「メッセージが噛み合わない」ふれる。 笹本さんの映画レビュー(感想・評価)
メッセージが噛み合わない
クリックして本文を読む
ストーリーによる問題提起とメッセージが噛み合わない、というのがまず受けた印象です。
作品のテーマは、思いを言葉にして伝えることの大切さ、心を完全に理解し合うことは不可能だが絆を育むことはできる、という辺りだと思いますが、作中に起きた大きな危機は、妖怪の暴走と恋愛関係の縺れ。これらの事件を経て主人公たちが上記の結論に至るかというと正直疑問符が付きます。そも前者は作中でも理由が分からないので反省のしようがありません。
後者について。キスを受容しても恋仲にならないって当たり前なんですか?作中では勝手に盛り上がった優太と2人が悪いという形でしたが、正直私は秋がついていた悪態とほぼ同じ印象でしたよ。奈南に常識が無かったと。逆にキス≠恋人が常識なのだとしても、主人公たちの反省は上記ではなく、単に常識が無かった、女性経験が浅かった、となってしまう。どちらにせよ、このテーマの問題提起としては微妙と感じました。秋と諒のすれ違いも、お互い伝え合おうとはしているので反省点にはなりません。
総じて、伝えたいメッセージはハッキリしているのに、話が噛み合わないというのが私の感想となります。
コメントする