「あくまでファンが楽しむ映画であり初心者には向いていない」名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ) しろたさんの映画レビュー(感想・評価)
あくまでファンが楽しむ映画であり初心者には向いていない
今まで劇場版をスクリーンで見たことがないし(異次元の狙撃手だけTVで観た)、単行本も過去に最初の数巻しか読んでない者である。今作は30周年イヤーであちこちPRしているのと、函館が舞台で気になっていたのでファンである友人と共に観に行った。彼女いわく単行本105巻とコナンVS怪盗キッドを見ればなんとかなるというので事前に触れておいた。
結論から言うと、キャラの絡み、キッドの謎、(おそらく)過去作品のネタが多く、最後の方は「函館の夜景が綺麗だな」というだけで終わってしまった。鈴木財閥とキッドの関係性は単行本で知っていたが、まさか他作品のキャラ(YAIBA)も出るとは思っておらず、それはないわと思ってしまった。。
ここまで言えばわかると思うが、長年、コナンや青山作品に触れている人ならオールスター状態で嬉しいだろうが、作品をほぼ知らない人からしたら「なんじゃこりゃ?」と思ってしまっても仕方ない。ファンである友人はそれなりに楽しめたようだが、後にXでの推測ポストやサンデーうぇぶりのネタバレありコメントに触れて完全にしらけてしまった。最後、某キャラが再登場(復活?)するシーンから来年への予告が流れてきたが、来年の作品も今回みたいに過去作知らないと無理なら観る気はしない。
※ラストのシーンでざわついたというコメントがあったものの、自分が見た時はほぼ満員でも誰もざわついてなかったので劇場によって差がある
良い点は聖という居合道のキャラが良かったのと、函館の夜景が美しかったことだろう。ただ聖もパンフに出てないので謎状態。
監督がたまたま別の好きな映画を手がけていたので、同じ人でもここまで変わるんだなと思ってしまった。
最後に。
小学館、セガ(アニメ制作会社はセガグループ)、日テレ(読売テレビ)、他社の雑誌など大々的に映画や30周年イヤーで取り上げているが、初心者はそれだけで踊らされて安易に観ない方が良いとアドバイスする。普通なら映画単体で完結するのでそれだけで楽しめるものの、コナンに限っては(劇場版、単行本問わず)過去のエピソードが絡む以上、その前の作品を知っているのと知らないのでは全然楽しみ方が違う。今回はPRに踊らされて観てしまい後悔しているので同じ境遇の人が出ないことを祈る。