「原菜乃華の妄想シーンは最高だったが、リア充の階段を駆け上がってもやめられないのは性癖なんだろうねえ」恋わずらいのエリー Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
原菜乃華の妄想シーンは最高だったが、リア充の階段を駆け上がってもやめられないのは性癖なんだろうねえ
2024. 3.15 イオンシネマ京都桂川
2024年の日本映画(108分、G)
原作は藤ももの同名少女漫画
学校イチのイケメン男子との妄想を呟く女子高生がリア充になっていく様子を描くラブコメ映画
監督は三木康一郎
脚本はおかざきさとこ
物語の舞台は、海の見える日本のどこか(ロケ地は静岡県浜松市)
そこにある藤桃学園高校に通う市村恵莉子(原菜乃華)は、「恋わずらいのエリー」と言うハンドルネームにて、学校イチのイケメン男子・近江章(宮世琉弥)とのあらぬ妄想を呟いていた
そのポストに反応するフォロワーもいて、彼女の妄想は止まることはなかった
ある日、校舎のはずれにて彼の声を聞いた恵莉子は、国語教師・汐田(小関裕太)の控え室にいる近江を見つけてしまう
だが、そこにいた近江は彼女が観てきた近江とは全く違い、ファンの子からもらったお菓子を投げ捨てたり、横柄な態度を撮りまくっていた
部屋の建て付け扉が壊れてていたために、それが倒れて存在がバレた恵莉子は、慌てて逃げ出してしまう
だが、その際にスマホを落としてしまって、近江に妄想していることがバレてしまうのである
映画は、秘密を握り合った二人が近江の提案で妄想を叶える様子が描かれ、さらにそれらの行動を通じて近江が彼女に本気になっていく、と言うテイストになっている
どの時点で近江が彼女を好きになったのかはわからないが、てっきり「隠れフォロワー」だったのかなと思っていた
実際には別の人物が隠れフォロワーで、それによって二人の仲がピンチ!みたいな感じになっているが、そこまで深くて複雑な感じにもなっていない
とにかく「ものわかりの良すぎる高校生たちのドラマ」なので、察する能力も超能力級になっていると思った
物語は、学生漫画あるあるで文化祭と体育祭で距離が縮まるとか、課外活動でライバルが登場するとか、幸せの絶頂から転落するなどの「あるあるネタ」がふんだんに取り込まれている
キャストを変えただけで、最近っぽく「X(旧ツイッター)」が登場したりするが、それ以上でもそれ以下でもない
個人的には原菜乃華の変顔を堪能できたので問題なかったが、あの妄想パートに耐えうる精神性がないと、後方に陣取っている主演のファンの圧に負けてしまうのではないだろうか
いずれにせよ、かなり低学年向けの漫画のようだったが、アダルティな表現は結構直接的だったように思う
バナナは無理とか、ジャージ越しにキスとか、あれこれと女子の妄想が所狭しと登場するのだが、おそらく近江と要(西村拓哉)の萌え本などが世に出回りまくっているんだろうなあと思った
原作をかなり端折っているので、突然「原作では主要キャラで恋愛の障壁になってそうな人物」がさらっと登場するのは無理矢理だなあと思った
ラストではNiziUのメンバーのJK姿が見られるのだが、オーラが違いすぎて浮いているのはお約束のように思える
おそらく本人たちを知らなくてもわかるぐらいに芸能人オーラが出ているJKグループが登場するので、このサプライズは面白いなあと感じた