「この映画の存在を日本人全てに伝えたい」Black Box Diaries アベちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
この映画の存在を日本人全てに伝えたい
伊藤詩織さんが性被害を受けたのが2015年の4月だから、もう10年以上の時が流れた。
彼女が泣き寝入りすることなく闘い続ける姿を綿々と紡いでいくこの物語に私は素直に共感するし日本の社会の闇の部分に強い憤りを持つ。
シェラトンのドアマンの方が実名で証言してくれると電話でやり取りするシーンでは私も涙した(満員の劇場でも啜り泣きが聞こえた)。
この映画がアカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞にノミネートされ、世界60超の国で公開され国際賞も20超で受賞したにも関わらず、日本での公開はやっと始まったが上映館は僅か1カ所と言う事情は、何処ぞの弁護士の横やりによる映像修正もあるが、映画の中であらためて強く明らかにした加害者山口敬之元TBSワシントン支局長、彼の逮捕を止めた中村格刑事部長(その後警察庁長官に出世)と安倍元首相及びそれを取り巻く権力者たちの存在があったからだ。今の総理も安倍元首相の後継者なので権力者たちへの忖度(この映画を世に広めるなと言う)は続くのだろう、。
編集を担当した山崎エマ(プロデューサーのエリック・ニアリは夫)も「小学校-それは小さな社会-」の短編版がアカデミー賞の短編ドキュメンタリー賞にノミネートされていたが、今作と共に発表時にニュースで流れただけで、その後はオールドメディアでは話題にもならない。日本は真実の報道をしない後進国に成り下がったが、このままじゃ、文化芸術の分野でも後進国になってしまうと危機感を感じました。
2022年7月。最高裁で山口敬之の賠償金支払いが確定(奇しくも安倍元首相が銃撃された日)した後、車の中で喜び「25歳だったのに33歳になった」と言っていた。大切な若き日々をこの事に全て費やしたと思うと、又泣けてしまった。伊藤詩織さんには今後もドキュメンタリー監督として次なる作品に挑んでもらい有名になってもらい、いつか「Black Box Diaries」を地上波で放映できる世の中に変えてもらいたい。
私は応援します。
2025年、この映画を今年の私のベストムービーといたします。
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