「最後にとんでもない爆弾を落としていく映画」名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ) セイさんの映画レビュー(感想・評価)
最後にとんでもない爆弾を落としていく映画
ファン歴28年、劇場版は1作目から映画館で鑑賞しているコナンファンです。
今回は深夜0時の最速上映にて鑑賞しました。
初めて観たときは、最後の最後に落とされた爆弾にそれまでのストーリーが全部吹っ飛び、しばらく放心状態でした…(詳細は後述)。
【ストーリー ◯】
今回はわかりやすく悪いやつがいて、悪いやつとのお宝争奪戦がメインストーリーの軸なのでわかりやすいしずっと楽しいです。
キッドが変装するキャラクターを次々と変えるのもテンポが良い。
中弛みするシーンがありません。
【キャラクター ◎】
登場キャラクターは多いが、みんな生き生きと動いていて魅力的。
銃撃戦の中で「みんな逃げて!」と声かけをするコナンくんは解釈一致。
紅葉と伊織は平次を探して北海道中を回っていますが、「伊織、さてはお嬢様と北海道観光したいだけだろ!」と思いながら見ていました。告白シーンでのスタングレネードのアシストはグッジョブ。
能力が高すぎて映画出禁と思われていた工藤夫妻の再登場に興奮!(これが最後の爆弾の伏線とは思わなかった…)
鬼丸が出てきたときは嬉しかったです! このために土方歳三はCV津田健次郎だったのね。
【アクション ◯】
何をやっているかがわかりやすく、何のためにそのアクションが必要なのかも説得力があって、無駄なアクションがほぼなかったと思います。
ロープウェイをスケボーで駆け上がるコナンくんとセスナの上で戦う平次のシーンが好き。
【作画 △】
青山原画の数は多くて、その点は満足。
しかしそれ以外の普通のシーンの作画で不安定なところが多々見られました。
アップはまだ良いのですが、引きの絵で「誰だこいつ!?」ってなるくらい崩れた作画がちょこちょこ見られます。
特にコナンと平次の顔が不安定…。
【音楽 ◯】
和風アレンジのメインテーマは格好良い!
今回、OPが短くてちょっと残念。
新しい怪盗キッドのテーマと思われるBGMは、真剣なシーンではちょっとコミカルになってしまって合っていないように感じました。
【平次の告白 ◯】
告白の言葉は平次らしくて良いし、オチもいつも通りで良かったのですが、この後のキッドの真実が衝撃的すぎて印象が薄くなってしまう(笑)
【キッドの真実 ◎】
工藤優作と黒羽盗一が双子の兄弟!?
つまり工藤新一と黒羽快斗=怪盗キッドは従兄弟の関係。
これが新一とキッドの顔と声が似ている理由づけとして今回初めて明かされたわけですが、「先祖が一緒」くらいかと思ったら予想以上に近しい血縁関係でした。
「工藤新一少年の冒険」で「?」「!」ってやりとりをしていた盗一と優作ですが、あれは兄弟でキャッキャしていただけかーい!
兄弟で世間を巻き込んで何やってんだ!
盗一も優作とは会ったことない感じの雰囲気を出していたけれど、物心つくまで一緒に育った兄弟じゃないか!
「工藤新一の弟」を自称していた盗一、弟じゃなくて伯父さんじゃないか!
…と、あまりの衝撃に頭の中がぐるぐるしてしまいました。
ファンの冗談みたいなこの設定、公式設定にしちゃっていいの?
従兄弟になってしまったコナンとキッド、今後の原作での関係性にも影響があるのか気になるところです。
優作の親、すなわち工藤家の祖父母が離婚していることにもびっくり。
物心もつかない双子の赤ちゃんを引き離して離婚した祖父母。何があったんだ…。
新一は祖父に会ったことがないのかな?
盗一が生きていること自体は原作の「まじっく快斗」でも示唆されていたので驚きはないのですが、池田秀一さんのセリフが「フッ」だけだったのは笑ってしまいました。
【次回予告 ◎】
雪山かー…と思って見ていたら長野県警メンバーの声が聞こえて大興奮!
工藤夫妻と同様に能力が高すぎて映画のメインにすることは不可能なんじゃないかと思われていた長野県警の劇場版、楽しみです。
【総合 ◎】
永岡監督の作品の中では一番の出来だと思います!
「キッドの真実」については昔からのファンほど受ける衝撃は大きくなりそうなので、これをどう捉えるかで評価は分かれそうですが、上映後に周りのお客さんがざわつく感じをぜひ映画館で体験してほしいです。