「リアルさはオリジナルに劣る」地獄の黙示録 特別完全版 あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)
リアルさはオリジナルに劣る
オリジナルの製作当時、配給会社に3時間以内に収めろと指令がくだり、泣く泣くカットしてしまったシーンをくっつけて再編集したのがこの完全版。
シーンを加えるとここまで作品の持つメッセージ性が変わってしまのかと、感心しながら観ました。この完全版では、より政治的なメッセージが色濃くなっている。そしてその影響で、本作にあった人間の原始的な側面のようなものが色あせてしまったのが印象。
それでも本作にしかない魅力もあります。
極めつけは、ロバート・デュバル演じる小隊隊長のサーファー狂が出るシーンで追加されたところ。オリジナルでもここは「地獄の黙示録」のハイライトのひとつだが、この完全版ではそれがさらに出色。あまりに滑稽で、笑っていけないのに笑ってしまいました。
この作品以降、まったく鳴かず飛ばずになってしまったコッポラさん。これだけの作品をつくってしまっては、創作者としてのエネルギーが完全燃焼してしまうよね。お疲れ様でした。
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