「作画クオリティコントロールがすごかった」「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ 稲浦悠馬 いなうらゆうまさんの映画レビュー(感想・評価)
作画クオリティコントロールがすごかった
ワールドツアー「『鬼滅の刃』絆の奇跡、そして柱稽古へ」を観てきた
この映画がどんな内容かというと
- すでにアニメ放映されている回の劇場上映が2本
- 新シリーズのアニメ回の先行上映が1本
という構成だった
なので映画版というわけではない
# 迫力の戦闘
見どころは手に汗握る戦闘シーンだ。死ぬか生きるか乗るかそるかの戦いが繰り広げられる。
アニメの作画がすごくて見応えがある。テレビ版の劇場放映なのに、劇場の大きなスクリーンで観ても全く引けを取らない仕上がりだった。
それだけ鬼滅の刃のアニメの絵はすごかったんだと思う。それを劇場版で観られて良かった。
# アニメと漫画
自分は漫画で全巻を軽く読んだことはあるが、そろそろ中身も忘れかけてるぐらいの状態だった。アニメ版は全く観ていない。
なので今回初めてアニメ版の鬼滅の刃を観たわけだが、確かにこれはすごい。
原作には悪いが漫画よりもアニメの方がずっと良い。各キャラクターの色も映えているし、ものすごく手の込んでいるアニメだった。
アニメが原作をグレードアップするパターンというのは最近多いのだろうか。
# クオリティコントロール
すごい迫力のシーンがあるかと思ったら、ほぼ静止画が数十秒も続いたりと、アニメのクオリティがコントロールされている。なおかつそれが不自然ではなくちゃんと効果的な演出になっているのが計算し尽くされていてすごいと思った。
たとえば炭治郎が禰󠄀豆子に蹴られて空中に浮き上がるシーンはスローモーションで描かれるが、このシーンには大きな予算はかかっていないと思う。だが決して手抜きだと思わせず、演出上必須のものという位置付けに見えるのだ。
こうやってお金をかけるシーンには潤沢にお金をかけて、作画を節約するシーンでは思い切り節約してなおかつシーンとしては効果的に場面を成り立たせる。クオリティと予算のコントロールがすごいと思った。
全てのアニメや映画がそうだろうが、決して無限の予算があるわけではないし、1シーンにお金をかけようと思ったら無限にかけることができるだろう。このコントロールは特にアニメでは肝なのだと思った。
# 迷う主人公
炭治郎は禰󠄀豆子を助けるか村人3人を助けるか迷い続けて決断が出来ないままに時間が過ぎていく。
普通少年漫画の主人公ならなんだかんだで最後には自分で決断するのだが、ここでは炭治郎は決断せず、禰󠄀豆子がかわりにそれをする。
他の作品とは違う「完全ではない主人公」像がある。
# サービスシーン
禰󠄀豆子の胸がはだけているし、甘露寺の胸もはだけている。鬼滅隊のOBを取り巻く3人の女性の胸もはだけている。
「僕のヒーローアカデミア」の八百万といい「ワンピース」のナミでもそうだが、少年漫画少年アニメにお色気は欠かせないものなのだろうか。
# 特典映像
甘露寺が胸のはだけたコスチュームになったいきさつが公開される。
決してみずから進んで着ているわけではなかったらしい。
しかしあえて着続けているということはやはり案外気に入ってるんだろうか。
まあ元々特に理由はなくて単に読者サービスではあると思うのだが。
# ワールドツアーとは?
日本だけでなく世界でも上演するのだろうか正直よく分からなかった。