劇場公開日 2025年12月12日

Black Box Diariesのレビュー・感想・評価

全10件を表示

3.5「ダイアリーズ」なんだと。

2025年12月16日
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何処ぞの記者やアンチがひたすらに秘匿性の話を進めてジャーナリズム。ジャーナリストという観点でのみ攻め立てているが、内容も作品自体も映画であるからジャーナリズム的な観点で捉える必要はない。ここにこそ表現の自由を求めて良いのではないだろうか?
ジャーナリズムとは、映画とは。

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ビビ

私のような興味本位で話題作だから観に来たという人もいたでしょうけれ...

2025年12月15日
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鑑賞方法:映画館

私のような興味本位で話題作だから観に来たという人もいたでしょうけれども、場内の雰囲気(エンドロールになったとたん場内拍手)は賛同者の集まりで宗教の集まりにも感じられたくらいです。

第一の感想は、当時の出来事は想像を絶する辛さがあっただろうし、よく無事であったと思いました。

そしてこの映像をよく作ったと思いました。
隠し撮りのようなものからカメラマンがいての撮影映像まで(それはそのあとのトークショーで解説がありましたが)。

賛同するかどうかは人それぞれだと思います。
作品中に伊藤さん宛てに批判メールで“貧乏な私にはこうした事態を招くあなたのことはよくわかりません”というのがあったことが紹介されましたが、その言い分は理解できます。
仕事柄や、都会と田舎の違い、生活環境によっては世界が違うし、単なる注意不足の自己責任という見解もあることと思います。

ただこの作品はご自身の被害を訴えるものではなく、性被害に対して声を上げることや法制化することを訴えるものだということを仰っていました。
それは感銘した次第です。

あと最後に下世話な感想ですが、伊藤さんは「画になる人」で女優の二階堂ふみさんに似ているなと思いました。

「美人」とか「カッコイイ」とかの言い方を控えると、「ずっと見ていられる人」だと思いました(俳優やタレントでもずっとは見ていられない人もいますから)。
なので(これはドキュメンタリーではありますが)この作品も成り立っていますが、可能であれば二階堂ふみさんに伊藤さん役をやってもらって映画化したらいいなと、観たいなと思いました。

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よし

4.5ドキュメンタリーとして良作です。

2025年12月15日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

タイトルの「diaries」のとおり、ドキュメンタリーとして、素直な作品です。

視座として、事件当日の些細よりも、裁判期間中の伊藤詩織さんの心情を吐露した日記です。

したがって、伊藤さんから「見た、感じた」一方通行のドキュメンタリー作品であって、そこに相手方の言い分などを考慮する必要ないと思います。

当時から政治家へのお誘いがあるだろうな…と思っていましたが氷解しました。

この経験をもとに、多くの人々を救いたいのであれば、悪い選択肢ではありません。

但し、作品の中でも見え隠れしていた左翼系の議員では、何も変えることができません。

伊藤詩織さんが思いを果たすなら、自民党以外、あり得ないと思います。「虎穴に入らずんば虎子を得ず」ですね。

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tt

何とも微妙に感じた作品でした

2025年12月15日
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鑑賞方法:映画館

難しい

なかなか日本での公開がされず、非常に気になっていた作品でした。

特定個人(この作品では監督ご自身)ついてを扱うドキュメンタリー作品については、何を基準に評価をするべきか、そもそも評価をするべきものなのか悩ましいところです。

こういう事件についてもっと話せる社会にしたい、こういう事件から被害者が守られる社会にしたい、そもそもこういう事件が起きない社会にしたい、ということは伝わってきました。
この作品を1人でも多くの人が見ることで、社会でのとらえ方が変わる一歩になるのではと思う反面、以下に示すような理由により、ぜひ見てくださいとおすすめするのもどうなのかと微妙に思う作品でした。

当事者からの指摘を受けて、日本語版ではその部分に修正が加えられたようですが、修正後の内容に納得が得られたのか明らかにはされませんでした。当該関係者の理解がもし得られたのであれば、日本語版公開のタイミングできっとその旨言及されたと思いますが、そういうコメントはなかったので、理解を得るには至っていないのだろうと推測してしまいます。

また報道などで言われているように、伊藤さんの主張全体を揺るがせてしまうような事実関係があったという指摘に対するコメントがなかったのも、描かれているとおりに理解してよいのか微妙に思ってしまう理由でした。こちらも、反論できるところがあればきっと反論していそうなのに、なぜそうしないのかとは考えてしまいます。

このドキュメンタリーで示されているままとらえるのではなく、この点は同意できる、この点はよくわからない(同意できない)などと、他のドキュメンタリー作品以上に、自分で考えながら見る必要のある作品だと思いました。見る側に、見る力を強く求められる作品、と言った方が良いのかもしれません。

描かれているとおりであるなら、加害者(とされる)側に汲むべき事情はなさそうに思いますが、そこまで安心・確信して見ることまではできなかった、というところです。

とはいえ、外部から大きな力が働いて伊藤さんが大変苦労されたということだけはどうも間違いなさそうです。

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Bigcat

5.0伊藤詩織さんにエールを

2025年12月14日
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鑑賞方法:映画館

唯一の上映館で観賞しました。監督であり被害者でもある伊藤詩織さんに対する誹謗中傷は決して許されるものではなく、これは加害者を擁護している行為に他ありません。私は伊藤さんの味方であろう、そう強く思いました。日本で起きた日本人による事件であるにもかかわらず、今日まで日本公開されなかったことは恥ずべきことです。どうか外野に惑わされることなく、自身の眼で観てほしい。素晴らしい作品です。

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にゃん

5.0本も読もうと思います

2025年12月14日
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鑑賞方法:映画館

ここまで形に(製作)して頂いたこと、痛みや苦悩といった負の感情を含め当事者でなければ語れないことを聞かせて頂き、色々と感じさせもらえたこと、今の社会のあり方等を考えさせてもらえたこと等など…ただただ感謝しております。
帰りに東京駅前、丸の内の書店に寄りましたが、本が置いてなくて…。取り寄せて読みます。
今を生きる私達にとって、次の世代やこれから生まれてくる子ども達にとって、生きやすい世の中に少しでもなることを願うばかりです。

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タップ

傷つけられる事、傷つける事

2025年12月14日
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鑑賞方法:映画館

 自らの性暴力被害を自身の名前も顔も公表して糾弾した結果、各方面からの心無い誹謗中傷、いわゆるセカンド・レイプに晒されながらも闘い続けた伊藤詩織さんが自身の経験と思いを記録したドキュメンタリーです。本作は、日本人監督初の米アカデミー賞・長編ドキュメンタリー賞候補にも選ばれながら、その制作過程での法的・道徳的逸脱の指摘がそれまで彼女を支えて来た弁護士や支援者の中から次々上がり、日本での公開が暗礁に乗り上げていました。もう、これは観る事ができないのだろうと諦めていたところ、日本でただ1館のみでの上映が急遽発表されました。しかも、監督舞台挨拶付きです。支持するにしても批判するにしても、まずは観てからとすぐさまチケットを購入しました。正直言うと、作品そのものもの以上に、伊藤監督が何を語るかを直に聞きたかったのです。

 作品で語られる性暴力・警察の官僚的対応・彼女の懊悩には確かに胸が潰れる思いがした。SNSなどを通じての嫌がらせに立ち向かわねばならないのは耐えられない苦難であったろうし、それでも前を向いた彼女には敬意を表します。

 しかし、元支援者の人々から彼女に向けた批判への明確な意思表示は舞台挨拶ではやはりありませんでした。自身のHPで今回の公開に向けて声明を出しておられるのですが、作品を多くの人に届けるにはやはり、記者会見を開いてあらゆる疑問に対して答えるべきだと思います。犯罪を受けた上にセカンドレイプに晒され、それは辛いかもしれませんが、ジャーナリストを名乗るならば、報道や表現が人を傷つけうる危険への姿勢もしっかり示す責任があるのではないでしょうか。

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La Strada

5.0あなたの目で見て、心で受け止めてほしい「小さな超大作」

2025年12月13日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

斬新

米アカデミー賞(2025年)に日本人初ノミネートされた話題のドキュメンタリー作品であるにもかかわらず、たった1館の上映館(T・ジョイPRINCE品川)でスタートする"小さな超大作"。

そんな小品にもかかわらず、初日舞台あいさつには大勢のマスコミが殺到。この矛盾した状況そのものが日本社会の「忖度の象徴」だ。すべての映画館が「危うきに近づかず」。こういった作品群で問題提起し続けるスターサンズの姿勢と、上映に踏み切ったT・ジョイの英断に敬意を表する。

その出来栄えは、百聞は一見にしかず。言葉では代えることのできない苦しみの数々を目の当たりにし、作品の圧倒的なパワーに押し切られる。

当事者本人が監督を務めるのは、SNS動画があふれる時代を背景に近年のドキュメンタリー作品の主流になりつつあるタイプで、伊藤詩織が自ら受けた性暴力について、ジャーナリストとして自ら調査・取材する姿をそのまま記録している。

映像や音声の使用許諾については、立場によって異なる見解なので、そういう意味では未解決である。ただし今回の「日本公開版」は、裁判用に提供された素材を無断使用した初期オリジナル版とは異なり、タクシー運転手の許諾を得るとともに、ホテルの証拠映像を元にしたリアルな再現映像を作るという手法で修正されている。

現時点で理解の一助となるのは、作品公開日に出された「伊藤詩織ホームページ」の4つのステートメントを参照してほしい。とはいっても、映画作品を観てからのほうがいい。作品を見ずにステートメントだけで先行判断するのは、当事者の状況を知らずに誹謗中傷だけするダークサイドにおちいる可能性を排除できない。

事件の2年半後(2017年)に発売された伊藤詩織氏の著書「Black Box」(文藝春秋)を既読の方もいるだろうが、本作の原作ではない。なにより”裁判前”と”裁判後”という時間経過があることと、前者は”ジャーナリスト”伊藤詩織が取材したもので、映画は"ドキュメンタリー監督"伊藤詩織が当事者事件として編集している。

「映像報道」(ジャーナリズム)が客観報道の原則を守り、特定の意見や思想に偏らない中立性を保つことが強く求められるのに対して、「ドキュメンタリー」は同じ現実の出来事や人物を題材としながら、制作者の主観や世界観を表出する社会メッセージである。本作はドキュメンタリー映画であり、しかも世界中の映画祭で評価された完成度である。

事件は2015年、日本公開は2025年。10年という時間が、20代だった当事者にとってどれほど大きな時間かは言わずもがな。当事者の涙の訴えをあなたの目で見て、心で受け止めてほしい。そして忖度ではなく、自らの意思で上映を決断する映画館が増えてほしい。

(2025/12/12/T・ジョイPRINCE品川/Screen3/H-15/ビスタ、1部スマホ画角)

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Naguy

5.0ジャーナリストであり被害者、そしてサバイバー

2025年12月12日
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日本社会からの大きな反発・吹き荒れる逆風にもめげず、赤裸々に正義を追い求め続ける伊藤詩織さんの勇敢さは本当にすごい。個人の体験から社会全体が見て見ぬふりする「ブラックボックス」へと挑み、またその過程で彼女も自身の体験と向き合う真に勇敢なドキュメンタリー映画であり、まさしく表現の責務と可能性

もしかしたら伊藤詩織さんという海外の目・価値観を持ち合わせた方だからこそ、日本固有の気持ち悪い空気や根強く間違った家父長制・男尊女卑にも口をつぐむことなく、世界目線からおかしいことをおかしいと立ち向かえた部分もあるかもしれない(無論それによって個人にかかる苦しさが何か変わるわけではなく、どれほどの覚悟やエネルギーが必要だったろうか?)。そうやってもたらされた気づき、やっと日の目を見た根深い図式をぼくらはどうすべきだろうか?ただ、伊藤さん本人も言っていたように一つの例というか、日本中、世界中にはそうやって、被害に遭ったのに声を上げられない、どうにか上げられてもかき消される、傷やトラウマと向き合いながら生きている人達がたくさんいるということ。自ら命を絶った人達も…。
被害者は、"被害者"らしく大人しくしていなければいけないのか?シャツのボタンを一番上まで閉めるのでなく、逆に少し開けたような着こなしだったり派手な服装だったら、被害者じゃないのか?「どうせ誘ったんだろ」と性暴力の被害に遭っても当然なのか?声を上げたら目立ちたがり屋とバッシングされていいのか?そんなわけないだろ!!性暴力の96%が起訴にも至らないで被害者が声を上げられない、こんな息苦しく間違い腐った島国でいいのか?そんな負の遺産に満ちた未来を子どもたち、次の世代へと託していくのか?

本と互いに補完し合うような作品のように感じた。つまり、本作だけでは事件の詳細など描かれていない部分、見えない部分もあるのだけど、それでいいと思った。映画・映像作品におけるレイプ・性暴力シーンとは、言葉を選ばずに言えば一種"娯楽"(客寄せパンダ)のようになっている部分もあると感じるから。その点、本作はあくまで事件後の伊藤詩織さん自身(山口氏との関係などではない)にスポットを当てている生々しさがあった。本を読んでいてもエグいなと思った警察などの二次レイプにつながるような言動も、実際の音声で聞くとよりツラかったし憤りを感じた。
捜査官Aも確かに悪い人ではないのだろうけど、日本人のリアルだなと思った。あくまで個人の意見だが、組織に属している以上行動できなくて、また世代のせいもあってかセクハラ発言のように取れる瞬間もあった。それでも、その他大勢のことなかれ主義で官僚主義的な対応から一歩踏み出すようなスタンスは貴重なのかもしれないけど、逆に言えば本心からすると「いや、それくらい全警察官が最低限すべきラインだろ」とも思ってしまった。自分は、(今日同じ上映回を観ていたという)ドアマンのようでありたい。ドアマンのシーンでは、号泣してしまった。実際居合わせたら難しいのかもしれないけど、その場で止めたり、もっと早く名乗り出られたらいいなとも思う。自分と話し(電話し)た後に、当惑や困惑させるのでなく、希望や世の中捨てたものじゃないと思ってもらえる人でありたい。

「ハニートラップ」「アイドル気取り」心無い言葉が飛び交い、風当たり強く批判される中でのこの10年間、どれだけしんどかったろう、大変だったろう。作中の涙にも表れている(奇しくもその多くの場面での雨な天気の多さにも)。男の自分なんかが到底想像できないくらい壮絶な道程だったに違いなのに、あの作品の随所や舞台挨拶などで見せた明るい振る舞いやビッグスマイル!ブランケットをかける代わりに、お疲れ様でした。そして、生きていてくれて、元気な顔を見せてくださって、本当にありがとうと言いたい(←言えるチャンスがあったのになぜ言わなかったのか、自分!バカ)。代わりにと言ったらなんだが、伊藤詩織さん本人に「ブラックボックスを開ける側になる、開けられる人間でありたい」と約束した。
本作が日本公開されない間、ずっと観たいと思っていたのに、いざ公開が近づくと怖かったけど、結果観てよかった。今年ずっと待っていた作品がどうにかやっと日本公開を迎えたけど、大手シネコンなどは買い付けることなく、公開規模の小ささこそ"ブラックボックス"ではないか?

Dedicated to all survivors

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とぽとぽ

5.0停滞した日本に華の10年を蝕まれるも生き続ける

2025年12月12日
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鑑賞方法:映画館

2025年劇場鑑賞101本目 名作 80点

日本一般公開初日の一番早い時間に舞台挨拶付きで鑑賞

当方僭越ながらここ7年ほど劇場鑑賞した作品を順位付けしており、今年も"WHO?"や"揺さぶられる正義"など例年通りドキュメンタリー作品が個人的ランキング上位に躍り出るなか、年末公開待機作で一番期待していた作品である

いざ公開日が迫ってもなかなか情報が公にされず、唯一の公開館のT·ジョイPRINCE品川のwebサイトでも一向に購入情報が反映されず、突如としてチケットぴあにて公開初日から3日間各2上映の計6回分の舞台挨拶付きチケットの販売が告知され、webサイトで以降の日程が更新されないことから、3日間限定の公開なのではとあたふたしたのも今や懐かしく思えるほど凝視した2時間半であった

まず10年もの月日が経っていることに衝撃が走る、つい3年ほど前の話しだと記憶していた

勿論彼女を応援しているし、山口氏を擁護するつもりはないが、いちドキュメンタリー作品としてなるべく公平な目線で見ようと勤めたが、被害者当人が監督を勤め、彼女を中心とした10年間の一部始終を映像化しているので、事件性や作風からまず上記の様な視点で鑑賞することは難しいが、それでもジャーナリストとしてではなく監督として今作を手掛けた当人が我々観客を味方に付けようといういやらしい演出や贔屓は感じなかったし、なにより彼女の涙に嘘を感じなかった

物語冒頭に車に乗車しトンネル内を走行している時に電話で証拠がないからどうしようもないとやや高圧的にあるいは電話越しの男性が手を差し伸べたいけど力及ばず無力さにやや怒り奮闘な声にそれを受けた彼女のやるせなさ、権力にひれ伏せ闇に葬りさせられる心情を、抜けることない暗闇という暗示でトンネルの描写であったり、尽力してくれていた捜査官Aと急に音沙汰なくなり、それを後に話すに逮捕一歩手前のところで食い止められ、不可解に彼のポジションを異動させられる羽目になったと告白。目障りと思った権力者が彼の行動にストップをかけたことに彼自身尽力したい気持ち半分、組織に属する以上権力に抗えず、彼もまた彼の人生を生きないといけない苦渋の選択に、彼女もかける言葉を見つからないがかといって屈してる訳にはいかないと奮起するその構図が雑草魂じゃないけど、それを示唆する様にその会話中写し出されたのが道の脇に生い茂り雑草であったり、選挙立候補してみないかという誘いに有利に働く側面と一方で自民党が勝ったら相当戦況は悪くなると忠告を受けた中、固唾を飲んでテレビの前で当選発表を見守るも、結果は自民党の圧勝。それを受けて下っていくエレベーターの中で自分の影を見つめるようにうつむく姿も、この先が思いやられることを下っていくエレベーターの中にいる私という構図が衰退していく日本の渦中の私といわんばかりの構図など、映画として、映像としての比喩表現もちゃんと組み込まれていたのが好印象であった

この事件に至った根元は、女性の社会進出に対してその懸念を払拭する土俵がなってないことだと当方は考える

彼女のもとに送られてきた匿名のメールの言い分や物語終盤に裁判所前に出向いたアイドル気取りが!と言いはなった人の逆説もわからなくはない

報道当時もハニートラップだの冤罪だのあることないこと飛び交ってたし、前述の通り山口氏を擁護するわけではないが、もう上記の様なことだったらそれはそれで世間の風評は後を経たないだろうが、今作をみた多くの人は1.3億の慰謝料請求や控訴や記者会見での供述もどの面下げてそんな大喪なこといえるなぁと思ってしまうほどに無心で2時間鑑賞した

25歳から33歳とあえていうが女性の華の期間を沈黙することなく矢面にたって屈しなかった10年間とこれからを応援したい

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サスペンス西島
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