劇場公開日 2024年9月20日

「母の子への愛が一番強い」ぼくが生きてる、ふたつの世界 はりー・ばーんずさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0母の子への愛が一番強い

2024年9月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

宮城県がロケ地で宮城県で先行上映中の映画。
それくらいの知識しか無い状態で見に行った。
見たのはイオンシネマ石巻。
土曜日の朝イチの回で観客は20人くらい。

東北ご当地物なので、期待は特に無かった。
理由は、直近で見た東北ご当地物でのイメージから。
今年見た南相馬が舞台の『水平線』、津軽が舞台の『バカ塗りの娘』など、小ぢんまりとした少し暗い感じの作品が多かったから。。

予想に反して、この映画、すごく良かったです。
スケール感とか関係なく良い映画でした。
予備知識無しで見たのも良かったのかも。
両親が聾唖の耳が聞こえる子供(コーダ)の話。
※コーダ(CODA, Children of Deaf Adults)とは、きこえない・きこえにくい親をもつ聞こえる子どものこと

両親の愛と、子供(コーダ)の様々な葛藤。
子供役の吉沢亮は良いですね、好きな役者の一人です。
それと、吉沢亮の小さい頃の子役がめっちゃ吉沢亮に似てた。
役者の皆さんの宮城の方言も違和感なかったですよ。

それよりもなによりも、母親役の女優さんが素晴らしかった。
ホントの聾唖の人だろうというのはすぐに分かった。
こんな素晴らしい私の知らない聾唖の役者さんがいる事に驚きながら見ていました。
ホント子供への愛がダイレクトに伝わってくる演技でしたね。
最後の方で、それまでの子供へのいろいろな表情の母の顔が続けて映し出された時は、吉沢亮につられて泣きそうになりました。

今年見た映画『きっと、それは愛じゃない』での言葉を思い出した。
「母の子への愛が一番強い」、ムハンマドの言葉らしいです。
無償の愛に感動しました。

せっかく先行上映してるんだから、宮城県の人にもっと見て欲しい!
あたたかい気持ちになります。
今のところ、今年のベストワンです。
(今年の映画館での邦画鑑賞数31本)

はりー・ばーんず