ラストマイルのレビュー・感想・評価
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野木マジック圧巻
何度騙されたか、野木さんが仕掛けるシナリオマジック相変わらず冴え渡っていました。また現代社会の深部を抉ぐる筆に共感。そしてエレナの存在をラストマイルとして描き出すラストに感動しました。 公開から一カ月経つにもかかわらず、二子玉川は満席🈵。全く飽きずに2度目の鑑賞を愉しむことができた。2.7m/s 70kg 0をラストに岡田さんが新しい発見をした描写になっているが、様々な解釈できますね。良い作品です♪ 米津玄師さんのエンディングソングを聴くたび に🎧どうしても星野源さんがコーラスに参加しているように聞こえるのは、私だけでしょうか。 そして、当該映画と虎と翼が重なって思えるのは、 米津さんと岡田将生さんの存在なのでしょうか、 主人公の不条理と立ち向かう姿かも知れない
ほしいもの
ほしいものが手元に届くまでにどれだけの人が関わっているのか、その関わる人たち一人ひとりがどんな考えや想いを持っているのか、それを支える今の日本のシステムがどれだけ課題を抱えているのか、そんなことがギュっとパッキングされて届いた感じがしました。 今の便利さや利益優先の発想が本当に私たちがほしいもの、求めるべきものなのか、そんなことを考えさせられました。少なくとも、犠牲になる人を出しながら支えられるものではないですよね。 受け取る側も届ける側も笑顔になれる本当の意味での「WinWin」な関係、そういうものを目指したいですよね。 犠牲者が出てもベルトコンベアを動かし続けた男性リーダーと課題解決に快活に行動した女性リーダー。やっぱり物事を変えられるのは女性、だから日本は変われないっていうメッセージだったでしょうか。
1回目と2回目の印象がこんなに違う映画はあまりないです。
1回目の鑑賞の時にはストーリーを追いかけることと、主題歌に号泣することしかできませんでした。 私は塚原あゆ子監督の「MIU404」と「私の幸せな結婚」がとても好きです。スピード感のあるアクションと私の好きな俳優さんを私の好きな画像で撮って下さっているところがとても好きです。 1回目と2回目を観る間に少し時間があって、なぜ私は伊吹が好きなのか考える時間がありました。 少し前の私の周りには自分の感覚、能力を信じて動く事が出来る人がいて、それをOKと言える社会が有りました。それを伊吹の中に見るからでした。 ラストマイルの話に戻ります。 しかし、そもそもエレナと孔は大手ショッピングサイトの社員で、事件を解決出来るような刑事でも専門家でも無いのに、犯人特定事件解決の方にストーリーは流れていく。1回目見てる途中から「何で?」が頭をもたげてくる。それは観進めていくとわかるのですが… なにはともあれ、もう一回観なくては! 2回目見たら、端々に監督の想いや言葉が溢れていて、ずっと泣きっぱなしで見てました。 みんな辛すぎるよ。大変じゃない人ひとりもいない。 やる気と、責任感を搾取させながら小さな報酬を手にする。そこにはやりがいは無いけれど、確実に正確に誰かがやらなければならない仕事が有る。 今は、社会自体が大きな船の様になって、コース変更するのも、大きな舵とたくさんの時間とたくさんの労力が必要で、自分ひとりが気づいたところでどうすることもできない無力感に押しつぶされてしまう。 でもね。一番大切な言葉はミコトさんが言ってくれた。 監督、ラストでエレナが孔に言った言葉は私に言ってる気がしました。
懐かしさと興奮と、やるせなさ
ドラマのアンナチュラルを見ていたのもあり、気になっていた作品でした。 ストーリーが進んでいっても、次々と謎が出てきて、あっという間に時間が経っていました。 現代社会の闇の部分も描きながら 前に進んでいる人もいるっていう 悲しみと興奮という2つの感情が交互に現れて突き刺さる感覚を味わいました。 どんな仕事であれ、誇りに感じながら 生きている人たちの魂・想いが伝わってきます。 ミステリーとしても、伏線として繋がってくるのは気持ちいいですし、面白いです! 全部のシーンが意味あるんだなって、映画のすごさを実感しました!! 「ラストマイル」というタイトルも、主題歌のタイトル「がらくた」も含めてハッとしました アンナチュラルの出演者が、登場すると ドラマをまた見たいなって思い出します
配送に携わる方に感謝
2作品のドラマは観ていなかったが、本作を鑑賞するにあたって不都合はなかった(と思う)。 店舗へ出向くことなく希望の商品を買い求め、可能な限り速やかに指定場所へ届けてくれる配送業者の方の苦労を観ることができたのはメリットだった。 阿部サダヲ演じる八木さん、サンドウィッチ状態になっていて大変だよなぁ。 こんな感想を入力したけど、今朝ポチッと本を買ったんだった。今度は書店を覗いてみようかな。
至高のエンタメ
MIU404はリアルタイムで見ていたけど、アンナチュラルは見ていなかった私。 映画の予習として、アマプラでアンナチュラルを3話まで視聴してから観に行きました。 映画、おもしろかったですね! ドラマ×2と同様、キャラが立っているし、それが出オチになっておらず、きちんとストーリーに絡んでくるのが心地よい。 きちんと、登場人物それぞれの背景にドラマがある。 「アンナチュラル」 「MIU404」の世界観もきちんと踏襲されていて、そちらの面白みもきちんと押さえられていた様に思います。 感動作か?と問われると、ちょっと違うかとも思うけど、エンターテイメントとして極上でした♪
正義、人情、誠実
ネットで依頼して翌日には発送。よく運べるなあと関心していた。。 「ブラックフライデー」のイベントの時は注文が殺到するから、現場は大変だろうと思っていた。 物流センターのコンベアは一日中止まることなく、配送センターの下請業者は、休む間もなく駈けずり回っている。これが実態なんだろう。 荷物に爆弾が仕掛けられていて、いつどこで爆破するかわからないという恐怖。 「アンナチュラル」の塚原・野木コンビは、恐怖は恐怖として冷徹に描き、各々の持ち場で闘う人間は人間で丁寧に描いている。 下請配送業者のメンバーのキャラが光る。阿部サダヲの正義、火野正平の人情、宇野祥平の誠実。いつまでも心に残る。
見事な出来映え。今年私が観た新作映画で最高の作品。
今夏は熱暑で肉体的にも精神的にも疲れてしまった。好きな映画をみる気力も萎えてしまって、鑑賞本数が激減してしまった。映画館に出かけるだけで体力を消耗し、老人(69歳)にはきつい夏だった。 それと、今夏はどうしても鑑賞したい映画がないのも一因か。 高評価なレビューが多く、自宅近くの映画館で上映されていたので鑑賞した。優れた作品を観ると気持ちがいい。俳優、監督、脚本全てが勝れている。特に脚本が良い。また、真島ひかりの可愛らしいこと。こんなに魅力的だったかなと思うほどだった。 現代の物流システムやその内情を知ることができ、勉強になった。マジックワード「すべてはお客様のために」は、「すべてはお客様の欲望のために」と読み替えることができ、社会派サスペンス映画となっている。久しぶりに感心した。
今の世界、特に日本に色々訴えてかけてます
2024年問題として社会的に提起された事柄をメインに物語は繰り広げられていきます。 それだけではないもっと広い意味で問題提起、訴えかけが散りばめられているけどやな感じがない MIU、アンナチュラルの方々や色々な訴えかけを盛り込みながらも、 映画全体が希薄になったりガチャガチャせずに上手く纏まった物語になっていて面白かったです。 2時間ちょっとの映画でもすっと見入ってしまいました。 MIU、アンナチュラルが好きな方でも各ドラマの味が出ててがっかりする事なく楽しめる様に組み込まれてます。 ただ1点上げるなら、MIU、アンナチュラルと同じ世界線で書かなくてくともよかったかな。 味のある出し方はしてるけど、もっと違った物語の繋げ方をするのかなと期待してたんですが友情出演的に見えてしまって違うキャストで書いてもいい気がしました。 なので星-1です。
なんだろう、、、
野木亜希子さんの脚本のドラマのファンで、この映画も楽しみにしてきた。
でも、ワクワクもドキドキもせず、通販の現状を説明されている感じで過ぎて行く。
本当に大変な時代だと痛感するのだが。
ラスト近くの、宅配親子がギリギリ人助けをする場面は良かった。
MIU404、アンナチュラルのメンバーも懐かしいなと思いはしたが、付け足し感が拭えず。
映画としては、2.5。現状の問題を提示したところを➕0.5で、この評価。
日本の映画の進歩を感じた。
最後はセンター長をすると自殺するほど大変だということに落ち着くのか。
それをずっと見てきた岡田将生くん演じる彼が、今後どうなっていくのか、という将来を想像しながらのエンディング。
売上重視の会社、その下で働く安い配送料の配達員。
現在の社会のドキュメンタリーのようだ。
火野正平親子の場面は良かった。
役者が良い。
他のドラマからの出演も良く、安心して観れる配役陣。
ちょっとしか出ないのに、うまい役者がそろっていた。
ぶっ飛ぶわよ
2024年映画館鑑賞82作品目
9月7日(土)イオンシネマ石巻
通常価格1800円
監督は『コーヒーが冷めないうちに』『わたしの幸せな結婚』の塚原あゆ子
脚本は『図書館戦争』『図書館戦争 THE LAST MISSION』『俺物語!!』『アイアムアヒーロー』『罪の声』『カラオケ行こ!』の野木亜紀子
粗筋
ショッピングサイト「DAILY FAST」から配達された荷物が配達先で次々と爆発する連続爆破事件
ラストマイルとは物流の最終拠点
マイルという単位は日本ではあまり馴染みがないがそれは然程重要ではない
シェアード・ワールドとは同じ制作チームの別作品のキャラがゲスト出演することらしい
ドラえもんに星野スミレが登場したりまあそういうことだろう
しかし僕は『アンナチュラル』も『MIU404』も全く観ていない
テレビ局が映画制作に関わるようになってたぶん半世紀近く経つかもしれない
そのためかよくTVドラマを観てるという前提で映画を創る傾向がもはや当たり前になっているがそれは多少疎外感を感じる
豪華な顔ぶれの俳優陣
極端な話だが娯楽映画としてそれだけで及第点
人気ドラマ?2番組のメンバーも加わり贅沢な極み
そういえば『シン・ゴジラ』でも『進撃の巨人』でも石原さとみがわりと重要な脇役として登場していたな
最近いつのまにか満島きょうだいのじゃない方になった感もある満島ひかりだがいやいやそんなことはない
ちょっとトゲのあるイケメンがよく似合う岡田将生
連続爆破事件に関わった俳優がWikipediaやレビューサイトでは紹介されていない
ネタバレになるからだろうか
たとえネタバレしても面白いものは面白いと証明されているのに無駄に保守的な連中だ
別に福岡と偽らずはじめからアメリカ本部でも良かった気もするがまあいいだろう
ロッカーの暗号は最後までピンと来なかった
筧まりかは自ら爆発物で火だるまになるわけだが明らかにVFXだ
その点ではハリウッドも然程変わらない
『吉原炎上』で着物の背中に火をつけて川に飛び込んだスタントマンの女性の方がよっぽど迫力がある
筧まりかの復讐劇だが何もそこまでしなくてもの感はある
他に法的手段はいろいろあるだろうに
株が多少下がった所で世界規模の大企業は倒産しないだろうし
どちらかというと傑作の部類なんだけど上手く言えないけど多少いろいろと不満点はあるので星5には抵抗を感じる
だから星4で
配役
ショッピングサイト「DAILY FAST」の西武蔵野LCセンター長の舟渡エレナに満島ひかり
DAILY FAST西武蔵野LCのチームマネージャーの梨本孔に岡田将生
5年前は西武蔵野LCのセンター長だったDAILY FAST日本支社の統括本部長の五十嵐道元にディーン・フジオカ
DAILY FAST西武蔵野LCのチームマネージャーだったが5年前に西武蔵野LC内で飛び降り現在は植物状態で東央医大に入院中の山崎佑に中村倫也
運送会社佐野運送を営み羊急便の委託ドライバー契約をしている佐野昭に火野正平
家電メーカー日ノ本電機に務めていたが倒産し現在は父親の運送会社である佐野運送の配達員見習いをしている佐野亘に宇野祥平
バイク便のドライバーの白井一馬に望月歩
運送会社羊急便の関東局局長の八木竜平に阿部サダヲ
八木の部下の熊田恭二に水澤紳吾
羊急便の荒川区羊集配センターのスタッフの犬岡純也に岩谷健司
志摩とバディを組む警視庁刑事部第4機動捜査隊刑事の伊吹藍に綾野剛
伊吹とバディを組む警視庁刑事部第4機動捜査隊刑事の志摩一未に星野源
毛利とバディを組む警視庁刑事部捜査第一課の刑事の刈谷貴教に酒向芳
刈谷とバディを組む警視庁西武蔵野署の刑事の毛利忠治に大倉孝二
田島とバディを組む警視庁西武蔵野署の刑事の刑事の向島進に吉田ウーロン太
向島とバディを組む警視庁刑事部捜査第一課の刑事の田島雄介に永岡卓也
警視庁西武蔵野警察署署長の桔梗ゆづるに麻生久美子
勝俣とバディを組む警視庁刑事部第4機動捜査隊刑事で一連の事件の班長の陣馬耕平に橋本じゅん
陣馬とバディを組む警視庁刑事部第4機動捜査隊刑事の勝俣奏太に前田旺志郎
警視庁刑事部第1機動捜査隊刑事でサイバー関連調査班班長の糸巻貴士に金井勇太
警視庁警備部爆発物処理班班長の小田島に丸山智己
不自然死究明研究所(UDIラボ)の法医解剖医の三澄ミコトに石原さとみ
UDIラボの法医解剖医の中堂系に井浦新
三澄班の臨床検査技師の東海林夕子に市川実日子
中堂班の臨床検査技師の坂本誠に飯尾和樹
UDIラボ所長の神倉保夫に松重豊
元UDIラボのアルバイトで現在は東央医大の研修医の久部六郎に窪田正孝
フォレスト葬儀社のスタッフで同社の跡取りの木林南雲に竜星涼
ミコトの養母で弁護士の三澄夏代に薬師丸ひろ子
2人の娘を育ててるシングルマザーの松本里帆に安藤玉恵
里帆の娘で中学生の松本海空に根本真陽
里帆の娘で保育園児の松本七海に磯村アメリ
「デイリーファスト」のアメリカ本部の幹部でアジア担当のサラ・グリフィンにサラ・マクドナルド
山崎佑の恋人の筧まりかに仁村紗和
まりかに協力し爆発物を製作した技術者に宮崎吐夢
ストレス溜めた後の解放!
あー楽しかった! 解放される事がわかってるから、ストレス!ストレス! も楽しい! エレナ、泣いちゃうとこなんか可愛すぎ! 宅配便関連の皆さま、これからもよろしくお願いします。
期待しすぎました
話の展開は早いので飽きないし、満島ひかりさんの演技に惹き込まれるけど、内容は残念でした。 意味が分からないし、雑すぎて。 えっ?どーなるの?犯人は?何でこーなったの?が全て中途半端で、スッキリしないし、驚きがなかった。 アンナチュラルとMIUは必要あったのか?私は視聴してたのでうれしかったけど、友達は未視聴だったので、何で出てきた?必要ある?ってなってた 連ドラにしてくれたら楽しめたと思う。
観る自分も当事者だった
「アンナチュラル」「MIU404」の塚原あゆ子監督と脚本家の野木亜紀子さんの再タッグ。 流通/物流業界の闇を中央に置いた社会派の作品ながら上質なエンターテイメントに仕上がった。 満島ひかりさんの危うい佇まいが凄いなあ。自身壊れたことがある巨大物流センターのセンター長の最後の抵抗が潔かった。 Customer Centric(カスタマー・セントリック) 思えば、少しでも安く買いたい、送料を無料にしたいと躍起になっている自分がいた。観る自分も当事者だった。
難しそうな話をわかりやすく
あっという間に時間が経ちました。 面倒くさそうな内容をうまく進めています。 TVドラマの絡め方もさりげなくて良かったです。 運搬の大変さがわかりましたが皆がポチッとしなくなったらどうしますかね。運搬だけでなく全ての業態に利益がでますように。
伏線回収の心地良さ
やはり前評判通り最高でした。 該当ドラマは全て視聴済ですが、おそらくそうでなくても置いてけぼりにはされないと思います。 ただ、それぞれの背景を知ってるとより入り込めるし、世界線が交わったことによる謎の感動があるというか。 演技も何もかもいいんですが、とにかく脚本のスキのなさに圧倒された感じです。 しかし、会社の上の方にはこういう奴いるよなぁ…と苦笑しました。
2.7m/sで駆け抜ける社会派サスペンス
はじめからつきまとう〝ある違和感〟。
言葉としぐさに本当の姿の無さが見え隠れするわけはなんだ?と探りながら観る。
繰り返す空振りと途切れない緊張を載せていくベルトコンベアのせわしなさが胸のざわつきを煽り続ける。
歪んだ秩序
連鎖するあやまち
麻痺を葬る組織
それらを理解するほどに辛いのは、失う自分をのみこむ自分がここにいるからなのだろう。
完璧な速度を保つために置き去りにされたものを叫ぶ命が、それさえも歯止めにならないことを知った悲哀はゼロを〝通り過ぎた〟。
腑に落ちていくあれこれがようやくエンディングの歌詞に溶け込む。
誰かの思いの過去と未来。
そこに思いを馳せる人がうやむやにしない行動がある限りはまた違う誰かの道を繋ぐことがあるのだ。
生きて、切り込む
彼女はそれを選び繋ごうとした。
そして体験した闇の辛さを共有する彼にバトンを託しこの先は「孔次第」だと言う。
そこに落とし込まれたメッセージは重く深く、まぎれもなく〝あなた〟に向かっているのだろう。
なかなかないキャストの豪華さ、脚本や演出の巧さと美味さを堪能。
そして忘れられないエレナのまなざしに宿る強い意志を思い出しながら、またしても米津さんの楽曲を含めて完成される傑作ふたたび、と感動している。
非常に良くできたドラマ
配達物の爆発という1つの事件からあらゆる問題が派生していき、否応なしに様々な不安や大きな影響を及ぼす。
1つのシステムに依存することがどれだけ危険か、そんな気もなしにどれだけ思考停止に陥っていりのかあぶり出され、現実世界ともリンクしている。
でも、根底にあるのはそのシステムを支えているのにどれだけ多くの人が関わっているのか、その仕事にどれだけの想いや苦悩が加わっているのか、全てが機械で賄えないからこその人の力、等身大な生活があるからこそで、そこには必ず肯定的な物語があることも教えてくれた(もちろん、等身大な絶望もあることも)。
脚本が素晴らしく、ミスリードと伏線もよく効いている。ミステリー的な要素もありながら、文句なくヒューマンドラマとして完成されていると思う。社会人として仄暗いものまでも含めた共感ができたし、舟渡エレナのそれでも正しさを求める姿勢はもちろん、配送業に関わるすべての登場人物にも尊敬でき、現実への見方も変えてくれる良い映画だったと思う。
ただ梨本孔のキャラクターだけがちょっと微妙だった。現代らしいキャラクター、しかも後を継ぐような人物像となるとこうならざるを得ないのかというようなありきたり感? 優秀でギャップもあるけど、だからこそ作られた人物像的な感じがしていまひとつ共感が持てなかった。ラストで彼がバトンを受け取ったとき、そこにいまひとつ気持ちが乗らなかったのはそこなのか……。その先のビジョンがあまり見えなかった。
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