劇場公開日 2024年9月20日

「自然体」ぼくが生きてる、ふたつの世界 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0自然体

2024年12月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悩んで育った自身の経験を文章にする事で、
自分を客観視する、
その姿勢が自然体だ。
そんな気がした。
美談でもない、
恨みでもない、
僻みでもない、
現実を現実として受け入れ、
そして寄り添うことが、身についている。
それはきっと聾者の両親を持つ五十嵐大の、
差別を受け、両親への不満に悩み、苦しみ
(どうして自分の親だけ、耳が聞こえないんだ!!)
そんな苦悩や怒りを乗り越えた先にある境地、
受け入れること、手伝うこと、
そして時にそれは自分を支えてもくれる。
だから主人公は、聾者の世界に居場所を見つけ、
時に寄り添い、
時に安らぎを見つけ、
障がい者を大きな包容力で受け止める。
「ぼくの生きてる、ふたつの世界」
聾者の世界にも、自分がいる、
健常者の大は、
余計なお世話・・・と、言われることもある。
しかし時には、聾者との橋渡しの役割も果たす。

聾者に出来ること、そして出来ないこと、
そこを補えばいい、
受け入れればいい、
それを主人公は自然に身につけている。
自然に受け入れている。
それは私たちにとっても必要なこと、
人間の一人として、
「お手伝いすることは、ありませんか?」
自然に言える事、
そして支える手を差し出す事、
主人公が苦悩し受け入れた姿がこそが、
「自然体」なのではないでしょうか?

それが「ふたつの世界」をひとつにして、
より豊かにする。

大ちゃんが成長する過程を演じた4人の子役たち、
3ヶ月位の赤ちゃん、
ハイハイ、伝い歩きをする1歳位、
小学生の大ちゃん、
中学生の大ちゃん、
みんな吉沢亮似のイケ面だったね。
5人で演じた事、
そこに真実味が色濃く出ていた。

琥珀糖
luna33さんのコメント
2025年1月2日

共感ありがとうございました。素晴らしいレビューですね。ちょっと感動してしまいました。

ところで2024年の邦画はなかなかの豊作揃いでしたが、僕の個人的な大賞は、悩んだ末この作品に決めました(笑)。

luna33
ひなさんのコメント
2024年12月26日

琥珀糖さま
丁寧なコメントを、何度もありがとうございました。皆さんがレビューを書き続ける理由が、最近何となく分かってきました。

映画を観てすぐにレビューは書けないので、熟成発酵したら一気にぶわぁっと書き上げます。そこから削っていくのに時間がかかります。

上手く削ぎ落とせたのは『夜明け〜』と『侍タイ』、『東リベ』と『ぼくが生きてる〜』は逆にどんどん長くなってしまいました。

呉監督の『そこのみにて光輝く』は、苦手な映画でした。それでも映画館で『ぼくが生きてる〜』の予告編を見た瞬間に、この映画は絶対観るだろうという予感がしました。

映画祭授賞式の監督と吉沢さんのトークを思い出して、レビューにちょこっと付け足しました↓
「監督が絶妙なダサさにこだわった昭和の髪型のかつらは不安でした。手話は顔の表情によって意味が変わってくることを知りました」

ひな
ひなさんのコメント
2024年12月25日

琥珀糖さま
コメント説明不足でごめんなさい。

配信鑑賞後に私のレビューを読んでコメントします、と伝えていただいたのですが、追記が間に合わず、昨日早朝とりあえずのメッセージだけ上げておきました。

昨日深夜に書き散らかした下書きのまま、カッコつけずに追記として上げ直しました。

もう共感もコメントもいただいているので、お時間のある時に目を通していただけたらうれしいです。琥珀糖さんの「自然体」へのアンサーも、あるのではないかと思っています。

ひな
ひなさんのコメント
2024年12月25日

琥珀糖さま
いつも心が暖かくなるコメントを、ありがとうございます。
下書きを書き直す余裕が無くて、そのまま再追記を上げました。

実を言うと、自宅で映画を観る時間が殆ど無いので、レビューを集中して書くのも今のペースでやっとでした。

どこにいてもスマホでレビューを読んだりコメントはできるので、肩の力を抜いてるけど手は抜いていないレビューも書けるようになれたらいいな、と思っています。

ひな
こころさんのコメント
2024年12月24日

琥珀糖さん
コメントへの返信を頂き有難うございます。
本作、キャストの皆さんの演技も、とても素晴らしく、温かな余韻の残る作品でした。
確かに、ルックスも国宝級のお2人ですね ✨

こころ
こころさんのコメント
2024年12月24日

琥珀糖さん
吉沢亮さんと横浜流星さんダブル主演の映画「 国宝 」( 原作吉田修一さん )、今から上映が楽しみです 🎥✨

こころ
ひなさんのコメント
2024年12月24日

琥珀糖さま
私の2024年ベスト1です。
★5つがうれしいです。

呉監督の公式Xより。
「映画の編集中に、ベビ大ちゃん(3ヶ月)、プチ大ちゃん(6ヶ月)、ミニ大ちゃん(4才)、チビ大ちゃん(9才)、ラスボス大ちゃん(15才〜28才)、5人の大ちゃんがあまりにも似てるから、短めに繋いで主題歌をのせてみたら、なんかええやん!とMVが完成したのです。」

エンディングソングの「letters」が、YouTubeで1年間の期間限定で公開されています。映画に登場するお母さんの手紙が、歌詞になっています。監督はこの歌を、聞こえる人も聞こえない人も文字(字幕)で読んでもらうために、英語の歌にしたそうです。

琥珀糖さんのように、やわらかなレビューが書けたらいいなと思っています。追記を書き終わったら、またお知らせします。

ひな