劇場公開日 2024年2月2日

「滑稽なベルサイユマナーが楽しい」ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 alvoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5滑稽なベルサイユマナーが楽しい

2024年2月28日
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鑑賞方法:映画館

ベルばらで培ったフランス王室のイメージよりも、
事実は遥かに滑稽だったようだ。

- 王に背を見せないよう小刻みステップで後ろ向きに部屋から退出する習慣。
- 毎朝の王のルーチンで、王女様方やら貴族やらをずらりと並べた中でお着替え、髭剃り、健康確認などを済ませる習慣。なんでだろ。
- 女性は髪を下ろさず頭の倍くらいあるカツラでまとめる。
- 王様の公妾にするために平民をわざわざ貴族の妻にする!?養女でよくね?そこまでしておいて最後は天国に行けるよう悪として清算する??
- 王が危篤になったら蝋燭を灯し、亡くなったら消す。見守る貴族は一瞬悲しむものの、10秒後には新王に取り入ろうと押しかける。

ひゃーこれでもほぼ事実なのよね、多少の誇張はあるにせよ、と思いながら見て大変楽しかった。

感情を出してはいけない王家のルールの中で、表情変えずに口元のわずかな歪みだけで感情を表現したジョニデ様さすが。フランス語勉強してあんなに話せるもんなのね。。

主役兼監督のマイウェンは、娼婦初登場シーンであれ?女装のおじさん?と思ってしまうくらい、美しさが分からんかった。。その後綺麗に見えるところもあったけど、うーん一目で虜になる絶世の美女というには。。という残念感あり。本好きの知性も特に生かされてたように思えず。とりあえず常識に抗った度胸はすごい。

その割にルイ16世とアドルフくんの美しいこと。

王女様方はシンデレラのお姉様方みたいなただの嫌な奴ら扱いだったけど、唯一人を蔑まないいい子の末娘だけが現代風の美人があてがわれていて、この映画はいい人カテゴリだけ美形をあてがっているのね、と。大変分かりやすかった。

一番好きだったのが常にそっと寄り添って味方になってくれた執事?のボルドさん。少しずつ懐柔されていく様子がお上手。彼と浮気しちゃうのかと思いきや一応最後まで友情にとどめた模様。しかしちゃんと王の死後面倒見たのかな?家を取り返したらしいのはボルドさんのおかげかな?

お勉強になりました!

alvo