。予告編を観た限り、DAILY FASTに勤務する舟渡エレナ(満島ひかり)の様子から、Amazon的な搾取&独占システムを100%礼賛する胸糞悪い作品だとばかり思っていましたが、全くそんなことはなく、むしろそうしたAmazon的構造をきちんと描きつつ、フェアなスタイルで謎の解明を進めていく本寸法のサスペンス的な面白さもあり、非常に楽しめる一作でした。
満島ひかりと岡田将生という2人の主演に加えて、「アンナチュラル」と「MIU404」の出演者たちも登場し、キャストも豪華絢爛。元々ドラマ自体は観ていませんでしたが、本作に合わせて配信で観たら、こちらはこちらでとても楽しい作品でした。特に「MIU404」の綾野剛は、「地面師たち」で披露した不気味な役柄とは全く異なり、野木亜紀子脚本の「カラオケ行こ!」で魅せたユーモアたっぷりかつハイテンションなキャラクターで、本作的には脇ではありましあが、作品全体を明るく楽しくしていたように感じました。
また、ストーリー本体とは直接関係のない部分も上手に創りこまれていました。米津玄師が唄う主題歌が「がらくた」という題名で、Amazonはじめ通販サイトで売ってるものの大半が「がらくた」なんじゃないかと言ってる気もしたし、最後の爆弾から被害を防いだのが、倒産した日本の電機メーカー”HINOMOTO”=”日の本”の洗濯機だったりと、音楽から小道具に至るまで非常に良く考えられたお話になっていました。
今月は「ツイスターズ」や「フォールガイ」など、ハリウッドの本寸法エンタメ作品が面白かったですが、日本の本寸法エンタメ作品である本作も非常に面白く、幸せな8月でした!!
そんな訳で、本作の評価は★4とします。
【物流業界が抱える闇を背景にしながら、その闇の為に起きた事に決然と対峙していく若き敏腕物流センター長の姿がムネアツで、更にハラハラドキドキする作品。ホワイト物流推進運動奨励映画でもある。】
ー 序盤から有名俳優が、物凄く沢山顔出し程度に出演している。”何だなんだ!物凄い出演料がかかってるじゃないか!”と思ったら、ナント人気TVドラマ2作品がコラボしているそうである。ビックリしたなあ。-
◆感想
・序盤から、現代の日本の物流業界が抱える闇が、ドンドン描かれる。
1.運送業者の低賃金問題
2.運送業者の過酷な長時間労働問題
3.運送業者の人材不足問題
4.運送業者の高年齢化問題
5.運送業者間の、下請法スレスレの契約問題
で、これらの問題を解消するために、2019年度に国土交通省が中心となり始められたのが、ご存じの通り”ホワイト物流推進運動”である。
・この作品が面白いのは、上記の様な日本の物流業界が抱える闇をベースに、巨大物流センターで過去に起きた事件(事故)を絡めて進むストーリー展開の面白さである。
■購買者の消費意欲を促進させる大イベント【ブラック・フライデー】の前夜、段ボール箱に詰められて配送された商品が次々に爆発する事件が起きる。
物流センターの若き女性センター長舟渡エレナ(満島ひかり)と入社2年目のチームマネージャー梨本(岡田将生)は、物流会社の日本統括本部長(ディーン・フジオカ)から真相を解明するように指示され、一方警察も介入してくる。
・出荷作業を止めない様に努力する中、膨大な在庫の中から爆発物を見つけ出そうとする、エレナと梨本が頭脳フル回転で対応する様が、推理小説の謎解きのようで面白い。
そして、そんな中、爆弾を仕掛けた哀しき犯人の犯行理由が、明確になって行く様には引き込まれる。
・良い味を出しているのは、運送会社羊急便の支店長(阿部サダヲ)である。巨大物流会社との契約に縛られ、遅延の責任を被る契約を負わされて苦悩し、本社に逆切れするシーンなどは、物流業界あるあるなのかもしれない。
・更に、羊急便の配送を誇りを持って行っている老人(火野正平)と息子(宇野祥平)のショウヘイ親子コンビも実に良い。
老人”ヤッチャンは、昼飯は10分だった。”
息子”でも、ヤッチャンは働き過ぎで死んだじゃないか!”
更に言えば、息子がシングルマザーの子が爆弾が仕掛けられた段ボール箱をギリギリ、彼が勤めていた倒産した会社が作っていた自動洗濯乾燥機に入れ、被害を防ぐシーンもムネアツである。
ー 彼らの様な方々が、日本の配送業を担っているのである。頭が下がる。が、又、彼らの姿は日本の物流業界の諸問題を、具現化してもいるのである。-
<今作は、日本の物流業界の闇を背景に、その闇の為に起きた事に決然と対峙していく若き敏腕物流センター長の姿がムネアツで、更にハラハラドキドキする作品なのである。>
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